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ウルティマアンダーワールド(Ultima Underworld)とは?

もし「最も好きなロープレは?」と聞かれたら、「デジタルデビル物語・女神転生」や「邪聖剣ネクロマンサー」と迷った挙げ句、おそらくこの「ウルティマアンダーワールド」だと答えます。
それくらい面白く、かつ衝撃的なゲームでした。

ゲーム好きであれば一度は聞いたことが有るであろう「ウルティマ(Ultima)」
この海外産のロープレは世界的な人気を持ち、近年では「ウルティマオンライン(Ultima Online)」シリーズが人気を博しました。

Ultimaシリーズは多数が発売されていますが、この「Underworld」系統の2作は異色の存在で、3D視点でダンジョンを探索するアクションロープレになっています。

3D視点で展開するロープレはたくさんありますが、このゲームが他と一線を画するのは、とてつもない程にリアルで奥が深く、かつ自由度が高いという点でしょう。(詳細は後述)

なお、「精神的後継作品」と自称する「Underworld Ascendant」に関しても後述しているので、興味のある方は是非読んでみてください。


  • 最終更新日:2019年2月
  • 私個人が収集した情報を公開しており、内容の正確性は保証しません。
  • 無断転載・改変(リライト)等は厳禁。 判明した場合は対処します。


「UltimaUnderworld」シリーズの歴史

タイトル画面。

*画像クリックで拡大。(Win/gog.com版UltimaUnderworldより)

ウルティマシリーズは長年にわたって多数が発売されていますが、この「Underworld」シリーズは私が知る限りでは2タイトルのみが存在します。

  • Ultima Underworld the Stygian Abyss (1992年・PC)
  • Ultima Underworld II Labyrinth of Worlds (1993年・PC)
  • Ultima Underworld the Stygian Abyss (1997年・PS1への移植)
  • Underworld Ascendant (2018年・PC・厳密に言うと続編では無い)

当然ながら海外のDOS/V用として発売されたわけですが、日本国内では二作ともにPC-98等に移植され、さらに一作目がプレイステーション向けに移植されています。(1997年頃)
PC-98版を今からプレイするのは困難ですが、プレステ版ば比較的入手しやすいです。

「Ultima Underworld」の奥深さを満喫するならば、やはりPC版がベストだとは思います。
画像やサウンドなど、総合的に見るとプレステ版も良いのですが、コントローラー操作のため、マップへのコメント記入ができません。(点マークを打つ事は可能。)

PC-98版はさすがに今からプレイ環境を整えるのは厳しいですが、後述する「GOG.com」にてWindows版の購入が可能です。(ただし英語版ですが)

  • さすがに今からPC-98でやる人は居ないと思いますが・・・

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「UltimaUnderworld」はどんなゲームなのか?

ゲーム画面 自由度のあるマッピング。

*画像クリックで拡大。(Win/gog.com版UltimaUnderworldより)

「ウルティマ」という言葉が示すように、基本的にはシリーズの世界観を踏襲しており、シリーズのファンであればお馴染みの内容であると思います。

その一方で「アンダーワールド」という言葉が示すとおり、ゲームは地下迷宮を舞台として繰り広げられます。
イメージ的には、一昔前に一世を風靡した「ウィザードリィ」「ディープダンジョン」、或いは「ダンジョンマスター」シリーズが近いでしょうか。


ただし、これらのタイトルが直角&平坦なマップだったのに対し、ウルティマアンダーワールドには坂道や斜めの壁などが存在し、一つのフロア内でもかなりの高低差が有ります。

さらに、地下8階まであるダンジョンは1階から非常に広大で、全て制覇するにはかなりの探索が必要とされます。(基本的に各フロアの広さは同じで、構造が違う。)

もちろん、無理して行く必要が無い場所もありますが、行くかどうかは各プレイヤー次第で、本作の自由度の高さが反映されています。


ゲームは全てリアルタイムで進行し、モンスターや住人は常に画面中に見えており、かつ常に動き回っています。 つまり、街に入ったら画面が切り替わるというような事はありません。

また、敵とのエンカウント及び戦闘画面という物も存在せず、敵と遭遇したらその場所が戦いの場となります。 闘いたくなければスルーして逃走する事も可能!

闘うスタイルもプレイヤーの自由で、有利な場所までモンスターをおびき寄せたり、地形を活かして飛び道具や魔法で一方的に攻めることも可能です。

  • この自由度の高さ、FPS「バトルフィールド1942」に似た物を感じますね。

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ウルティマアンダーワールドの魅力1 「恐るべきリアルさ」

このゲームの特筆すべき点は多々有りますが、その一つは驚異的なリアルさでしょう。
何がどうリアルなのか? その一部をご紹介しましょう。


「重量」の要素により、所持するアイテムの取捨選択が重要に

武器やアイテムには重量の要素が有り、プレイヤーキャラの腕力値に応じて同時に所持できる重量が決まります。

武具や大量の硬貨などは非常に重く、動きの早さや泳げる距離に影響を及ぼすので注意!

  • 物々交換にはコインも必要ですが、大量に持つと重くて大変です。

腹が減っても眠くなっても戦は出来ぬ! 「空腹」「睡魔」の要素

プレイヤーには体力や魔法力などの他に、「空腹」や「睡魔」の概念が有ります。
時間と共に段々と空腹度や眠さが高まり、極端に悪化した状態ではプレイヤーの能力に異常を来すので、食事や睡眠をとって対処する必要が有ります。

この時、寝袋を併用すると回復率が向上するという芸の細かさ!


しかし、このゲームは主人公以外の住人やモンスターなどもリアルタイムに活動している為、場所を考えずに寝てしまうと、モンスターに寝込みを襲われたりする事もあります。

また、松明やランタンを点けたまま眠ると、起きた頃には燃え尽きている可能性が有るので、寝るときはきちんと消す必要が有ります。


なお、食事に用いる食料はパンや果物ばかりではありません。
死骸が食用になるモンスターも居るし、釣り竿を使用して地下水脈の魚を釣ることも可能です。

さらに、食材は火であぶることで調理することも可能です。
例えばトウモロコシと火を組み合わせるとポップコーンに!

  • アイテム同士を組み合わせると変化が起きる物は他にも有ります。

持ち物は大切に? 「耐久度」の要素

武器には耐久度の概念が有り、長期間酷使したり、壁などの固い場所を攻撃したりすると、やがて武器は破損してしまいます。
そんな時は鍛冶屋に頼んで修復して貰うか、別の武器と交換する必要が有ります。

なお、プレイヤーの「修理」スキルを高めることで、自分で武具を修理する事も可能です。
また、落ちている朽ちた武具を修理して使う事もできます。 ガラクタかと思ったら実は・・・なんて事も。

  • 破損の元なので、無駄に壁を斬ったりしないように!

広大なマップに関する情報をマップに書き込もう

プレイヤーが歩いた場所は自動的にマップに記憶されるのですが、そのマップ内に自由に文字を書き込むことができます。

例えば「ここには○○のアイテムがある」とか「鍵のかかったドア有り」などを書き込むことで、より攻略が楽になる訳です。

残念ながら、PS版では文字を入力することが出来ないため、やや不便になっています。
(文字は記入できないが、マークを付ける事は可能。)

  • PS版がキーボードに対応していれば良かったのですが。

「捨てる」のではなく「置く」という考え方

重くて持てないアイテムや、不要になったアイテムは処分する必要が有ります。
一般的なロープレではアイテムを捨てた瞬間に消滅し、二度と拾うことはできません。

しかし、このゲームでは処分したアイテムは「その場に置いた」という風に解釈され、その場所に残るので、後から拾うことも可能です。

今は不要だけど後から使いそうなアイテムをまとめて置いておき、必要になったら拾いに来ることが出来るという訳ですね。

  • PS版はマップに記入できないので、置いた場所を忘れないように。

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ウルティマアンダーワールドの魅力2 「恐るべき自由度の高さ」

ウルティマアンダーワールドがかなりのリアル志向で作られている事はおわかりいただけたと思いますが、それに加えて自由度が非常に高いという点も見逃せません。

リアルさと自由度の高さ、この二つの要素が組み合わさってこそのウルティマアンダーワールドだと言えます。 その一例をご紹介しましょう。

*なお、各種設定等に関してはPS版を元に紹介します。


どの職業で何の能力を伸ばすかはプレイヤー次第

性別や職業を選択できるゲームは多いですが、ウルティマアンダーワールドも既にそのシステムを搭載しており、プレイヤーの好みに応じて色々設定出来ます。

性別や利き腕、名前や顔などはゲーム進行には全く影響は無いですが、職業や能力(特技)の選択はプレイヤーキャラの能力に大きく影響します。
慎重に吟味して選んでも良いですが、適当に選んで試行錯誤しつつ遊ぶのも一興ですね。

選べる職業もファイターやメイジといったお馴染みの物から、「羊飼い」という珍しいものまで様々です。 なお、ゲームに羊の要素は一切出てきません。(笑)


このゲームには以下のパラメーターが有ります。

  • 【STR・強さ】攻撃力や生命力、所持可能な重量などに影響。
  • 【DEX・器用さ】移動・ジャンプ・水泳の能力、戦闘中の回避率などに影響。
  • 【INT・知力】呪文関連の能力やアイテム鑑定能力などに影響。
  • 【VIT・バイタリティ】生命力の大きさに影響。

これらの数値は職業に応じた基本値に加え、ある程度のランダム値が加算されて決まります。
(ただし、VIT値だけは34で固定の模様。)

VIT以外はランダム値の幅が結構大きく、場合によっては魔法が弱いはずの職業でもINTが大きくなったりするので、もし数値配分が気に入らなければ、キャラメイクをやり直しましょう。
4つの値は概ね合計値が90前後になるはずです。

これに加えて、職業別に技能(例えば剣術や探索など)の能力が付与されるのですが、この数値もランダムできまり、やはりランダム幅が大きいので注意。
大体3~10ポイントが付与され、羊飼いが一番最大値が大きく設定されています。


基本の4種有るパラメーターの内、VIT以外は初期値から増えないので、ここで自分のプレイスタイルと合致したキャラにしておかないと、後々困る事になるので気をつけてください。

それ以外の技能に関しては、経験値を貯めて神殿でマントラを唱える事で強化することが出来ます。
既に持っている能力を強化したり、新たに習得する事も可能。 自分好みに育てましょう。


特殊技能を活用することで、普段と違った攻略法が可能になることもあります。
たまには変わった職業やスキルで遊んでみるのも楽しいですね。

なお、どの職業でも全ての武器防具と魔法を使用できるので、自由度は非常に高いです。

  • 敢えてマニアックな技能を伸ばすのも有りです。
  • ウィザードリィの様に極端な値が出ることは無いようです。多分。

「友好」か「敵対」かはあなたのやり方次第

このゲームの舞台となる洞窟「アビス」には、人間やモンスターなど様々な種族が存在します。

人間なら友好的、モンスターは敵という様な単純なものではなく、好戦的で話が通用しない人間も居れば、友好的でコミュニケーションが可能なモンスターも居ます。

モンスターを見かけたら即攻撃などしていると、闘わなくて良い相手を敵に回す事になりかねません。 見かけだけで相手を判断するのは危険と言う訳ですね。


また、基本的に友好的な相手でも、こちらの態度次第で敵に回ることもあります。
攻撃を仕掛けることはもちろん、高圧的な態度を取ったり、物を盗んだ場合なども同様です。

基本的に、一度敵になった相手は倒すまで襲ってくるので、ゲームの進行上、敵になったら困る相手は怒らせないようにしましょう。

  • 一度怒らせると、仲直りは多分不可能です。
  • あえて全員と敵対する修羅の道を進んでも良いかも!

モンスターも使い方次第でアイテムに

モンスターの中には、倒すとその亡骸が「食料」として活用できる物が有ります。
見た目はともかく、厳しいサバイバルを強いられれるアビスの内部では貴重な食料です。

また、時々「ヒル」というアイテム(?)を拾います。
他の動物の血を吸う蛭の事ですが、実はこのアイテム、使用する事でプレイヤーの毒を吸い出してくれるという効果が有ります。

使うと少々ダメージを受けてしまいますが、毒によるダメージよりはマシです。
もしヒルを持っていたら迷わず使いましょう。

  • 食べて良し、吸わせて良しのモンスター達!

敵を倒す場所を考慮しよう

アビスの内部には友好的・敵対的を問わず、多種多様な種族が生活しています。
彼らは様々な物を所有しており、金銭やアイテムとの物々交換で譲って貰う事も可能です。


実は、彼らと闘って倒すことでも所持品を入手することも出来ます。
最初から敵対的な相手はもちろん、友好的な相手でもアイテム目的で倒すことが出来るという訳です。 まさに強盗そのもの! ひ、酷い!

とはいえ、基本的にみんな凄く手強いので、うかつに闘うと返り討ちに遭ってしまいます。
また、ストーリー上の重要キャラには、話がややこしくなるので無闇に対立しないようにしましょう。 (もちろん闘ってもOK。 そこはまさに自由です。)


なお、敵を倒すと、その瞬間に所持品を周囲にばらまきます。
それを回収することで入手することができます。 何度も言いますが、まさに強盗ですな!

しかし、場所を考慮しないと、そのアイテムが回収不能な場所に落ちる可能性が有ります。
特に地下水脈に落ちてしまうと回収は不可能なので、とどめを刺す場所には注意しましょう。

  • 橋の上や崖の近く、水際では倒さないように注意。

「鍵のかかった扉」は「無敵」ではない!

ロープレの世界で最強の敵と言っても過言ではないのが「鍵のかかった扉」。

どんな強力なプレイヤーでも太刀打ちできず、適合する鍵を持ってくるか、遥かレベルを上げて解錠用の魔法を覚えるしか方法が有りません。

しかし、そこは自由度の高さが売りのウルティマアンダーワールド、もちろん他にも方法が有ります。 プレイヤー次第でどうにかなるのが素晴らしいところですね。


具体的にはいくつか方法が有りますが、まずは「鍵破り」のスキルを鍛え、解錠用のピンを使用して鍵を開ける方法です。 ピッキングみたいなものですね。

レベルアップ時のパラメーター配分をこのスキルに回すかどうか、その判断も自由です。


次なる手段は少々強引ですが、手持ちの武器でドアをひたすら攻撃し、破壊して無理矢理こじ開けるというワイルドすぎる方法です。

成功する保証はないですし、武器もダメージを受けて壊れてしまう恐れがあります。
しかし、試す価値は有りますし、やるかどうかはプレイヤー次第です。


この様に、正攻法で鍵を探してくる方法もあれば、特殊スキルや強行突破で開けてしまう手段も有ります。 あなたはどの方法でやりますか?

  • アバカムの魔法も最後の鍵も不要!?

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「GOG.com」でPC版の1と2をゲットせよ!

「Duke Nukem 3D」のコーナーでも紹介した、オンラインゲーム販売サイト「GOG.com」
ここでPC版「ウルティマアンダーワールド」の一作目と二作目がセット販売されています。


セットアップ画面。 セットアップ画面。

*画像クリックで拡大。(Win/gog.com版UltimaUnderworldより)

ゲーム自体は古いですがセットアップ画面は至って今風で、「Options」の中でインストール先等を指定できます。 ただ、パスの「(x86)」の「()」が弾かれて困りました。

容量は2作合わせて僅か15MB。 時代とは言え、今と比べるとやはり軽量ですね。

  • インストール時にエラーが出た場合、パスの()を確認してみてください。

PDF版のマニュアル。 PDF版のマニュアル。
PDF版のマニュアル。 PDF版のマニュアル。

*画像クリックで拡大。(Win/gog.com版UltimaUnderworldより)

もちろんWindowsやOS-Xで起動でき、当時のマニュアルなどもPDF化して収録されてあります。
しかも二作セットで値段もわずか5.99ドル。 時々75%オフとかで安売りされていることも!

ただし、GOG.com版は英語版なので、英語が苦手な人はPS1版をお勧めします。


ウルティマアンダーワールドは非常に操作項目が多いゲームですが、幸いにもプレステのコントローラーはボタンが多いため上手く対応しています。

一見覚えるのが大変ですが、1時間もプレイすれば問題無く覚えられるでしょう。
まあ、FPSの様にキーボードとマウスで操作できれば尚良かったのですが。(特に移動と視点操作)

インターフェース関連も家庭用移植に際して見やすくアレンジされており、総合的なプレイしやすさはPS版の方が上ですね。 音質もなかなかですよ。

個人的にPS版で一番気に入っているのが、翻訳が非常にキレがあるという点ですね。
特に、NPCとの会話中に出てくる選択肢が絶品で、思わず爆笑してしまう物も。

もしプレイする機会が有ったら、ぜひその辺をチェックしてみてください。


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ウルティマアンダーワールド

ウルティマアンダーワールド

今から遊ぶならPlayStation版がオススメです。


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「精神的後継作品」を自称する「Underworld Ascendant」をチェック

1992年に登場したウルティマアンダーワールド。
私にとっては今でもホットなゲームですが、冷静に考えるとレトロゲームもいいところです。

このまま歴史に埋もれて、知る人ぞ知るゲームとして消えていくのか・・・
とか思っていたら、なんと2018年11月にまさかの続編が登場しました。

厳密に言うと直接的な続編では無いのですが、一方で無関係でもなく、実に興味深い位置付けのタイトルなのです。 詳細は下記を見てください。



あらゆる所に前作の香りがする「Underworld Ascendant」

そのゲームは「Underworld Ascendant」というタイトルです。

初代ウルティマアンダーワールドを開発した「Origin Systems」とは別の会社が開発しているため、厳密に言えば正式な続編では無いので名前も違います。

しかし、「Underworld」という名称、そしてタイトルロゴのデザインも、まさしくウルティマアンダーワールド以外の何者でも有りません。
また、詳細は後述しますが、実際のゲーム中にもウルティマアンダーワールドでお馴染みの要素が色々登場します。

開発元は「OtherSide Entertainment」というアメリカの企業で、なんでも前作というか本家のスタッフも参加しているとのこと。

ゲームという物は多くのスタッフが参加して作る訳なので、当時のスタッフがどの程度が参加しているのかまでは不明ですが、それでも興味深い情報ではありますね。

  • 主要メンバーがいれば同じような物が作れるという訳でもありません。

「Underworld Ascendant」の基本情報

開発会社の概要は前述の通りですが、このタイトルが最初に公表されたのは2015年。
その後の開発状況は不明でしたが、アナウンス通りに無事2018年に発売されました。


プラットフォームはWindowsの7以降で、現在の所MacOSやLinux版に関しては不明です。

個人的に気になるのは要求スペックがかなり高めであると言う点ですかね。
パッと見た感じだと、ちょっとしたFPSレベルのプレイ環境が要求されています。

「Underworld Ascendant」のプレイ環境(括弧内は推奨環境)

  • OS:Windows7-64bit 以降
  • CPU:Core i5-6600・Ryzen 3 1300X(Core i7-6700・Ryzen 5 1500x)
  • RAM:8GB(12GB)
  • GPU:GeForce-GTX960(GTX1060)
  • ディスク領域:25GB

この様なスペックが要求されているのですが、特にメモリとGPUの推奨環境がなかなかハイスペックですね。 また、メモリの関係でOSが64bit仕様を要求されています。

まあ、初代ウルティマアンダーワールドの世界を最新のゲームエンジンで再現した場合、確かにこれくらいのハイスペックは必要というのも別に不思議な話では有りません。

なお、販売形態に関しては、現在Steamのみが発表されています。


ゲーム本編は基本的に英語ですが、標準で日本語を含む幾つかの言語にも対応しています。
音声以外の字幕やUI等が日本語化されるのは非常に嬉しいところ。

FPSなら英語版でも特に問題はありませんが、さすがにこの手のゲームともなるとローカライズは必須なので、これは嬉しいところです。


「Underworld Ascendant」をプレイしてみて・日本語化やUIなど

さて、発売日を楽しみしていた私は当然ながら早速購入し、週末を利用して遊んでみました。
まだほんの一部しか遊んでいない状況ですが、その範囲でレビューしてみようと思います。

なお、てっきり6000円位するのだろうと思っていた価格ですが、なんと実際はわずか3090円で、さらに期間限定で15パーセント引きの2626円と、実に良心的な価格設定となっています。
(2018年11月20日現在)

また、どうやら1週間限定の様ですが、期間限定ボーナスとして幾つかのDLCのボーナスも。
もし興味があるならば、このボーナス期間を活用すると良いでしょう。


タイトル画面・英語。 タイトル画面・日本語。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

ゲームを起動すると、開発元やゲームエンジンなどのクレジットが表示された後、いよいよタイトル画面のお出ましです。

ここで流れる曲が初代ウルティマアンダーワールドの曲をアレンジした物なのですが、思わずうおおぉ~ッと盛り上がってしまいましたね。

前述の様に標準で日本語がサポートされており、オプション画面で変更することが出来ます。
右が日本語表示にした状態ですが、「Continue」が「次へ」と直訳されているのはご愛敬ですね。
実際には直近のセーブデータを読み込むメニューとなってます。

  • まさか馴染みの曲が使用されているとは思いませんでした。

オプション画面。 オプション画面。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

画面や音響、操作設定等を行うオプション画面の様子です。
概ね一般的なFPS・アクションゲームと同等の設定が可能で、至って普通といった感じですね。

項目の多くは日本語化されていますが、コントロール設定などの一部画面は英語のままです。
まあ、この程度の英語は理解できて欲しいレベルなので、特に問題は有りません。

キー設定画面へは「オプション」→「インプット」→「定義」と進んでください。
なお、初期設定で定義されているキー設定を変更する場合、まず「REPLACE」を押し、その後5秒以内に任意のキーを押すことで変更出来ます。

一通り設定したら、画面左上の「DONE」を押して設定画面を抜けて、最後に「OK」を押すと反映されます。


このキー設定ですが、任意の内容に変更してゲームには反映されるものの、一旦ゲームを終了(アプリケーションを落とす)して、その後再びプレイした際、何故か設定内容がリセットされるという現象に悩まされています。

言語・グラフィック・サウンドなどの他の設定は変更が反映されたままなので、恐らくコントロール設定回りに限定した不具合だと思うのですが、詳細は謎です。

試しに英語設定のままでやってみたのですが、やはり変更内容は毎回初期化されてしまいました。 う~む・・・

  • 不具合は色々存在する様で、早くもパッチが配信されていました。

クエスト画面。 アイテム画面。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

クエストクリア画面やアイテム・装備画面などもしっかり日本語になっています。

バックパックの中にアイテムを放り込んで管理出来る点はウルティマアンダーワールドと同様ですが、現時点では複数のバックパックを所持できるかは不明ですね。
魔法を使用する為に必要なルーン石専用のバックパックが存在する点も同様です。

アイテムを取得すると、名前だけでは無く効能などの詳細や、物々交換時の市場価格も表示されるようになりました。
ウルティマアンダーワールドにおいては、アイテムの詳細は鑑定技能を高める等しないと判明しなかったため、この辺は便利になった反面、探索の楽しみが薄れたとも言えるでしょう。

食用に出来るロットワームなど、シリーズのファンだったら思わずニヤリとするようなアイテムも色々存在しています。

  • 前作のファンをニヤリとさせる要素は色々有ります。

怪しい日本語。 怪しい日本語。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

言語設定で日本語にすると、マップ内のオブジェに書かれているメッセージも日本語に!

Shadow WarriorやSeriousSam3の日本語版と同様のどうにも怪しい感じが漂っていますが、これはこれで味があるので良しとしましょう。

  • 「少し村」「暗い森」レベルの伝説を期待したいところですな。

「Underworld Ascendant」の美しさと分かりやすさの両立は?

ステージの様子。 ステージの様子。
ステージの様子。 ステージの様子。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

こちらは実際のゲーム画面で、フルHD・画質最高設定にしています。

昨今のゲーム市場からすると、上を見ればもっと美麗なグラフィックのゲームは存在しますが、Underworld Ascendantも十分美しいと言えるでしょう。

個人的には、もっと汚れや埃っぽさみたいな、洞窟ならではの雰囲気が欲しい気がしますが、とりあえず大まかな美しさは十分でしょう。

  • 良い意味での「汚さ」が欲しい気がします。

今作をプレイしてみて気になったのが、明暗のコントラストが強すぎるという点でしょうか。
舞台が洞窟という事で全体的に薄暗いのですが、照明が当たっていない箇所はほとんど何も見えないレベルで暗く、プレイしていて非常に疲れます。

ウルティマアンダーワールドも薄暗かったですが、ステージ全体の明度は基本的に均一で、プレイに支障が出る程の暗さではありませんでした。
(ランタン等の照明器具を使用している事が前提では有りますが。)

今作では機械の性能とグラフィックエンジンの進化により、よりリアルな映像を作る事が可能になったため、結果としてこの様な感じになったのでしょう。

また、今作では隠密行動(いわゆるステルス要素)も重要であるため、より一層明暗を強調したとも思われます。(照明を消して姿を隠したりもする)

ただ、ゲームである以上、映像美よりも快適さや分かりやすさを優先すべきではないかと思います。

  • リアルさの追求は快適さを阻害する事が多いですね。

分かりやすいギミック・アイテム。 分かりやすいギミック・アイテム。

*画像クリックで拡大。(Windows版Underworld Ascendantより)

グラフィックの劇的な進化により、良くも悪くもゲーム内の情報密度が増大しました。
例えば、地形の複雑さやマップ内オブジェの数や構造の精度などはウルティマアンダーワールドとは比較になりません。

ウルティマアンダーワールドの様に、マップ内の様々な物を調べたり拾ったりするゲームの場合、あまりにも地形やオブジェが複雑すぎると、どれがアイテムやギミックで、どれが単なる背景の一部なのかの見分けが付かなくなりそうで心配していました。

で、実際にはどうなったのかと言いますと、やはり画面内の情報密度が増大したので、一見すると区別が付きにくいのですが、オブジェにある程度接近すると、輪郭が明るく強調され、さらにアイテム名や重さ、それに大して発動できるアクションなどが表示されるというシステムに!

輪郭が強調表示されるのはSeriousSam3やShadow Warrior(新しい方)でも有ったシステムですが、なかなか分かりやすくて良いですね。
これなら特に不便を感じる事無くプレイできそうです。

  • 特に重さ(ポンド表示)が表示される点が良いですね。

「Underworld Ascendant」はUltimaUnderworldの続編と言えるのか?

さて、この「Underworld Ascendant」が名作「Ultima Underworld」の続編と言えるのかどうかに関して書いてみようと思います。

まだゲームの序盤をプレイしている段階ですが、率直なところ「なんか違うなぁ」というのが正直な感想ですね。

「精神的後継作品」と自称しているし、タイトル画面で流れるお馴染みの曲や、前作にも登場した様々なアイテム・システム群など、確かにウルティマアンダーワールドを彷彿とさせる要素はたくさん有るのですが、プレイした感触がどうにも違う。


前作では広大なダンジョンの中に放り込まれ、いきなり移動可能な場所がたくさん有り、使い道の不明なアイテム、いや、そもそもアイテムなのかどうかすら不明な物がたくさん有ったりと、プレイヤーを良い意味で突き放したシステムでした。

広大なダンジョンをどこから攻略していくかはプレイヤー次第で、最初のフロアをそっちのけでいきなり下層階に進む事も自由だったわけです。

今回はというと、フロアの数自体は多いのですが、ポータルから各フロアへワープして移動するという形になり、異なるフロア同士の繋がりはあまり感じません。
一応、ギミックの操作が他のフロアへ影響を与えたりすることもあるそうなのですが。


そもそも、ゲームの流れ自体が「ステージクリア型のアクションパズルゲーム」という印象を受けるので、広大なフロアをじっくり探索していくアクションロープレだったウルティマアンダーワールドとは、ジャンル的に見ても違うような気がします。

このスタイルが面白いかどうかという話では無く、「ウルティマアンダーワールドの精神的後継作品」と謳っているゲームに相応しいシステムなのかという話ですね。

  • 単体で見れば評価も変わると思いますが、このゲームの場合はウルティマアンダーワールドが有ってこそのタイトルですからね。

ゲーム内容以外で気になる点は、やはり不具合が色々有るという点でしょうか。
発売直後から様々なバグが報告されているようで、発売翌日には早くも修正パッチが公開されていました。

とりあえず私自身が遭遇した不具合としては以下の物が有ります。

■ ゲームを起動する度にキー設定が毎回初期化される。
■ ゲームをロードしたら、フロアのスタート地点から始まる。(そういうシステム?)
■ 時々ゲームがフリーズする。(メニューを呼び出す事は可能。)

等々、割と致命的な問題ばかりですね。
データロード後の開始地点に関してはそういうシステムである可能性も有ります。

キー設定の問題に関しては不具合でしょうね。 というか、この手の問題はテストプレイした際に簡単に発覚するはずですが、一体どうなっているのか?

とりあえず、不具合が早急に改善されることを期待したいですね。

  • 仕事柄チェックプレイの事もよく分かりますが、単純な不具合くらいは最初から潰しておいて欲しいですな。

さて、不具合に関しては修正を待つとして、問題はゲームシステムに関する部分です。

不具合の修正、ゲームバランスの調整、処理落ちやロード時間の改善、マップやアイテム等の追加、これらは発売後でも対応可能です。
(もちろん、相応の時間とお金が必要なので、どこまで実施するかはその時次第ですが。)

ただ、ゲームの基幹システムや方向性に関しては修正しようがありません。
なぜなら、それはもはや新しいゲームを作り直すのに等しくなるからです。
不具合を修正したりアイテムを追加したりするのとは次元が違う訳ですね。

  • 仮にコストを度外視して修正するとしても、相当な時間が必要です。

Steamに投稿されたユーザーレビュー(購入者のみ対象)によると、評価は賛否両論で、半数以上が不評という状況。(2018年11月20日現在)

不具合に関する指摘も多いですが、やはりウルティマアンダーワールドの再来を期待していた人からの失望の声が目立ちます。
自ら「精神的後継作品」と謳っていたわけですから、これは仕方の無いことではありますが。

私自身も、まさかの続編登場で相当期待していましたし、ウルティマアンダーワールドを抜きにこのゲームを評価することは出来ません。
その上で「何か違うな」という評価になってしまう訳ですね。


大規模なアップデートが開発中!

さて、色々辛口な評価となってしまった「Underworld Ascendant」ですが、どうやら私以外の多くの人も同様の意見だったようで、開発陣に対して相当な叱咤激励が有ったようです。

言うまでも無く本タイトルに対する期待が大きかったからであり、それだけ心待ちにしていた人が多かったと言う事でしょう。

往年の超名作が長い時を経て復活するというのですから、期待するなと言う方が無理です。


今回のユーザーの反応を受けて、開発チームはアップデートプログラムの提供を開始。
既に幾つかのアップデートが行われましたが、更なる追加が予定されています。

2019年2月現在、「アップデート2」と称された大規模なアップデートプログラムが開発中で、内容の一例を挙げると、マップの全体構造、ゲームシステム、モンスターのAI等が変更ないし改良されるとのこと。


詳細はSteamの「Underworld Ascendant」関連ページを見て貰うとして、同業者である私からみると、ここまで大規模なアップデートを行うのはなかなか珍しいことです。

アップデートにも色々有りますが、当然ですが作業には予算が必要なわけで、大規模なアップデートとなると、その費用も莫大な物となります。

もちろん、商品に対する評価は企業にとっての生命線なので、改良できるなら当然やるべきではあります。
が、アップデートされること無く切り捨てられるタイトルも少なく有りません。

今回、「Underworld Ascendant」の開発チームは、大規模なアップデートで再起するという道を選択したわけで、我々ユーザーも大いに歓迎したいところです。

案内によると、アップデート2を適用しても、現在のプレイデータをそのまま引き継いで続行可能らしいですが、私はせっかくなので最初からプレイし直そうと考えています。

いずれにしても、とても楽しみです。



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