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中央アルプスイメージ

中央アルプス屈指の展望を誇る、隠れた名峰・三ノ沢岳

中央アルプスの主峰・木曽駒ヶ岳の近隣に位置しながらも、稜線から外れているために知名度が低く、ひっそりと聳えているのが「三ノ沢岳(さんのさわだけ・2847m)」です。
資料によっては「三沢岳」「三ノ澤岳」となっている場合も有るようですね。

木曽駒ヶ岳の直ぐ隣の山ですがルートが、完全に分かれている上に、縦走路からも独立しているので、他の山と併せて登頂する事も難しい。
かといって百名山の類でも無いので、なかなか登頂する機会が無く、そもそも知っている人自体が少ないと思われます。

しかし! 宝剣岳~木曽駒ヶ岳、宝剣岳~木曽駒ヶ岳という二つの稜線に挟まれるように孤立した立地故に、中央アルプス全体を見渡せるような素晴らしい展望が堪能できます。

また、御嶽山や乗鞍岳をはじめとした周辺山域の展望も優れており、訪れる人も少ないので、まさに知る人ぞ知る中央アルプス屈指の名峰と言っても過言ではありません。

ルート上にはこれと言った難所も無いため、中央アルプスの魅力を満喫したいならば是非!


■ コースタイム:2時間~2時間半程度(片道)
■ 主要な山:三ノ沢岳
■ 付近の小屋:ホテル千畳敷、檜尾避難小屋、宝剣山荘、天狗荘
■ 分岐:無し
■ 難所:ロープを使用した岩場の通過、若干の藪漕ぎ


  • 最終更新日:2018年12月
  • 私個人が収集した情報を公開しており、内容の正確性は保証しません。
  • 無断転載・改変(リライト)等は厳禁。 判明した場合は対処します。

極楽平付近の分岐点から縦走路と別れ、一路三ノ沢岳を目指す

極楽平付近の分岐点。 分岐点から臨む三ノ沢岳。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

三ノ沢岳に行く場合は千畳敷駅を起点にする事が多いと思われますが、まずは稜線と合流する「極楽平」まで移動します。
千畳敷駅からはコースタイムで約30分。 ウォーミングアップ代わりに登りましょう。

極楽平で縦走コースに合流したら、向かって右手の方へ行くと三ノ沢岳への分岐点が有ります。
稜線に出た時点で既に目の前に三ノ沢岳が見えており、割と近い印象を受けると思います。

  • 私の場合は片道2時間といった具合でした。

三ノ沢岳。 三ノ沢岳。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

ご覧のように三ノ沢岳は縦走コースからは完全に外れた位置に有ります。 他に登頂するルートもなく、今回のコースは三ノ沢岳への専用ルートというわけですね。

ルートは稜線を縫う様に続いており、アップダウンも同じくらい有るので、行きも帰りもほぼ同程度の時間だと思っておいてください。

  • どの方向が楽という事は無く、ほぼ同じ労力です。

稜線からの下り。 稜線からの下り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

縦走路から分かれ、ハイマツ帯の道を快適に下ります。
楽しい下りですが、戻ってくる時は辛い登りになるのはご愛敬・・・


最初の岩場を通過。 最初の岩場を通過。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

一通り下って傾斜が落ち着いた頃、最初の岩場が登場します。
一応ロープも有りますが、グリップの効く岩なので簡単に通過出来ます。


岩場の先の下り。 岩場の先の下り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

岩場を通過すると再び坂道となり、登り返すのが勿体ないくらい下ります。
前方には空木岳と三ノ沢岳が並んでそびえ立っており、互いの位置関係がよく分かりますね。


特徴的な花崗岩。 特徴的な花崗岩。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

このコースは特に岩稜地帯という訳ではありませんが、所々に美しい(面白い)岩が点在しているので、通過がてらに観察などしていきましょう。


三ノ沢岳への稜線。 三ノ沢岳への稜線。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

前述の様にこのルートにはアップダウンが多く、行きも帰りも同程度の時間がかかります。
登り返しも多いので、体力配分や休憩には留意してください。

三ノ沢岳のピークは見えているようで実は隠れており、ここからは見えません。
ピークの手前付近には小規模ながら美しい形のカールが存在するのが確認できます。


鬱陶しいハイマツ帯。 鬱陶しいハイマツ帯。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

概要の「難所」の箇所で書いたように、このコース上にはハイマツ帯の藪漕ぎが点在します。

藪漕ぎと言っても本格的な物では無く、ハイマツがコース上に覆い被さっている程度なのですが、半ズボンやサポートタイツだと、怪我や破損の恐れが有ります。
しっかりとした頑丈な登山ズボンの着用をオススメします。

  • 多分、サポートタイツはボロボロになりそう・・・


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何処を向いても素晴らしい稜線からの展望

コース途上の展望。 コース途上の展望。
コース途上の展望。 コース途上の展望。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

このコースは終始目標である三ノ沢岳が見えていて楽しく歩けるのですが、時には左右や後ろなども振り返ってみましょう。 どうですか、この美しい風景!

撮影時期は9月中旬頃でしたが、もう少し遅いと紅葉がさぞかし美しいでしょうね。

  • とにかく景色が素晴らしいので、歩いていて楽しいコースですよ。

宝剣岳方面の眺め。 宝剣岳方面の眺め。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

この位置から後ろの方を見ると、歩いてきた稜線を境に地形の険しさが綺麗に分かれており、なんとも見事なコントラストが楽しめます。
宝剣岳から木曽駒ヶ岳に至る荒々しい山容が実に美しいですね。

  • 木曽駒ヶ岳や宝剣岳をこのアングルから見られる点が魅力です。

中央アルプスの眺め。 中央アルプスの眺め。
中央アルプスの眺め。 中央アルプスの眺め。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

緑や紅葉が美しい穏やかな地形、そして宝剣岳をはじめとした荒々しい岩稜地帯。
コンパクトな中にも美しい風景が楽しめるのが中央アルプスの魅力でしょうか。

  • 有る意味で贅沢な山域と言えますね。

沢と滝。 沢と滝。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

駒ヶ岳ロープウェイから複数の連瀑(連なった滝)を見る事が出来ますが、この付近からもあちこちに沢や滝の姿を目にすることが出来ます。

木曽駒ヶ岳の方には長く落ちる滝が確認でき、一方でコースの左側すぐ下方には沢が流れており、水の流れ落ちる心地良い音に癒やされますな。



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数少ない難所であるロープ場の通過

ハイマツ帯の急登。 ハイマツ帯の急登。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

このコースには宝剣岳エリアの様な難所は有りませんが、数少ない難所がこのロープ場です。
ハイマツ帯の急登を登ると最初のロープが有り、段差が大きいので割と苦労します。
しかし、ここはまだ小手調べ程度です。


ロープ場の難所。 ロープ場の難所。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

本コース最大の難所がこのロープ場で、傾斜はほぼ垂直で、高さも5m以上は有るでしょうか。

岩や樹木などに手がかり・足がかりは豊富ですが、無理せずにロープを活用した方が良いでしょう。
宝剣岳の難所に比べると易しいですが、横着してストック片手に登る事だけはしないように。

  • 岩場の凹凸を活用して通過しましょう。

三ノ沢岳とカール。 三ノ沢岳とカール。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

ロープ場を越えると再び展望が開け、後は三ノ沢岳まで穏やかな地形が続きます。
ピーク手前に急登が有りますが、技術的な難所はもう無いのでご安心を。

この位置からはカールの様子がよく分かりますね。
千畳敷カールに比べると規模は小さいですが、形自体は非常に美しいと思います。



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山頂直前の急登と謎の分岐点

ケルン付近から始まる急登。 ケルン付近から始まる急登。
ケルン付近から始まる急登。 ケルン付近から始まる急登。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

極楽平付近の分岐点と三ノ沢岳の頂上はほぼ同じ標高なのですが、途中で大きく下るため、ピークの手前にはお待ちかね(?)の急登が・・・

ケルンを過ぎた当たりから徐々に傾斜が増しますが、特筆するほどの急登という訳では無いので、慌てずにゆっくり登りましょう。

  • お約束ですが、ピーク手前の急登が最後の難関と言えます。

メインルートと謎の分岐。 メインルートと謎の分岐。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

やっとの思いで急登を登りきった所に悲しいお知らせなのですが、前述の様に三ノ沢岳のピークはもう少し奥にあるため、コースも暫く続きます。
もっとも、距離自体はさほど無く大した傾斜も無いので、体力を回復しつつのんびり行きましょう。

ところで、途中で右の方へ登っていく明瞭な登山道らしき物を発見しました。
主要ルートは左前方へトラバースするように続いているのですが、右手への分岐も気になります。

最初は小さな涸れ沢かとも思ったのですが、どうも違うようなので、帰り際に登ってみました。
すると、どうもここから三ノ沢岳の頂上の方へ行けそうな様にも見えたのですが、本ルートでは無いと思われるので、やはり左前方へ続く道を行った方が良いでしょう。

  • 地図にも載っていない細かい分岐はあちこちに有る物です。

頂上手前の風景。 頂上手前の風景。
頂上手前の風景。 頂上手前の風景。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

美しいハイマツ帯の中から突き出る岩という、典型的な日本アルプスの風景ですね。
緑と灰色、そして空の青。 単純ですがそれ故に美しいコントラストで見ていて飽きません。



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三ノ沢岳からのみ楽しめる大展望を満喫しよう

三ノ沢岳の頂上。 三ノ沢岳の頂上。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

分岐点からほぼ2時間で「三ノ沢岳(2847m)」の頂上へ到着しました。 終始軽快に歩けましたが、ハイマツは少々手強かったですね。

頂上には三角点と質素な看板が置いてあり、後は見事な大展望!


空木岳・南駒ヶ岳方面の展望。 空木岳・南駒ヶ岳方面の展望。
空木岳・南駒ヶ岳方面の展望。 空木岳・南駒ヶ岳方面の展望。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

縦走路の先の方を見ると、中央アルプス南部の主峰である空木岳と南駒ヶ岳が並んでいます。
来年辺りに越百山あたりまで縦走してみたいですね。

稜線の遥か奥に見えるのは南アルプスの山々ですね。
穏やかな山体が多い南アは、この位置からだと山座同定が難しいですな。

  • 三ノ沢岳からしか見られない展望が最大の魅力と言えましょう。

西方角の展望。 麓の集落。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

頂上から西の方へは尾根が続いており、中三ノ沢岳や独標、さらにはキニバ岩なる面白そうな地名が続いていますが、残念ながらここから先へはルートは有りません。

軽く調べてみたら、キニバ岩に登頂している人も居る様ですが、どうやらクライミングの領域のようですね。

西の奥に見える麓の自治体は、恐らく木祖村か南木曽町辺りでしょうか?


檜尾避難小屋付近。 檜尾避難小屋付近。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

縦走路の方を見ると、空木岳の方へ縦走中する人を複数確認!
時間を考慮すると、本日は木曽殿山荘辺りで一泊でしょうか。

稜線の向こう側には檜尾避難小屋がちょっとだけ見えていますね。
蒲鉾みたいな特徴的な屋根が確認できます。


富士山。 恵那山。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

南の方には頂上付近だけですが富士山の姿も見えます。
また、西の方に見える平らな山体は、おそらく恵那山でしょうか。


北アルプス。 北アルプス。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

北の方を見やれば、お馴染み北アルプスの山々が一望できます。
どこから見ても一発で分かる槍ヶ岳の勇姿は相変わらず美しいですね。

遠くから見ても槍・穂高の険しい岩峰の様子がよく分かります。
岩場の有る山はたくさん有りますが、あれほどの規模なのはやはり北アならではでしょう。


乗鞍岳。 乗鞍岳。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

三ノ沢岳からは北ア南端に有る乗鞍連峰も手に取るように見えます。
少々荒いですが、頂上に有るというコロナ研究所らしき白いドームも確認できますね。

  • 大戦中は航空機用エンジンの実験場が有ったとか。

御嶽山。 御嶽山。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

木曽駒ヶ岳や三ノ沢岳から最もよく見える山といえば、やはり御嶽山でしょう。
高さもさることながら、独立峰としての規模の大きさも非常に特徴的です。

頂上付近には火山灰と思われる灰色の物体が見え、麓にはスキー施設らしき物も見えますね。


宝剣岳方面。 宝剣岳方面。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

遠方の山々だけではなく、中央アルプス自身もよく見えるのが三ノ沢岳の魅力。
宝剣岳の岩稜地帯や、昨夜泊まった天狗荘の姿も確認できます。


中岳。 木曽駒ヶ岳。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

こちらは中岳と木曽駒ヶ岳の様子です。
こうして見ると、この両者は非常に穏やかな山容をしている事がよく分かります。


頂上木曽小屋。 玉乃窪山荘。

*画像クリックで拡大。(撮影:2018年9月頃)

木曽駒ヶ岳には多くの山小屋が有りますが、こちらは頂上木曽小屋と玉乃窪山荘の様子です。
いずれも頂上から西の方へ少し下った辺りに建っています。

木曽駒ヶ岳には上松町の方からも登ってみたいのですが、その際にはこれらの小屋にお世話になると思われます。
コースも山小屋も豊富なので、全てを満喫するには相当な時間が必要ですね。

  • 同一エリア内に山小屋が5軒も有るのはここだけでは?

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山と高原地図 木曽駒・空木岳 (山と高原地図 41)

山と高原地図 木曽駒・空木岳 (山と高原地図 41)

中央アルプスエリアの地図ならこれで決まり。

分県登山ガイド 15 長野県の山

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