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湧塚(和久塚)尾根の急登と絶景ポイントを越え、大崩山の頂上へ
大崩山荘前から祝子川を徒渉すると、暫くは比較的平坦な樹林地帯が続きます。
地形こそなだらかですが、この樹林帯は迷いやすいので要注意。
その後の湧塚尾根はかなりの急登であり、梯子やロープも次々と出現します。
極端な難所はまだ有りませんが、体力を消耗する序盤の山場と言えるでしょう。
- 最終更新日:2018年6月
- あくまで私個人が趣味で収集したデータを公開している場です。
- 情報は日々変化しており、内容の正確性の保証はしません。
- 無断転載・改変盗用等は厳禁。 判明した場合は対処します。
祝子川を徒渉し、迷いやすい樹林帯を越えて、急登の待ち受ける湧塚尾根へ
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
重さ数トンはあろうかという巨岩を支える逞しい添え木達!
もちろん実際に支える強度など有るはずも無く、あくまで洒落の一環であります。
何処の山でも見かける光景ですが、一体いつ何処で誰が始めたのでしょうか?
この付近はたまにロープ場が有りますが、技術的難易度はさほどありません。
それよりも迷いやすい地形の方が要注意です。
祝子川の徒渉後、しばらく小さな沢沿いを歩くのですが、この付近は迷いやすく注意が必要です。
間違った踏み後が次なる道迷いを生む・・・負の連鎖ですね。
途中で何度か徒渉するのがポイントです。 道が消えたなら対岸に続いているかもしれません。
踏み跡だけを辿るとルートミスの危険が有るので、確実な目印であるテープを探してください。
大崩山ではピンクのテープが多いですが、他の色も有ります。 慎重に周囲を観察しましょう。
- 前方だけでは無く、沢の対岸にも目を向けましょう。
- 確実な目印のテープを探しましょう。 色はピンク・赤・白・黄色など多彩です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
この樹林帯のハイライトは、この巨大な岩の割れ目を通過する場所です。
元から割れていたのか、通路用に割ったのかは不明ですが、ここを通過します。
一見凄く狭い様に見えますが、ザックを背負った成人男性でも問題有りません。
なお、ここを直進すると小積谷のクライミングルートへ至るようです。
当然ですが一般登山ルートではないので、不用意に行かないようにしましょう。
- この岩の隙間、別名「メタボチェッカー」と言われているとか?
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
岩を通過した辺りから段々と傾斜が厳しくなり、やがてかなりの急登になります。
そして登場する梯子やロープ群。 一気に標高を稼げますが、疲労と水の消費も激増!
この辺からが湧塚尾根の本領発揮(?)です。 ひとつ気合いを入れてファイト!
大崩山には数十箇所もの梯子場がありますが、数だけでは無く種類も豊富。
鋼鉄製の本格的な物も有れば、アルミ梯子や脚立を利用した物まで様々です。
そして注意して欲しいのが、中には安定性の低い梯子も存在すると言う事。
写真の梯子は基部が地面に接しておらず、周囲の樹木に結びつけている状態です。
ここは比較的安定していますが、中にはグラグラと揺れる不安定な物も有ります。
固定された強固な梯子も有りますが、大半はこの様な状態と思ってください。
さらに、梯子とロープの組み合わせも多く、梯子からロープへ移る際には慎重に。
- 大崩山には不安定な梯子も多いので、取り付く前に確認を!
- 通過する際は必ず1人ずつ!
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
大部分が急登である湧塚尾根ですが、この付近が一番きついかもしれません。
勾配もきついですが、樹林帯なので蒸し暑いのも問題。 特に盛夏は地獄です。
ペースを調整しつつ、無理せずゆっくり登りましょう。
この付近のテープはピンクが多いですが、場所によっては他の色の古いテープも存在します。
赤色は風景に溶け込んで視認しにくいので、ピンクか黄色だと嬉しいですね。
- 大崩山のテープは主にピンクですが、古い赤や黄色の物も有ります。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
大崩山にはロープ場に加え、写真の様に木の根っこを活用した足場も多いです。
この根っこもいつまで頑丈に支えてくれるかは分かりません。
通過する際は安定しているか等、状況を確認しながら慎重に。
- 自然物を活用した足場は耐久性などの状況を要確認!
袖ダキ展望所への分岐点は間違えやすいので注意
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月頃)
久しぶりに分岐点が出現しましたが、ここは「袖ダキ」への分岐です。
直進すれば頂上への最短ルートへ、左折すれば最初の展望所である袖ダキへ行きます。
要注意なのは、この分岐が「山と高原地図」など一部の地図に記載されていないという点です。
下調べをしていないと「袖ダキ」が何なのかが分かりませんし、「頂上」という言葉につられて直進してしまう可能性が有ります。
意図的にそちらへ行く場合は良いのですが、絶景を目的に来た場合は要注意。
この他にも地図に記載されていない分岐が多く、入念な下調べが必要です。
なお、袖ダキから頂上方面への道が続いているので、この分岐まで戻る必要は有りません。
- 袖ダキは大崩山を代表する絶景ポイントなので是非行きましょう!
- 袖ダキ経由でも頂上方面へ進む事ができます。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
分岐から先はスラブの急斜面が続きますが、距離はさほど長くありません。
周囲を見る限り、登山者によって土が浸食・流出して岩が露出した様ですね。
大崩山は全体的に巨大な岩の塊で、その上に土が堆積して樹林帯が有るという地形です。
こうして見ると土の層は非常に薄く、地滑りが起きた時の事を考えると不安ですね。
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大崩山有数の名所! 袖ダキからの息をのむ素晴らしい展望
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月)
分岐から五分程度で「袖ダキ」に到着しました。
ここは大崩山における最初の絶景ポイントで、いきなり強烈な風景!
目の前には「小積谷」を挟んで巨大な「小積ダキ」がそびえ立っています。
見えている部分だけでも約300mの高さが有り、北アルプスの屏風岩を彷彿とさせますね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
思わず息をのむ超巨大な小積ダキ。 大崩山における最大の目玉と言える巨岩です。
よく見ると、長い年月をかけて少しずつ岩が剥がれて崩落している様ですね。
僅かな段差に土が堆積し、その上に樹木が育っているわけですが、つくづく自然の力とは凄いです。
ちなみに、この小積ダキの上には坊主尾根のルートが有り、後ほどそこを通ります。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月頃)
小積谷を見下ろすと、崩落した岩が散見されます。
この小積ダキはロッククライミングの名所らしく、登る際は小積谷からアプローチするようです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月頃)
小積ダキの隣に突き出ているのは「坊主岩」と呼ばれる名物岩です。
主に下山時に使用する「坊主尾根」上に位置しますが、さすがに上には登れません。
小積ダキと比べると遥かに小さいですが、この坊主岩も単体では巨大ですね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月)
小積ダキの反対側に聳えるのが、これも大崩山名物の「湧塚(わくづか)」群です。
手前から順に「下湧塚」「中湧塚」「上湧塚」で、いずれも登頂可能!
この様に小積ダキと湧塚群は谷を挟んで向かい合っており、それぞれの上から全体を眺めることが出来ます。 大崩山に来たならば、これらの巨岩を見ずには帰れません!
なお、「わくづか」には「湧塚」と「和久塚」の二通りの書き方が有り、地図には主に前者が、山中の看板には両者が使用されています。
どちらが正確なのか、どちらでも問題ないのかはよく分かりません。
- 「湧塚」と「和久塚」は同じだという事を覚えておきましょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月)
とにかく凄まじい絶景が楽しめる袖ダキの展望所。
既に大満足した人も多いかも知れませんが、大崩山はここからが本番です。
これから先もさらなる絶景ポイントが続々登場するので、休んでいる暇はありませんよ!
なお、袖ダキ展望所は側面が深く切れ落ちており、万が一転落したらまず助かりません。
時々、かなりギリギリの場所まで行って記念撮影している人が居ます。
確かに良い写真が撮れるでしょうが、もし落ちたら一発アウトですよ。
また、ここから下和久塚へは道が続いています。 間違って分岐まで降りない様に注意!
- 転落したらアウトなので、端にはあまり近づかないように。
- 袖ダキからそのまま先に進めるので、分岐まで戻る必要は有りません。
梯子とロープにトラバースが連続する湧塚尾根の厳しい急登
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
袖ダキから先へ進むと、小手調べ代わりに梯子やロープが次々に出現!
注意を要する場所ですが、一気に高度を稼げるのである意味楽でもあります。
下湧塚・中湧塚・上湧塚の間にはそれぞれ急登が有るので、体力配分に留意しましょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
急斜面や大岩の間を補助の梯子や足場を使用して進む湧塚尾根の登山道。
左の写真の様に、自然の根っこを利用した狭い足場も存在します。
梯子は多いですが、右の写真の様な岩盤や岩に固定された梯子は少数派です。
ぐらつく梯子も有るので、体重をかける前に状態を確認しましょう。
下湧塚の手前に有る分岐点と五連梯子を越えて下湧塚へ
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月)
下湧塚の直前にあるこの分岐点が、湧塚尾根コースにおける前半戦最大のポイントです。
案内板には「下和久塚」「大崩山頂」と有り、山頂方面に向かうと湧塚群を迂回する最短ルートに進みます。 袖ダキ手前の分岐点と基本は一緒ですね。
山頂方面は確かに最短ルートですが、当然ながら和久塚(湧塚)群の展望所へは行けません。
展望を見たい場合、うっかり頂上の方へ進んでしまわないように注意しましょう。
実際、この分岐点でどちらへ進むべきか迷っている人達が居ました。
もちろん湧塚を経由して山頂へ進む事が可能です。
- 絶景ポイントに行くなら「下和久塚」の方へ行きましょう。
- 「大崩山頂」の方へ進むと展望所&難所を通らない最短ルートへ進みます。
- 「下和久塚」経由でも頂上へ行く事が可能です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月)
湧塚もまた巨大な花崗岩の塊であり、まずは下湧塚へ登ります。
数十メートルの断崖絶壁を登る直登ルートであり、分岐点を過ぎるといきなり梯子が連続します。五連梯子とロープが組み合わさった難所ですが、高度を一気に稼げるので楽とも言えますね。
最初のアルミ梯子を除き、岩盤に固定された頑丈な梯子ですが、傾斜は垂直に近く、途中の足場も非常に狭いので、くれぐれも滑落には注意してください。
文字通りの断崖絶壁を登りますが、周囲には樹木が生い茂っているため、真下を見ない限りは高度感はさほど感じません。 慌てず慎重に、確実に登っていきましょう。
- ヘルメットとグローブの着用は必須ですね。
- 万が一転落したら・・・後はお察しです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
梯子を登り切ったと思ったら、今度は立て続けにロープ場が登場します。
手がかり・足がかりは十分に有るので、ロープはあくまで補助的に使いましょう。
それを登ると、今度は大きな岩場にロープが設置してあります。
最近までは右写真の中央上に進むルートだった様ですが、2015年現在は右上の方へ進むルートへ付け替えられています。
- 時々ルートが変更されるので、ネットの古い情報にはご注意を。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
五連梯子とロープ群を越え、ようやく下湧塚の上に到着!
足下には以前使用されていたルートのロープ用金具が残っていました。
ルートが差し替えられた理由は不明ですが、ロープの劣化や安全性などを考慮したのでしょうか?
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
袖ダキでは見上げる様な位置にあった小積ダキですが、かなり近い高さまで登ってきました。
眺めは大変素晴らしいのですが、滑落したら一巻の終わりなのでくれぐれも慎重に。
なお、湧塚には右写真の様な脚立が放置してあります。
特定の場所に固定された梯子では無いので、迂闊に使用して滑落等しない様に注意してください。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
下湧塚も素晴らしい展望で、小積ダキや周辺の山々など絶景が堪能できます。
周囲には美しい植物も有り、ここで食事を取るのも良いでしょう。
ここから先は中湧塚を目指すわけですが、袖ダキと同様に、下湧塚からそのまま中湧塚へ進む登山道が有るので、先ほどの分岐点まで戻る必要は有りません。
- この辺の細かいルートが掲載されていない地図が多いので注意!
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
中湧塚の方を見ると、絶妙なバランスで積み上がった奇岩群が見られます。
平らな面がイージス艦に搭載されているレーダーパネルになんとなく似ているため、個人的には「フェーズドアレイ岩」と勝手に命名しておりますが、どうでも良い話ですな。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・8月)
下湧塚から岩沿いに進み、かなりの急登を経て中湧塚へ到着しました。
展望所へ登るためには、このロープを使って岩をよじ登る必要が有ります。
しかし、段差が大きく、成人男性でも登るのに苦労する場所です。
登った先は切れ落ちているので、くれぐれも滑落には注意してください。
また、登りよりも降りる時の方が大変なので、登るかどうかの判断は慎重に。
なお、2015年5月時点では存在したこのロープ、同年8月には消えていました。
撤去された理由と、今後新たに設置されるのかは不明です。
この場所に限らず、変更や撤去されるロープ・梯子が結構あるので注意。
- 岩によじ登る際は、降りる時の方が怖くて大変な点に留意を。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
中湧塚からの展望も当然ながら抜群で、周辺の様々な名所を眺めることが出来ます。
左はこれから向かう「上湧塚」、右は「りんどうの丘」と呼ばれる展望所です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
袖ダキや湧塚群は巨岩の集合体で、登山道や展望所はその上に存在します。
岩伝いに進めば更なる絶景を楽しめる場所も有りますが、滑落は死を意味します。
周囲は断崖絶壁だらけなので、登山道から外れた場所には行かない方が無難です。
- 登山道側ならともかく、小積谷の方へ滑落したら一巻の終わりです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
中湧塚の展望所からは、西の方角に次なる目的地である上湧塚が見えます。
上湧塚には隠れ展望所の様な場所があり、展望を楽しんでいる人姿が確認できますね。
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中湧塚から上湧塚へ向かう際は、一旦下るのがポイント
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
中湧塚を出発すると、程なくしてルートは下りに変わります。
「進む=登る」と思い込んでいると、そのまま直進して岩の上に登ってしまう恐れが有ります。
テープに注意しつつ、間違って登っていかない様に注意してください。
迷い込んだ人の踏み後が続いており、うっかり進むと岩場にはまり込んで大変な事になります。
- 中和久塚からは一旦下ります。 登り続けると変な場所に出るので注意!
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
すぐに巨岩をトラバースする場所に差し掛かります。(写真右が進行方向。)
岩は丸く傾斜しており、側面は切れ落ちているので緊張する場面です。
あまり端には行きたくないですが、ロープの位置が微妙なので緊張しました。
このロープ、設置位置が低い上に、中間地点が固定されていないので緩くて不安定です。
個人的には大崩山で一番苦手なポイントかもしれません。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
トラバースを過ぎると、息つく暇も無く梯子やロープが次々に登場します。
せっかく登ってきたのに、勿体ないくらい下ってしまうこの悲しさ・・・
特にスラブのロープ場は凹凸が全く無いので注意が必要です。
岩自体は意外に滑りにくいので、岩に対して体が直角になるように傾ければ安心です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年8月・2017年4月)
大崩山の名所の一つ「思案橋」にやってきました。
かつては危険な丸太橋で、進むかどうか思案したのが名前の由来だそうですね。
現在では頑丈な鉄製の橋が架けられていますが、下は切れ落ちている上に結構揺れるので、あくまで慎重に渡りましょう。 もちろん1人ずつですよ。
- こんな危険な場所の丸太橋・・・ 私だったら思案するまでも無く撤退しますな。
- 大人数で同時に渡ると崩壊する危険性が有るので要注意。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
思案橋を過ぎると、程なくして下湧塚手前からの直登ルートと合流します。
これらの分岐点も大半の地図には記載されていないので注意してください。
直登ルートを進んだ場合、下和久塚と中和久塚の絶景は見られませんが、体力や時間を大幅に節約する事が可能です。 エスケープルートとしても活用できそうですね。
湧塚尾根コース最期の展望所「上湧塚」へ登ろう
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
分岐点から先の急登を乗り越えると、傾斜の緩やかな開けた場所に到着します。
ここは上湧塚の直下に位置し、春には満開のアケボノツツジが出迎えてくれます。
食事休憩にもってこいの場所で、上湧塚にはここに荷物をデポして行きましょう。
- 体力や時間に余裕が無い場合、上湧塚は飛ばしてもOKです。
*画像クリックで拡大。
上湧塚の周辺は少々ややこしいので、簡単な地図を作ってみました。
下湧塚や中湧塚はルート上に存在しており(迂回ルートを通らない場合)、登山道を進めば自然に辿り着きましたが、上湧塚はルートから外れた場所に有ります。
中湧塚から先へ進むとやがて左手に上湧塚が出現し、登山道はその基部を巻くように付いています。
そのまま進むと上湧塚を通り過ぎて頂上方面へ行ってしまうので、上湧塚に登りたければ、一旦登山道から外れる必要が有ります。
上湧塚の基部を通り過ぎると直ぐに小さな広場の様な場所有ります。
上湧塚へは軽装で登った方が楽なので、一旦この広場に荷物をデポしましょう。
ルートは直登コースと迂回コースの二つありますが、一般的に使用されているのは後者です。
直登ルートは元々危険だったのですが、最近はロープなどが撤去されて通行困難になりました。
- 上湧塚は一旦横から巻いて通り過ぎ、そこから登る形になります。
- 直登ルートは危険なのでオススメしません。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・2017年4月)
上湧塚を直下の広場から見上げた様子ですが、やはりここも巨大な岩の塊ですね。
上和久塚には直登ルートと迂回ルートが有り、一般的には迂回ルートを行きます。
直登ルートは危険な為か、以前はロープや梯子が撤去されていたのですが、2017年に来てみると何故か梯子が再設置されていました。
しかし、不安定な上に狭い岩の隙間をくぐる等、非常に危険なのでお勧めしません。
以前はここを登っていた人も居たようですが、なんとも無茶なコースですね。
- 直登ルートは危険すぎるのでオススメしません。 右へ回り込みましょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
広場から見て、上湧塚の基部を向かって右側に回り込む様にして進みます。
途中には通過が大変な大きな段差の岩場が有るので注意。
見上げると斜めに鎮座した巨岩が見えますが、今からこれをよじ登ります。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
ある程度進むと、またもや岩をトラバースする場所に出ました。
中湧塚の直後に有ったトラバースを少し縮小したような感じです。
やはり側面は切れ落ちており、足場が狭い上にロープが緩く、個人的には嫌な場所です。
行きは何でも無いのですが、戻る際が怖かったです。
- 大崩山にはたるんでいるロープが多いので怖い!
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
トラバースしたら180度折り返し、今度は急斜面のロープ場が出現します。
通常ロープは補助的に使う物ですが、ここはロープ無しでは登れないでしょう。
ここのロープには結び目が無いので、握力と靴のグリップをフル活用して登ってください。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
別の場所から先ほどのロープ場を撮影した物です。
45度はあろうかと思われる急登を、ロープを使ってよじ登る訳です。
岩には凹凸がほとんどなく、ロープに結び目が無いため、滑落に注意してください。
七日廻り岩が見えるのは上湧塚からだけ! 苦労に見合う大展望
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
いよいよ上湧塚の頂上までやってきました。 苦労に見合う素晴らしい展望!
左手前が先ほど登った中湧塚、右奥に聳える巨岩が小積ダキです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
中湧塚には多くの登山者の姿が見えます。 外から見ると恐ろしい場所ですね。
「転落したら一巻の終わり」という言葉が誇張では無い事がよく分かると思います。
- 滑落したら冗談抜きで死にますからご注意を。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
小積ダキの手前に見えるのは「リンドウの丘」と呼ばれる展望所です。
湧塚群が一望できる展望の素晴らしい場所で、休息はもちろん、幕営する人もいます。
直ぐ近くの分岐点から行けるので、プランに組み込んでみてはどうでしょうか。
- 「リンドウヶ丘」とする資料も有る様です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
上湧塚の周囲には手つかずの原生林が果てしなく広がっています。
豊かな自然に思わず感動してしまいました。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
原生林の中にひときわ目立つ巨岩。 これが名物「七日廻り岩」です。
まるでモアイやスフィンクスといった古代文明の遺物の様にも見えます。
「岩を一回りするのに七日間かかる」というのがその由来で、「なのかまわり」とも「なぬかまわり」とも呼ぶようですね。 さすがに七日もかかりませんが、確かに巨大です。
人の顔の様に見える超巨大な岩で、切り立っている為、通常の手段では登る事はできません。
七日廻り岩の全体像を見る事が出来るのは上湧塚からだけです。
なお、モチダ谷コースからこの七日廻り岩の基部へ行くことが可能です。
遠くから眺めた巨岩に、今度は直に触れて見上げるというのも楽しいですよ。
- 大崩山名物の七日廻り岩が見えるのは上湧塚の上からだけ!
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月・2017年4月)
端の方へ行くと、かつて存在した直登ルートのロープ跡が残っていました。
撤去された理由は不明ですが、やはり危険だったからではないでしょうか。
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湧塚尾根や坊主尾根とは一変して穏やかな大崩山頂上への道
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
上和久塚を過ぎ、リンドウの丘分岐を左に見つつ先に進むと頂上への道に入ります。
技術的にも体力的にも辛かった湧塚尾根ですが、ここから先は一転して穏やかな道となります。
分岐から暫くは相応の傾斜が有るので、疲れた体にはに応えるかもしれません。
しかし、難所は全く無いですし、所要時間も50分程度なので、慌てずゆっくり行きましょう。
上湧塚から少し行った先でモチダ谷コース(七日廻り岩経由ルート)が合流しているのですが、目印が無い上に踏み跡も不明瞭なので、存在を知らないと全く気が付かないと思われます。
なお、リンドウの丘へのルートは坊主尾根コースのページで紹介しております。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
リンドウの丘分岐から10分程で坊主尾根分岐に到着しました。
帰りはこの分岐を左方面に進んで下山しますが、リンドウの丘経由でもOKです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
坊主尾根分岐を過ぎると傾斜も弱まり、後は頂上まで穏やかな歩きとなります。
大崩山の頂上付近は熊笹が生い茂っているとよく言われるのですが、4月下旬にも関わらず、草木は枯れていて見通しは良好ですね。
大崩山の周辺でも鹿の食害が深刻だと聞きましたが、それが原因なのか、それとも季節や気候の変化に拠る物なのかは不明です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
さらに進むと、今度は「上鹿川登山口(宇土内谷コース)」の分岐が出現。
このコースは最短で登頂出来て難所も無いルートとして知られています。
しかし、登山口から市街地までが非常に長いのでエスケープルートには不向きです。
基本的に宇土内谷コースはピストン登山以外では利用しない方が良いでしょう。
この他にも、モチダ谷コースから登ってくるルートが合流するはずなのですが、看板が無く分かりませんでした。 踏み跡らしき物も見当たりません。
大崩山にはルートが多数有りますが、整備が行き届いていないルートも多いので注意が必要です。
祖母・阿蘇方面の好展望が楽しめる大崩山頂上手前の石塚広場
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
そろそろ大崩山の頂上かと思う頃、展望が開けた広場のような場所に到着します。
ここは「石塚展望所」で、ここから頂上までは5分程度で行けます。
祖母・傾山方面を初めとした展望が素晴らしく、テーブル代わりの岩も有るので休息に好適です。
頂上が混んでいる場合など、ここで食事を取るのも良いでしょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
頂上で休憩したら、手前の石塚に戻って展望を堪能しましょう。
この日は黄砂の影響か白みがかった空でしたが、逆にそれが幻想的でした。
近くには傾山や祖母山、遠くには九重連山や阿蘇山、遙か西の山は普賢岳?
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
こちらは宇土内谷コース方面の展望で、手前の尾根の上にコースが有ります。
よく大崩山の頂上は展望が無いと言われますが、実際にはこの様にかなりの展望が楽しめます。
樹木が生い茂る夏以外ならご覧の大展望! せっかくだから頂上方面にも足を伸ばしてみましょう。
- 先入観にとらわれず、時期を見て実際に訪れてみることが大事です。
意外と展望が有る、静かで落ち着ける大崩山の頂上
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
石塚展望所からのんびり5分も歩くと、いよいよ大崩山頂上へ到着です。
展望が無い頂上として知られますが、季節によっては結構開けていて展望が有ります。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年4月)
頂上もそこそこの広さが有るのですが、シーズン中は混雑する事も有ります。
その場合は石塚まで戻ってそちらで食事休憩すると良いでしょう。
なお、頂上から先は「二枚ダキコース」と「鹿川越コース」への道が続いています。(右写真)
一見頂上への最短ルートの様に見えて魅力的なのですが、実は熟達者向けの難ルートなので注意。
ルート全体が荒れている上に不明瞭な箇所が多く、遭難事故も多発しています。
しっかりした装備と入念な下調べ無しでは絶対に踏み込まないように。
特に、雨後と草木が生い茂る夏場は要注意です。
- 展望が無いと言われる大崩山の頂上ですが、実は意外と展望があります。
- 頂上から先の二枚ダキコースと鹿川越コースには入らないように!
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2018年にリニューアルされ、地図の情報も増えてより役立つ一冊に。