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ゲーム業界への就職試験で提出する作品はどうする?

ゲーム業界に開発職で就職する時は、まず間違いなく作品の提出を求められます。

デザイナーだったらデッサンやCG作品を、プログラマーであればミニゲームなどのプログラム作品を、そしてプランナーであれば企画書の提出を求められるでしょう。

しかし、実際にどういった内容の作品を提出すれば良いのかは大いに悩むところです。
企業の期待に応えつつ、自分の実力も示す必要が有ります。

ここでは、実際に学生の作品審査を経験したことのある私が、主にデザイナー向けに「どういった作品が喜ばれるのか?」をアドバイスしていきます。
*あくまで参考程度であり、その効果は保証しません。


  • 初回公開日:2008年5月
  • 最終更新日:2018年3月
  • 私個人が収集した情報を公開しており、内容の正確性は保証しません。
  • 無断転載・改変(リライト)等は厳禁。 判明した場合は対処します。

ゲーム業界イメージ

企業側から提出作品の指定が有った場合は、まずはそれに従う

提出する作品に関しては企業や雇用形態によって変化しますが、時には企業側から具体的に指示される事が有ります。
これは「課題作品」とも呼ばれる物で、企業側としては特定のテーマに沿った作品を提出して貰う事で、その人の実力やセンスを計りやすくなるという訳です。
後述しますが、あまりにも自由な作風で作品を提出させると、場合によっては実力を判定しにくくなるのです。

と言う訳で、具体的な指示があったらそれに従いましょう。
特に中途採用の場合は、過去に制作したゲームに関する作品を要求される事が多いです。

スクウェア・エニックスの例(公式サイト求人情報ページより引用)

過去に制作されたエフェクト動画の提出をお願い致します。
テクスチャ等素材レベルの画像があればそちらの提出をも合わせてお願い致します。

コーエーテクモの例(公式サイト採用情報ページより引用)

作品(形式自由、制作環境や担当業務・ポジションを明記)。

この様な具体的な指示があります。

一つのタイトルには多くのスタッフが参加するため、具体的に何処を担当したかを聞かれます。
前の職場で制作したタイトルはその会社が権利を所有しているため、作品を提出するのが難しい事も有りますね。


また、「スマホ用ロープレにおける宝箱や村人」といった様な、募集が掛かっているプロジェクトの内容に則したテーマで作品を求められる事も有ります。
ジャンルに加え、そのゲームが動くプラットフォームも考慮した作品作りが求められるわけです。


  • メーカーから課題作品を指示された場合は、内容を良く確認しましょう。
  • 中途採用の場合は過去作品の提出と、担当箇所の明記を。

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提出作品はなるべく具体的で実力を計りやすい物を中心に!

採用試験の時に作品提出を求める理由、それはもちろん応募者の技術やセンスを見るためです。
もっと言うならば、その人をゲーム制作の現場に組み込んだ場合に、大いに役立ってくれるかどうかを知りたいわけですね。

なので、提出する作品もゲーム制作の現場を意識した内容で有る事が望ましいです。
「課題作品も有るじゃ無いか」と思うかも知れませんが、課題が有るからと言って自由作品は好きにやって良いかというと、それはちょっと考え物です。


意図やセンスが分かりにくい作品は困ってしまう

以前、とある作品展を見に行ったときの事を話しましょう。

それは映像作品でして、部屋に入るとプロジェクターが設置してあり、ほどなく映像が始まりました。
何もない曇り空のような空間がしばらく続いたかと思うと、突然そこかしこに黒い煙の様な物がポツポツと現れては消える、それがひたすら延々と繰り返されるという内容でした。

私には「対空砲火(高射砲)の弾幕」にしか見えませんでした。

おそらく、芸術家の人が見れば感銘を受ける様な作品だったのかもしれません。
しかし、私には何を表現したいのかがさっぱりわからなかったのです。


もちろん、その作品の制作者および作品その物を否定しているわけではありません。
もしゲーム業界への就職作品として提出するとなるとどうか?、という話です。

例えばデザイナーであれば、世界観のコンセプトアート等を除き、基本的にはゲーム内に登場する「見慣れたキャラクターや背景」を作るわけです。
なので、採用担当者が「この人はゲームにおけるデザイン業務で活躍できるだろうか?」という点を判断しやすい作品で有る事が望ましいのです。
提出作品が前衛美術風な物ばかりだと、ゲームのキャラクターモデル等を作らせたら活躍できるかどうかが判断しにくい場合が有ります。


では一体どういう作品を提出すればよいのか?

まずは会社から特定のテーマを指定されている場合は、それを提出するのはもちろんとして、それ以外の「プラスアルファ」の部分が問題です。
もちろん、抽象的・前衛的な作品が駄目だと言っているのではありません。
内容によっては光るセンスをアピールする事が出来ますからね。
提出するならば自信作を厳選して、数は抑えめにした方が良いという事です。


実際のゲーム制作の現場を意識した作品を作ろう

個人的には、やはり「実際に職場で役に立ちそうなスキルが分かるもの」が良いと思います。
例えば、実際のゲーム制作においては、ポリゴンもテクスチャーも様々な制約に従って作成する必要があり、好きなだけ使えるという物ではありません。

そこで、ゲームの制作現場を意識したテーマで作ってみるのはどうでしょう? 例えば、

  • 「騎士」をテーマにしたキャラクターをデザインしてみる。
  • 1000 ポリゴン以内でキャラクターをモデリングする。
  • 256 x 256 ピクセルかつ 256 色に減色したテクスチャーを5枚まで使用する。
  • 「剣を振る」など、ゲームで多用されるシーンを想定してモーションをつける。
  • 「爆発」を想定して効果音を作成する。
  • 「レベルアップした時」を10秒で表現できる曲を作曲してみる。

こういったテーマで制作された作品ならば、見る方としはとても判断・評価しやすいですし、実際に採用されて仕事に就いた時の練習にもなることでしょう。
特に「制約の下で創意工夫する」という事に慣れておくと後々役立ちます。

もちろん、単に課題に合わせて作成するだけではなく、自分ならではの個性もアピールできるようにするのがコツです。


また、動画・タイトル画面(静止画系)・広告向け素材など、ポリゴン数などの制約を受けないデータを作製する機会も多いので、そちらを意識したハイエンドCG作品も用意しておくと良いでしょう。

既にターゲットとする企業が決まっているならば、その企業が発売しているタイトルの作風や内容に見合ったCGモデルなどを作るのも良いかもしれませんね。


  • 作品の内容はバランスが大事です。
  • ゲーム制作の現場を意識した作品を用意しましょう。
  • 採用担当者があなたの能力やセンスを判断しやすい作品を!

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提出するポートフォリオ(作品集)に何を入れるか?

基本的にデザイナー系の話になるのですが、審査の途中で必ずポートフォリオ(作品集)を提出する事になります。
ポートフォリオは応募者の技術力やセンスを判断するための極めて重要な意味を持ちます。
採用されるかどうかを左右する極めて重要な要素なので気合いを入れたいところですが、それ故に慎重にいきたいところです。

作品の方向性等に関しては前で述べた通りなので、ここではポートフォリオの構成の仕方などについて、過去の経験をを元にいくつかアドバイスを書いてみます。


ポートフォリオの作品数は少なすぎず・多すぎず

まず、作品数はむやみやたらと多くしないという事が重要です。
審査する人は大抵複数居て、それぞれ感性が違うので、どの作品が評価されるかは分かりません。
また、メーカー毎に作風が違うので、作品に対する評価も違う場合が有ります。

なので、なるべく多くの作品を入れておけばどれかが評価される・・・確かに一理あります。

しかし、その一つ一つが高クオリティーならばともかく、大して魅力も無いような作品がたくさん有ったところで評価には繋がりませんし、むしろ数が多すぎると見ていてうんざりしてきます。


自信作を程良い数だけ用意する事が重要でしょう。
数は少なくとも10点、多くても20点が良いでしょうか。 少なすぎず・多すぎずです。
WBCの侍ジャパンチームを編成する監督になった気持ちで厳選してください。

また、特に見て欲しい自信作ほど前の方に持ってくると良いと思います。
最初のインパクトが重要ですから、見た瞬間に相手の興味を引けるようにしましょう。
一方、竜頭蛇尾で終わっても意味が無いので、締めの作品にも自信作を置きます。


「作品が少なすぎて10点も無いよ!」という場合は今までの取り組み方に問題があります。
無い物は仕方が無いので、例えばテクスチャー単位でサンプル一覧風に構成し、テクスチャーの作成能力や引き出しの多さをアピールするとか頑張ってください。

いずれにしても、選考が始まってから作品を作り出すようでは話になりません。
常に作品はストックしておき、何時でもポートフォリオを作成できる状態にしておきましょう。
いや、ポートフォリオ自体も常時準備しておくくらいで良いですね。


目指す職種や企業を意識したポートフォリオにしよう

ポートフォリオには自信作を入れますが、自信作だったら何でも良いという訳でもありません。
「自分がやりたいこと、なりたい職種」、そして「応募するメーカー」を意識した作品構成にすることが重要です。

例えばキャラクターデザイナーを志望しているのに、ポートフォリオにはキャラクター作品がほとんど入っていな場合はどうでしょうか?
これではキャラクターデザインに対する情熱、そして何よりセンスや技術力があるかどうかを判断する事ができません。

採用される事が最優先で、細かい職種は問わないというのも一つの考え方ですし、例えキャラクターデザイナーを志望していても、どこに配属するかは企業次第でもあります。
ですが、何か具体的な希望職種が有るのであれば、今までそれに関して学び作品を作ってきたはずですから、それを睨んだ作品構成にするべきでしょう。


ところで、メーカーによって作風や参入しているプラットフォームが大きく異なる場合が有ります。
例えばA社はPS4向けのハイエンドCGを得意とし、B社はスマホ向けの軽量なゲームシステム向けを得意とする、といった具合です。

この様な場合は応募するメーカーに応じてポートフォリオの構成もある程度変更しましょう。
スマホ向けのメーカーに応募する場合、ハイエンドゲーム機を意識した作品を多めに入れるより、今すぐスマホ用ゲームに実装できそうなモデルを使った作品を多めに入れた方が、審査する企業としては応募者のセンスや技術をイメージし易くなります。

もちろん、あくまで割合を調整しろという意味ですから、ハイエンドCG作品を全く入れるなと言う意味ではありません。
引き出しの多さやセンスを判断して貰う為に色々入れること自体は問題有りません。


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何かをモチーフにした作品を造る場合の注意

前述の通り、ゲーム業界を初めとしたクリエイティブ業界であれば、採用試験の中で作品提出を求められ、場合によっては特定のテーマに沿った課題作品を求められる事も説明しました。

ここでは、課題作品以外、つまり自由作品の内容に関しての注意点を書いてみます。


何かをモチーフにした作品をオリジナルと称しない事

まず注意して欲しいのは、既存の作品、或いはそれに登場する物をほとんどそのまま模倣したような物を「オリジナル作品」と称して提出しないことです。

送られてくる学生作品を見ていると、高確率で既存の作品に強い影響を受けた作品を見かけます。
元ネタとして人気があるものをいくつか例に挙げてみると、

  • アメリカ軍の軍用機。 特にF-14・F-15・F-16・F22辺り。
  • ロシア軍の軍用機。 特にSu-27系統とSu-47(旧S-37)。
  • 映画「エイリアン」や「スターシップトゥルーパーズ」に登場するエイリアン。
  • 第二次世界大戦中のドイツ軍兵器全般(コスチュームも含む)。
  • 有名ゲームタイトルのキャラクターなど。

このあたりが特に人気ですね。

これは学生作品に限らず、既存のゲームやアニメにも言えることでして、大戦中のドイツ軍の衣装や米軍のF-14などのデザインは大人気で引っ張りだこです。


F-14をF-14としてそのまま再現するのは別に良いですし、そのデザインを昇華させてオリジナルと言えるレベルまでアレンジした物を持ってくるのも良いです。

が、F-14とかSu-27の各パーツを組み合わせただけのものを「オリジナルデザインです!」とか言って持ってこられると、なんかもうその時点でアウトです。

既存の兵器や商品を研究するのは良い事ですし、3DCGで完全再現する事も勉強になります。
やってはいけないのは、それをそのまま模倣・流用する事です。

F-14やSu-27は格好いいです。 男の子のハートを鷲づかみにして離さないくらい格好いいです。
そう思ったならば「なぜ格好いいのか」を考え、それを取り込んで自分独自のセンスで表現できるようにしましょう。


マニアの集まりであるゲーム業界を甘く見るな!

ちなみに、極めてマイナーでマニアックなジャンル・作品のデザインを流用して「これだけマイナーなネタならばれないだろう」と思うのは大きな間違いです。

ゲーム業界は様々な分野に精通したマニアの集まりと言っても過言ではありません。
ですから、どんなマイナーなジャンルであろうと、必ず詳しい人が居ます。
そして、そんな人が見れば何が元ネタかは3秒でばれます。

そういう私もミリタリーから高層ビル、自動車から妖怪まで実に幅広い分野に興味があります。
なので、何らかの題材に強く影響を就けた作品は、大体すぐ元ネタが分かります。


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フォトショップの「逆光フィルター」を使用する際の注意

逆光イメージ

フォトショップのフィルターの一つに「逆光」というものがあります。
このフィルターを使用すると、カメラで撮影する際に発生する光源のフレアやゴーストの様な効果を作成できます。

学生作品でも非常に多用されている、と言うより学生作品くらいでしか見かけないフィルターですね。

安易に使用してしまうと非常に安っぽい印象を受けてしまうので、よほど上手く使う自信でも無ければ、使用するのは避けた方が無難です。

特に、太陽など光源の位置と方向を考慮せずに逆光フィルタを使用しているようなケースはよろしくありません。 光源が存在していない場所に逆光フィルタを使用している場合もあります。

これでは、デザイナーとしての力量に疑問符が付いてしまい、かなりのマイナスイメージを持たれてしまいます。
この「逆光」に限らず、フォトショップのフィルターの安易な使用には注意してください。


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