-
北アルプス
- 合戦尾根から燕山荘へ
- 燕山荘 ~ 燕岳
- 表銀座・稜線縦走1
- 表銀座・稜線縦走2
- 表銀座・稜線縦走3
- 表銀座・東鎌尾根
- 槍ヶ岳の頂上へ挑戦
- 槍ヶ岳 ~ 横尾
- 重太郎新道
- 前穂高岳と吊尾根
- 横尾 ~ 涸沢カール
- ザイテングラート
- 奥穂高岳
- 涸沢岳からの展望
- 涸沢岳 ~ 北穂高岳
- 北穂高岳と北穂高小屋
- 北穂高岳 ~ 涸沢カール
- 大キレット
- 南岳 ~ 槍ヶ岳
- 白馬駅 ~ 白馬尻小屋
- 大雪渓と小雪渓
- 白馬岳頂上宿舎と白馬山荘
- 白馬岳からの展望
- 白馬岳 ~ 栂池
- 八方尾根と八方池
- 唐松岳からの展望
- 唐松岳 ~ 五竜山荘
- 五竜山荘と五竜岳
- 五竜岳 ~ 遠見尾根
- 後立山連峰・柏原新道
- 後立山連峰・爺ヶ岳
- 後立山連峰・鹿島槍ヶ岳
- 後立山連峰・八峰キレット
- 常念山脈・大天井岳
- 常念山脈・常念岳
- 常念山脈・一ノ沢コース
- 裏銀座・ブナ立尾根
- 裏銀座・烏帽子岳
- 裏銀座・稜線コース1
- 裏銀座・稜線コース2
- 裏銀座・稜線コース3
- 裏銀座・稜線コース4
- 小池新道と左俣林道
スポンサーリンク
「二枚ダキコース」は朽ち果てた林道、分かりにくい登山口、ガレ場の急登、迷いやすい尾根が待ち受ける大崩山屈指の難ルート
大崩山に数多く存在するコースの内、今回紹介する「二枚ダキコース」はかなりマイナーなルートであり、シーズン中でもほとんど人が通りません。
崩壊した林道歩き、分かりにくい登山口、迷いやすい樹林帯、ガレ場の急登、熊笹の尾根道など、これぞマイナー難ルート! と合格点を与えたくなるようなルートです。
初めて大崩山に行く人には間違ってもオススメできるルートではありませんが、既にメジャールートを走破し、さらに大崩山を深く知りたい人や、敢えて難ルートに挑んでみたい人、或いは廃林道マニアなどにはたまらない名(迷)コースと言えるでしょう。
十分な下調べと装備・体力を整えたならば、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
- 最終更新日:2018年5月
- あくまで私個人が趣味で収集したデータを公開している場です。
- 情報は日々変化しており、内容の正確性の保証はしません。
- 無断転載・改変盗用等は厳禁。 判明した場合は対処します。
二枚ダキコースへのアクセスとコース概要
二枚ダキコースの登山口は林道沿いに有り、そのまま頂上まで続いています。
なので、その点においてはコース自体へのアクセスは容易と言えます。
しかし、林道は完全に崩壊しているうえに距離も長く、おまけに登山口はとても不明瞭。
迂闊に入り込むと危険な上に、登山口を発見できずに敗退する事になりかねません。
コース自体も迷いやすい樹林帯や尾根道、歩きにくいガレ場や篠竹・倒木といった自然の障害など、お世辞にも歩きやすいコースとは言えません。
地図や地形を把握せずに侵入することは絶対に止めましょう。
滅多に人が通らないコースなので、何か有った場合はとても危険です。
二枚ダキコースの登山口へ行くためには、祝子川登山口を通り過ぎてそのまま林道を進みます。
この林道は「町道祝子川線」と言うらしく、数十年前に作られた物のようです。
やがて舗装路が終わるので、車で来た場合はここまでの区間のどこかに車を置いてください。
ピストン登山の場合は舗装路の終点辺りに、周回登山の場合は祝子川登山口の辺りに停めましょう。
その後、林道の未舗装区間を約60分程歩くと登山口に至ります。
林道は徐々に荒れてきて、中には大きく崩落している箇所も有りますが、基本的に林道を辿れば良いので道に迷うことは有りません。
また、朽ちているとは言っても基本は林道なので、山道のような極端な勾配も有りません。
ただし、登山口は非常に分かりにくく、予備知識無しで歩いていると登山口を見落とす事も。
詳細は下で説明していますが、「林道の終点まで行ってはいけない」というのがポイントです。
このコースは「雨量観測ロボット~登山口までの区間」「登山口~二枚ダキの肩までの区間」「二枚ダキの肩~頂上までの区間」と大きく三つに分かれており、それぞれ特徴があります。
最初の区間(林道)は朽ち果てて荒れた林道歩き、登山道から二枚ダキの肩までは迷いやすい樹林帯とガレ場の急登、最期の区間は篠竹が生い茂る尾根沿いの急登という感じで、いずれも油断ならない地形です。
急登は体力勝負でなんとかなりますが、道迷いや浮き石による転倒にはくれぐれも注意しましょう。
コースタイムの目安(無雪期・日帰り装備を基準とする。)
- 祝子川登山口 → 雨量観測ロボット(舗装路終点) : 30分
- 雨量観測ロボット → 二枚ダキコース登山口 : 50分
- 二枚ダキコース登山口 → 二枚ダキの肩 : 70分
- 二枚ダキの肩 → 大崩山頂上 : 70分
祝子川登山口を通り過ぎ、二枚ダキコース登山口を目指して林道のさらに奥へ
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
登山者や自家用車で賑わう祝子川登山口を右手に見つつ、林道をそのまま直進します。
車であれば約5分、徒歩であれば約30分程進むと、やがて左手に電波塔の様な物が出現します。
調べたところ、これは雨量観測ロボットの様ですね。
ここで舗装路は終わりますが、林道自体はさらに奥まで続いています。
これから先への車での侵入は無謀なので、この付近に停めるか、周回登山をするなら祝子川登山口付近に停めておきましょう。
- ここから先の林道は直ぐに荒れてくるので、車では入らないように。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
歩き出して早々に、シカ狩りに関する看板が有りました。
日本全国で深刻化しているシカの食害は九州でも同じで、駆除を行っているようです。
- 日本アルプスや八ヶ岳と同様に、九州でもシカの食害は深刻な様です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
林道は未舗装区間になりましたが、一見するとまだ奥まで車で入れそうに感じます。
「この程度なら比叡山林道と同程度だな」と思ったあなた! それは間違いです。
倒木や落石などもあちこちに有り、これから先の様子が思いやられます。
- この辺は「お? 意外と大人しいじゃん!」と思うでしょ! ところが・・・
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
なんと! 歩き出して10分もしない内に林道の地面が流出しております!
大雨の際に水があふれ出したようで、恐らく道路は川のようになったのでしょう。
路盤は大きく流出し、暗渠管が剥き出しになった場所も有ります。
この付近であれば、ランドクルーザーなどのオフロード車なら走れそうにも思えます。
が、ここはまだまだ序の口・・・ これからが凄いんですよ。
- 土砂崩れや倒木ではなく、雨水による地盤の流出が深刻です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
林道の途中にはつづら折りの区間が有り、横を見上げるとこれから歩く道路が見えます。
- あくまで林道なので、疲れるほどの勾配は無いので安心です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
つづら折りの区間は切通になっており、壁は土ではなく巨大な岩で出来ています。
さぞかし難工事だったと思われますが、林道が整備された目的は不明です。 林業用でしょうか。
壁の上の方にはプレートらしき物が備え付けられているのですが、完全にさび付いており、何が書かれていたのかは全く解読できません。
喜作新道に有るプレートの様な物でも有ったのでしょうか?
- プレート自体が錆びたのか、それとも落ちて無くなったのかは不明です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
つづら折りの区間を過ぎると林道はますます朽ち果ててきます。
路盤は完全に流出しており、側壁が無ければここが林道である事は分からないでしょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
コンクリートやブロックで補強された側壁などからも分かるように、町道祝子川線はかなりしっかりと作られた林道だった様ですね。
大自然の中で朽ち果て行く人工物・・・ 個人的にはかなり興味をそそられる題材です。
町道祝子川線の歴史をもっと知りたくなりました。 資料が少ないので難儀していますが。
- 廃道マニアにはたまらないコースかもしれませんね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
今まではオフロード車ならなんとか入れそうでしたが、いよいよ崩落が激しくなってきました。
山側の斜面を利用すれば、なんとか通過できるかどうか・・・
ジムニーやランドクルーザーならどうでしょうね? 小柄なジムニーなら行けるか!?
- ここから先は四輪車ではさすがに無理でしょうね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
林道は全体的に荒れていますが、特に山側からの水が流れ込む場所が大きく崩れています。
側溝や暗渠管の処理能力が不足していたのか、それとも管理されなくなったので、それに応じて荒れていった結果なのか? なかなか興味深い事例です。
これらの写真は主に年末に撮影したので、寒さでしみ出した水が氷柱を作っていました。
- このコースには岩場が無いので、草木が枯れる冬がオススメのシーズンです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
この林道における最大の崩壊地がここです。
今までは「オフロード車なら・・・」とか「オフロード車が無理でも戦車なら・・・」という感じの荒れ具合でしたが、いよいよ徒歩以外では通行不能な大崩壊地がやってきました。
いつ、どれくらいの時間をかけてここまで崩壊したのかは全く不明ですが、地中を流れる湧き水が地盤を削っていって崩壊させたのでしょうか?
幸いにも山側に人が歩けるスペースは有ります。
しかし、他の区間がこの場所の様に何時崩壊してもおかしく有りません。
危険な場所に立ち入っているという事を肝に銘じる必要が有りますね。
- 他の場所も何時崩れるか分からないという点に留意しましょう。
二枚ダキコースと坊主尾根コースの分岐点
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
大崩壊地を過ぎると、直ぐに林道の分岐点に到着します。
とはいえ、分岐している道も相当に荒れ果てているので、うっかりしていると道が分岐している事に気が付かない可能性も・・・
二枚ダキコースへはそのまま直進してください。
- 分岐している支線も十分に朽ち果てております。
*画像クリックで拡大。(撮影:2015年5月)
この分岐の先は坊主尾根に繋がっており、坊主尾根の下部に有る「林道に至る」と書かれた分岐を右に曲がるとここに到着するというわけです。
知っていて損は無いと思いますが、分岐からここまでは結構距離が有るのでご注意を。
- 坊主尾根コースからのエスケープルートとしても使えそうですね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
坊主尾根コースとの分岐点を過ぎると、林道の中に樹木が生い茂る区間が有り、夏場などは先に進むのがなかなか大変になります。
足下への注意も勿論ですが、怪我や虫刺されなどに対応するために長袖が好ましいですね。
- 倒木に躓いたり、側壁から転落などしないように注意。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
更に進むと、林道の朽ち果てっぷりにも磨きが掛かってきました。
整備された頃はさぞかし立派な林道だったのでしょうね。
露出した暗渠管を目印に、不明瞭な二枚ダキコース登山口を探す
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
坊主尾根コースとの分岐点から10分程で、ようやく二枚ダキコースの登山口に到着します。
しかし、登山口とは言ってもそれを示す看板などは一切無く、踏み跡もほとんど無いため、事前に知らなければただの藪にしか見えません。
私も最初来た時にこの登山口を発見できず、さらに進んで道に迷い、撤退する事になりました。
- 大崩山の登山口では最も分かりにくい場所がここです。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
登山口の目印ですが、林道が左に大きくカーブしている点、沢が流れていて林道が大きく崩壊し、暗渠管が露出している点、分岐点からのおおよその時間などを目安にすると良いでしょう。
特に崩壊した側壁と暗渠管をセットで覚えておくと分かりやすいです。
- 周辺地形と合わせて頭にたたき込んでおいてください。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
実は、二枚ダキコースの登山口には一応目印が有ります。
枝に巻かれたピンクのリボン、岩の上に置かれたケルンと赤ペンキで描かれた矢印がそれです。
しかし、いずれも自然に溶け込んでいて目立ちにくく(特に矢印)、ここまでにも林道の途中にケルンやリボンは有った為、林道自体を示す目印の一つだと判断して通り過ぎてしまいました。
この先にも林道が続いている点も、登山口を見落としやすい要因の一つだと思われます。
「山と高原地図」では、林道の終点に登山口が有る様に描かれてあります。
祝子川温泉・美人の湯で販売されている地図では、ちゃんと林道終点の手前に登山口が有る事が分かるのですが、この地図は広く市販されている訳では無いので、事前に入手するのは困難です。
- 看板などは一切無いので、それを意識しすぎると見落とします。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
なお、登山口を通り過ぎてそのまま林道を進むと、10分程で高台の様な場所に出て、そこで林道は完全に途絶えます。 地形的に見て、ここが林道の終着地点なのでしょう。
私は初めて来た際にこの場所まで来てしまい、どこを見渡しても登山口が無いので完全に迷ってしまいました。 歩こうと思えば歩ける様な地形ばかりなのが厄介でした。
しかも、南の方にはピンクのリボンと踏み跡が有り、さらには謎のワイヤーも発見。
このリボンと踏み跡がどこに続く物なのかは確認できませんでしたが、おそらくはかつて使われていたという、大野原谷を経由するルートではないかと思います。
- ここまで林道を延伸して何をする計画だったのでしょうか?
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
登山口を探索中に、南の方へ少し下ったらちょっとした滝を発見!
誰も知らないであろう名も無き滝ですが、こういった発見も楽しいですね。
- 自分だけが知っている(多分)名も無き滝・・・ いいですな。
スポンサーリンク
大崩山の頂上から二枚ダキコースへ
さて、朽ち果てた林道「町道祝子川線」を攻略したら、お次は二枚ダキコース本編の攻略開始!
なお、記事は頂上から登山口に向かって下る方向で紹介しております。
登山口から登る場合に関しては、記事を逆の方(下)から読んでください。
- 初めてここを歩く人は、下から登った方が分かりやすいかもしれません。
*画像クリックで拡大。(撮影:2017年12月)
大崩山の頂上から南に向かって延びる踏み跡を進むと、すぐさま分岐点に到着します。
向かって左手が今回紹介する「二枚ダキコース」で、右手が「鹿川越コース」です。
どちらも人がほとんど立ち入らないマイナーコースで、荒れていて不明瞭な箇所が多く、祝子川登山口とは全く違う場所に降りるため、くれぐれも迂闊に入り込まないようにしましょう。
- どちらも大崩山有数のマイナーコースなので注意。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
分岐点から二枚ダキコースに入ると、暫くは尾根の斜面を下っていきます。
写真は4月下旬の物ですが、生い茂っていたはずの篠竹はすっかり枯れ果てていました。
大崩山の頂上付近は篠竹が群生していて展望が無いと言われますが、実際はこの様な状況で、展望もかなり得られます。
以前と状況が変化しているようですが、シカの食害なのか、気象の変化なのか、原因は謎です。
真夏になればもう少し生い茂ってくると思いますが、5月でこの状況だとそれほど茂らないかも?
- 頂上付近は篠竹で展望が無いというのは過去の話?
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
開けた尾根からは南東の方角の展望が良く、麓の祝子川ダムや温泉美人の湯等が一望できます。
早いとこ下山して温泉につかりたいですが、あと三時間ってところですかね・・・。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
最初の目標は中間地点である「二枚ダキの肩」で、黙々と尾根を下ります。
この付近は勾配がきついので、登りも下りも相応に苦労すると思われます。
二枚ダキコースは大崩山の最短ルートですが、その分急登も多いというわけですね。
篠竹や蜘蛛の巣避けにも役立つストックを持参すると楽ですよ。
- 等高線を見れば一目瞭然ですが、頂上付近はかなりの急登です。
行く手を遮る倒木と篠竹、そしてルートミスに注意
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
二枚ダキコースの特徴ですが、前述の様にマイナールートなので、踏み跡が薄くて目印も乏しく、整備もほとんどされていないという点にあります。
なので、写真の様に倒木があちこちにあっても、基本的に除去される事なく、そのまま放置されていています。 朽ち果てて自然に還るのを待つだけという訳ですね。
時には登山道を迂回する必要が有るのですが、踏み跡が薄いため、戻るべき登山道を見失ってルートを外れないように注意してください。
- 倒木を避ける際に怪我をしないようにご注意を。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
冬から春にかけては大人しい篠竹ですが、場所によってはご覧のように生い茂っています。
これらは人の背丈ほどの大きさがあり、登山道に向かって傾いている物は非常に危険です。
うっかりしていると目に刺さりそうになる事が有るので、サングラスの使用も検討してください。
また、パーティーで行動している場合、先行する人の体で押し曲げられた枝が、バネの原理で跳ね返って来て刺さる事が有ります。 間隔を広めにとって歩きましょう。
- 先行する人とは最低でも3メートル程は距離を開けましょう。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
山頂から暫くは踏み跡も明瞭で、盛夏以外なら篠竹も大人しくて歩きやすい二枚ダキコース。
左手の方には大崩山の名所・小積ダキも見えます。 今頃あそこは賑わっていることでしょう。
- この付近までなら傾斜以外の問題は特に有りません。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
頂上から軽快に下ってきましたが、尾根が広がるにつれて踏み跡が不明瞭になってきます。
こういう開けた広い尾根は道迷いし易い要注意箇所であり、二枚ダキコースも例外ではありません。
どこでも歩けそうに見える厄介な場所ですが、基本的に登山道は尾根の右端(上の方から見て)に沿って付けられています。
もしルートを外れてしまったら、面倒でも分かる場所まで引き返しましょう。
- 広くて開けた尾根は道迷いのメッカなので要注意!
「二枚ダキの肩」からコースは直角に折れ、ガレ場沿いの急斜面へ
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
頂上から50分程下ると、樹木に囲まれた小広場の様な場所に到着します。
ここが当面の目標だった「二枚ダキの肩」と呼ばれる場所です。
ここから登山道は右手の方へ直角に折れ曲がるように転進しています。
まっすぐ進むと二枚ダキの真上に出るはずですが、切れ落ちている場所なので滑落の危険が有り、迂闊に進まない方が良いでしょう。
なお、反対側(西)に有る下小積谷の方へ少し下ると水場が有る様ですね。
- ここから先は急斜面なので、休息や靴紐のチェックを入念に!
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
二枚ダキの肩から右に進むと、ほどなくして登山道はかなりの急勾配となります。
左手にはガレ場の崩壊地が延々と続き、しばらくはこのガレた谷と併走することになります。
登山道が非常に狭いため、両側の谷に転落しないように慎重に行動しましょう。
この付近はストックを使用すると逆に危険なため、両手を使用して体を確保してください。
この辺の地面は滑りやすい土なので、悪天候とその直後はオススメしません。
まあ、大崩山自体が悪天候時に登る様な山ではありませんが。
- ここから先が二枚ダキコース最大の難所です。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
左手に聳えている巨岩がコース名にもある「二枚ダキ」ですね。
他のダキに劣らない巨大な岩ですが、立地的に目立たない場所に有るため知名度は低く、まさしく知る人ぞ知る名所と言えるでしょう。
- マイナールート上に有る為、ダキ群の中では地味な存在です。
登山道はガレ場と合流し、二枚ダキの基部を経て、道が不明瞭な迷いの森へ
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
二枚ダキの肩を過ぎ、しばらくはガレた沢沿いの登山道を下ってきましたが、ここからは、その沢と登山道が合流します。 つまり、沢が登山道という訳ですね。
一見、正面の斜面に道が続いているようにも見えるのですが、間違っても直進しないように。
この斜面は土が非常に脆く、篠竹を掴んでも直ぐに抜けてしまう有様。
登ろうとしても非常に苦労しますし、うっかり登ってしまうと降りるのが大変です。
ピンクのテープを見落とさずに、左にある沢の中に入りましょう。
ここの目印はあまり目立たず、テープが巻かれた細い樹木も岩に押しつぶされそうで心細い状態。
- 登ってくる際も下ってくる際も、沢に出入りする場所を見落とさないように。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
沢の中は完全なガレ場で、大小無数の岩が転がっていて非常に歩きにくいです。
浮き石だらけでしかも急斜面。 落石と転倒にはくれぐれも注意してください。
この沢、元からこういう状態だったのか、大規模な崩落とその余波が続いているのかは不明です。
恐らく大雨の度に地形が変化していると思うので、一度踏破したとしても油断なりません。
- 不安定な浮き石だらけなので慎重に!
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
ガレた急勾配で非常に苦労しますが、登山道自体は沢を辿れば大丈夫です。
踏み跡は薄いので、テープやケルンを目印にしつつ、歩きやすい場所を選んでください。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
暫く下ると巨岩が聳える開けた場所に出ます。
遙か上に聳えているのが二枚ダキで、この岩はその基部に当たる部分でしょうか。
周囲は非常に荒れ果てており、もしかしたら過去に土石流でも発生したのかも知れません。
- 今後も悪天候時に更なる崩落が発生しそうですね。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
開けた場所からさらに下ると、ガレ場は姿を消して今度は樹林帯に入ります。
この樹林帯は非常に迷いやすく、有る意味これまでのガレ場の方が歩きやすいかも知れません。
マイナーコースなので踏み跡は不明瞭で、樹林帯特有の暗さがそれに追い打ちをかけています。
- 上から下って来た場合は一層迷いやすい気がします。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
滅多に人が来ないマイナールートですが、一応リボンやケルンなどの目印は有ります。
しかし、薄暗い樹林帯においては、赤系のリボンやペンキは非常に視認しづらいのが困りもの。
かなりの至近距離まで来ないと認識できない目印が多いので非常に厄介です。
対策としては、目印を発見したらひとまずそこへ移動し、その場所で停止して次の目印を探す。
次を発見できたらそこまで進み、再び停止して次を探す。 これを繰り返すと迷わずに進めます。
一見時間が掛かって非効率なように思えますが、コースが不明瞭なまま先へ進んでロスト&捜索するよりも、先に進むべき方向を明確にしてから進んだ方が、結果として早く歩ける場合も多いです。
ところで、誰も居ない樹林帯の中で、突然樹木の幹に塗られた赤ペンキを発見するとドキッとしますね・・・ 血痕でも付いているかと思って愕きます。(笑)
- 本来赤は目立つ色ですが、自然の中に溶け込むと一転して地味な色になります。
*画像クリックで拡大。(撮影:2018年4月)
リボンやケルンを頼りに乏しい踏み跡を辿ると、突然目の前が開けて林道に飛び出します。
森が深いうえに林道自体も荒れているため、近くまで来ないと視認できません。
「開けて」と書きましたが、林道自体が朽ち果てているので、うっかりしていると通り過ぎてしまうかもしれません。 薄暗い時間帯に行動する時は地形の変化にご注意を。
林道に出たら、向かって左側が祝子川登山口方面です。 右に行ってはいけません。
林道も荒れていますが、今までの登山道に比べればアウトバーンみたいな物ですヨ!
ここから祝子川登山口までは歩いて1時間程なので、慌てずゆっくり戻りましょう。
- 林道を辿れば下山できるので、慎重に進んでください。
スポンサーリンク
宮崎県の山岳情報ならこの一冊!
2018年にリニューアルされ、地図の情報も増えてより役立つ一冊に。