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市販品の少ないエフェクト作成ツール

ゲーム業界で使用しているツールは基本的に市販の物です。
Photoshop(フォトショップ)やIllustrator(イラストレーター)、XSI(エックスエスアイ)など、そのほとんどが高価ですが誰でも購入して使用する事が出来るツールです。


しかし、エフェクト作成ツールに限っては例外で、基本的に多くのメーカーが社内ツールを使用している様です。
私もエフェクトを作成する事がありますが、やはり社内で造られた独自のツールを使用しています。
「社内ツール」=「会社の財産」な訳なので、他のメーカーの人間や一般人がそれを目にする機会はなかなかありません。

各種ハードメーカー(ゲーム機本体を開発・ライセンスしているメーカー)が提供するツールの中にエフェクトツールが含まれる場合もありますが、やはり一般に公開されている訳ではありません。

極希に「CGワールド」などのCG雑誌等でゲームと共に紹介される事もありますが、ゲームのオマケ程度の扱いなので、深く知る事が出来ないのが現状です。


なお、ここで言う「エフェクトツール」とは、「Aftereffect」の様な動画用エフェクトツール、「AfterBurn」の様な3DCGソフト用のプラグインなどではなく、リアルタイムゲーム用のエフェクト作成ツールを指します。


ここでは、ゲーム業界で使用されているエフェクト作成ツールの一つである「ブレンドマジック(Blend Magic)」をご紹介しましょう。

なお、このツールは現在では「BISHAMON(ビシャモン)」と名称変更されています。
(このバージョンの時点ではBlendMagic。)


  • 私個人が収集した情報を公開しており、内容の正確性は保証しません。
  • 無断転載・改変(リライト)等は厳禁。 判明した場合は対処します。

ゲーム業界イメージ

エフェクト作成ツール「ブレンドマジック(Blend Magic)」とは?

市販品が少ないエフェクト作成ツールにおいて、例外的とも言えるのが(株)マッチロックが発売している「ブレンドマジック(Blend Magic)」というツールです。
私が知っている限りでは、市販しているゲーム用エフェクト作成ツールはこのブレンドマジックくらいではないでしょうか。


このブレンドマジックはゲーム業界向けのツールでして、既に導入実績もあるようです。
ツール本体だけでも結構な値段がしますが、さらに年間保守料などが必要です。

今のところ教育機関で導入したとの話は聞かないですが、そのうち導入するところが出てくるかもしれません。
エフェクト作成はゲーム業界のデザイン業務の中ではあまり重視されていない雰囲気があり、学生や教育機関による認知度も低いようなので、まずはその辺が改善されないといけないですね。


現在のバージョンはVer2.10で、近々大規模なバージョンアップが予定されているようです。
見た限りではインターフェースや機能など、様々な面で大幅に追加・改良されるようです。
主にXbox360やPS3などの次世代機(もう現世代機と言うべきですが)に対応した進化を遂げるとの事。


ブレンドマジックは現行バージョン(Ver2.10)の体験版が公開されているので、軽くご紹介しましょう。



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非常にシンプルなインターフェース

それでは早速ブレンドマジックを起動してみましょう。

最初にプロジェクト設定を行う。 非常にシンプルな画面。

*画像クリックで拡大。


ブレンドマジックを起動すると、最初に小さなウィンドウが表示され、そこでFPS(この場合はフレームレート)やパーティクルのソート制御などを設定します。
この設定は起動後にも変更できるので、ここでは適当に設定します。

起動すると3DCGツールのようなグリッドメインの画面が表示されますが、非常にシンプルな設定なので、最初は驚くかもしれませんね。
日本の企業が作成しているツールなので、当然ですが基本的に日本語表記になっています。

画面左側に真っ白なエリアがありますが、パーツを追加していくと、ここにツリー構造が造られていきます。
画面下にはアニメーション制御スイッチが並んでいます。


シンプルに並んだツール群。 背景色の変更も可能。

*画像クリックで拡大。


画面上部には各種ツールのアイコンが並んでいます。
その上にあるプルダウンメニューでは、プロジェクト、標示物、シェーディング等の各種設定を行います。

カメラの移動はキーボードのSキーとマウス各ボタンを使用する形で、XSIなどの市販の3DCGツールと同じ感覚で操作可能で、非常にやりやすいですね。  また、背景色は自由に変更できます。


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ニュートンダイナミクスなど、充実した機能

エフェクトの基本パーツ「Quad」。 ニュートンダイナミクス。

*画像クリックで拡大。

ブレンドマジックにおけるエフェクト作成において、基本となるのが「Quad(クアッド)」と呼ばれるプリミティブパーツです。
これにテクスチャーを適用し、各種動きを加える事でエフェクトとして完成させるのが一連の流れになるようです。

パーティクルの動きはトランス(移動)、ローテーション(回転)、スケール(拡大縮小)のパラメーターを与える事で制御しますが、「ニュートンダイナミクス」と呼ばれるパラメーターを利用すると、より複雑な動きをつけられます。


単調な動きの煙。 初期値にランダム要素を与える。

*画像クリックで拡大。


とりあえず、簡単な煙のエフェクトを造ってみましょう。

左の煙はサイズ・速度・回転・生成間隔など全てが均一な状態です。
それにニュートンダイナミクスで変化を付け、右の画像の様にサイズ・回転値・生成位置に変化(ランダム値)を与えてみました。


スケール値の加算要素を追加。 さらにランダム要素を追加。

*画像クリックで拡大。


生成間隔とパーツのサイズを調整する事で、途切れ途切れだった煙がつながって見えるようにしました。 また、上昇するに従い、スケール値と回転値に加算要素を与え、段々煙が広がるようにしました。

さらにランダム要素を与えて完成です。
各パーツの生成時と消滅時にフェードイン・フェードアウトするようにマテリアルカラーも設定してあるので、突然現れたり消えたりする事もありません。


エフェクトの基本パーツ「Quad」。 ニュートンダイナミクス。

*画像クリックで拡大。


ブレンドマジックを使用していくつかの簡単なエフェクトを作成してみました。

左の方はゲームエフェクトの定番とも言える雷の表現です。
右の方は閃光をイメージしたエフェクトで、60フレームほどで完結するアニメーションです。



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ブレンドマジック(Blend Magic)の感想と最新版(Ver3.x)に関して

ブレンドマジックの体験版を数時間ほど触ってみた感想ですが、謳い文句通りにテクスチャーが描ければ(これが重要&困難ではありますが)、比較的短期間の練習でおおまかなエフェクトを作成する事は可能であると思われます。

極力シンプルにまとめられたインターフェースや、主要3DCGツールと同じ感覚で行えるカメラ制御など、注目すべき点は色々あります。

そして何より、パラメーターを変更して即プレビューが可能な点が良いですね。
一々プログラマーの手を煩わせることなく何度でも試行錯誤が可能な点は、さすが専用ツールといった感じです。


シンプルな故に機能的に不足している様な印象もありますが、最新版の「BISHAMON(旧:BlendMagic Ver3.x)」では大幅に機能強化されました。


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