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【国見岳】九州山地の中央部に位置する九州屈指の高峰

国見岳イメージ 登山

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九州で一番山深い場所に有る名峰「国見岳」

国見岳イメージ

「国見岳(くにみだけ・1739m)」は九州山地のほぼ中央部に位置する山である。

宮崎県と熊本県の県境に跨がる九州山地に属する国見岳。
熊本県の最高峰であり、宮崎県においても「祖母山(そぼさん・1756m)」に次ぐ高さを誇る。

九州山地の最奥という事で、宮崎・熊本どちらからでもアクセスは良いとは言い難い。
基本的に日帰り登山が前提の山だが、相応のコースタイムが必要となるので、登るならかなり早立ちする必要が有る。

折角なので椎葉村などで一泊し、周辺観光を絡めた登山をしてみるのも良いだろう。


今回は宮崎県の椎葉村側から登る縦走コースをご紹介しよう。

宮崎県で最も奥まった場所から登る、これまた山深い山。 その魅力に迫る!

ちなみに国内には「国見岳」と呼ばれる山は20座近く有る。
今回紹介する山は“国見岳ファミリー”の中でも特に高い方に属する。



椎葉村の中心部を抜けて国見岳の登山口へ

前述の様に国見岳は九州でも特に山深い場所に有る為、まず登山口へ行くのが大変である。
純粋な登山だけで6~7時間程掛かるため、前泊や後泊も含め、山行計画はしっかりと考えて欲しい!

宮崎県北部や大分県方面から来る場合、九州中央道や国道218号線を使って五ヶ瀬町まで行き、そこから国道265号線を使って南下するルートが想定される。

一方、宮崎県南部や鹿児島県などから来る場合は、まず東九州自動車道か国道10号線を利用して日向市まで来て、そこから、国道327号線や同265線等を使って椎葉村へ至るルートになると思われる。


椎葉村の中心部から登山口までは車で約50分程かかる。
村内のコミュニティバスが有るが、最寄りのバス停からはなお遠いので自家用車が前提だ。





国道265線を使って椎葉村に入り、村役場などが有る中心街の手前で右側に県道142号線が分岐するのでここへ入る。
この県道142号線は「上椎葉湯前線」と呼ばれている様だ。


上椎葉ダムの上付近を通過し、ダム湖(日向椎葉湖)の左岸沿いを道なりに暫く進む。

なお、ここから先は買い物をするような場所は無いので、トイレも含め、必要に応じてこの付近で済ませておこう。





暫くすると橋が有るのでこれを渡り、その後直ぐに右折する。
基本的に県道142号沿いに進もう。





少し進むと今度は不土野川を渡る橋が有るので、これを渡ったら再び右折しよう。






暫く耳川沿いに進むと「不土野簡易郵便局」及び「村営バス水無バス停」が有る。
ここを左折して「峰越村道・椎葉~五家荘線」に入る。


「五家荘」は「ごかのしょう」と読むべし!






上のマップに有る分岐を右折して「村道御手納線」に入る。

この付近は隘路が続くが、登山口までは舗装されているし、基本的には道なりに進めば良い。





暫く進むと突然林道が途切れ、ここが登山口となる。
ここまで非常に長かった・・・! ようやく登山開始だ!


登山口と言ってもトイレや自販機などは全く無く、単なる道の行き止まりである。
駐車スペースも狭く、せいぜい5台程度しか停められないだろう。

なお、一応docomoは電波が入った。 さすがNTT系は山間部で強い。


ちなみに、この椎葉側の登山口は「萱野登山口」と呼ぶらしい。
読み方はおそらく「かやの」だと思われる。




登山口と言っても特に何も無いので道に迷いそうになるが、よく見たら左奥の方へ道が続いている。
最初は徒渉地点へ向かって緩やかに下っていこう。



スタート早々に訪れる最初の試練! 徒渉地点を突破せよ

村道終点に有る登山口から緩やかに下ってゆくと、数分ほどでいきなり徒渉地点が出現!

川幅は5~6m程で、この時点では特に橋は架かっていなかった。

過去には板(丸太?)の橋が設置されていたとの情報も有ったが、大雨による増水で流されるなどした様だ。

一応ロープが掛けられているが、足場となる岩と微妙に位置が合っていない気がする。
もしかしたら増水時に地形が変化したのかもしれない。

あまりロープには拘らず、渡りやすい場所を探して徒渉した方が良いだろう。


増水時は結構な水量になるらしく、無理な徒渉は危険だ。
ここまで来て登山を中止する羽目にならないよう、気象情報には注意しておこう。
雨が降った翌日も増水している可能性が有るので注意だ!




徒渉したらどんどん高度を上げていくわけだが、コース全体の印象としては、際だった急勾配や難所は無く、踏み跡や目印も十分有るので迷う事も無いだろう。

テープに関しては主にピンク色の物が使われている様だ。



序盤は自然林と杉林が混在した場所を登ってゆく。
この苔むした岩とか、深閑とした樹林帯とか・・・とてもイイネ!

なお、先ほどから看板に「国見岳・五勇山」書かれてあるように、今回は五勇山を経由して国見岳へ至る縦走登山である。
つまり、最初の目標が五勇山という訳だ。




途中から若干熊笹が増えて来て、何となく嫌な予感がする・・・
が、道が埋もれる程は生えていないので、踏み跡やテープなどを頼りに進めば大丈夫だ。



おお! 巨大な倒木が!!

このコースでは結構な数の倒木を見かけた。
倒木など特に珍しくは無いのだが、この時はコースに跨がって倒れている物が多くて地味に大変だった。

くぐり抜けたり迂回したり、その都度対応を考える必要が有るが、苔むしている場合があるので乗り越える際は注意しよう。


稜線に上がり、石堂屋からのルートと合流

登山開始から1時間30分程が経過し、空が開けて明るくなると稜線に到着。
ここで「石堂屋(いしどうや・1332m)」方面からのルートが合流する。

この「石堂屋」は山の名前なのだが、マイナーな山らしくあまり情報が無い。




稜線に上がると、ここから国見岳までは標高差は少なく、これと言った難所も無い。
快適な稜線歩きを楽しもう。

稜線の区間は大きな勾配が無いので、コースタイムでは行きも帰りもほぼ一緒である。
所要時間を判断するときの目安にして欲しい。




快適な稜線歩き・・・なのだが、全体的に熊笹が多めで、時には少しかき分けて進むような場所も。
う~ん、大丈夫なのか? 大丈夫だと思って前進だ!


最初のピーク「五勇山」に到着

石堂屋分岐から30分程で、本日最初のピークである「五勇山(ごゆうざん・1662m)」に到着!
熊笹が生い茂っているが、展望が開けている場所も有るので休憩がてら楽しんでおこう。


ここから国見岳までの稜線は宮崎県椎葉村と熊本県八代市との県境になっている。
両者の標高差は100m程しかなく、ここまでくれば後は楽しい稜線歩きである。


なお、五勇山から国見岳付近にかけて、東側の250~300m程下を林道が併走している。
しかし、縦走路とは直接接続しておらず、林道自体も崩壊して廃道になっている模様だ。




頂上の直ぐ先には三叉路が有り、向かって右が国見岳方面、左が烏帽子岳方面だ。

とりあえず熊笹が凄いんですけど。
国見岳方面はともかく、烏帽子岳方面は歩けるのかこれ?

資料に拠ると、左に行くと国見岳方面の展望が良い場所が有るらしい。
また、看板には「シャクナゲの群生地があるばい!」と書かれてある。

しかし、ちょっと進むのをためらってしまう程に生い茂っているばい!
今回は・・・パスだ!




三叉路を後にし、一路国見岳方面へ進む。
相変わらず足下には熊笹が茂っているが、幸いにも歩行に支障を及ぼすほどでは無い。



この縦走路にはあちこちに「レスキューポイント」と呼ばれる看板が設置されている。
ここは「RescuePoint-026(RP-026)」というわけだ。
万が一の際はこの情報を元に救助を要請する事になる。


問題は携帯の電波が届くのかという事だが、docomoならともかく、他だとどうかな。
私がdocomoを使っている最大の理由は「山に強い」からだったりする。



五勇山付近では生い茂っていた熊笹も、国見岳方面へ進むほどに数を減らし、やがてごく普通の登山道に姿を変える。
藪漕ぎになったらどうしようかと思っていたが、どうやらその心配はなさそうだ!



途中に有った倒木に、何やら謎の植物(?)を発見。

これは・・・キノコの一種なのだろうか?
ぷっくりと膨らんだ餅に醤油を垂らしたような、何とも言えない、なんだこの感じは。
なんとも奇妙な物だったが、これは何という植物なのだろうか?




上記のキノコ(?)に続いて気になったのがこちら。
今回の稜線コースにはこの緑の植物が大量に生えていた。

名前が分からないが・・・とりあえず「キャベツ」と呼んでおこう。

なんだか美味しそうに見えて来たぞ!
キャベツが豊かに実った登山道、なんとも豪勢な話しじゃ無いか。

この時は「キャベツ」と呼称していたこの植物に関して帰宅後に調べてみた。
どうやら「バイケイソウ(梅蕙草)」という植物らしい。
日本国内ではほぼ全国の亜高山帯などに自生し、6月から8月にかけて美しい花を咲かせるとのことだ。

美しい花を咲かせる一方、こいつは毒を持っており、間違って食べると最悪死に至る事も有るという。
バイケイソウによく似た山菜も有るらしいので、くれぐれも注意して欲しい。




登山道を塞ぐ倒木はチェーンソーなどを使って処理されている事が有る。

有るのだが、これは処理された跡なのだろうか?
処理されたにしては中途半端に残っている(繋がっている)し、単に人が踏んでいく過程で削れていったのか、どっちだろう。



さすが九州山地の中央部!
九州で最も山深い場所だけあって、周囲は山ばかりで街は見えませんな。

山並みを見ていて気が付いたのだが、やたらと緑が鮮やかな場所と、まるで真冬のように色あせた場所のコントラストが凄い。
単に陽差しの当たり具合による物とは思えないが、植生の違いなんだろうか?



枝が90度真横に伸びた巨木を発見!

いや、これは横に伸びているというか、幹が途中から割けて倒れているのだろうか?
いずれにせよなんとも迫力の有る風景である。

そして登山道の両側に広がるバイケイソウが良い味を出しているな!



今度は両側に幹が割けた巨木を発見!
何をすればここまで見事に割けるのか不明だが、雷でも直撃したのだろうか?




うーむ、実に気持ちの良い稜線だ。
過去に歩いた稜線の中で一二を争うくらいに美しく、気持ちの良いコースである。

非常に山深い場所なのであまり人が来ない為、静かに歩けるという点では良い。
が、せっかくなのでこの美しさをもっと多くの人に知って欲しい気持ちも有る。



前述の様にこのコースでは多くの倒木を見かける。
そのどれもが、なんかこう、味があって良い感じだ・・・!

倒木フェチの人(居るのか分からないが)には堪らないコースだ。


縦走路に有る小国見岳に寄っていこう

五勇山から約1時間、国見岳へ至る稜線の2/3程の場所に「小国見岳(こぐにみだけ・1708m)」が有る。
縦走路から数分ほど上れば着くので是非立ち寄って見よう。



小国見岳は標高1708mも有る立派な山なのだが、この辺は起伏が少ないため地味な印象である。
分岐からピークまでは道が不明瞭だが、ほぼまっすぐ登れば頂上に辿り着く。

なお、三角点は看板から北へ少し離れた場所に有る。



倒木を越え、バイケイソウの群生地を越え、国見岳はもうすぐ!


むむっ、これまた豪快な倒木だ。

どのような理由で倒れたのかは分からないが、倒れてもなお、その勇姿を見せつけるかの如く、登山道に立ち塞がっておられる。

さすがに越えるのも潜るのも無理なので、多少面倒だが迂回するしか無いだろう。
この際、草地を滑り落ちないように注意しよう。



小国見岳を過ぎれば国見岳まではコースタイムで30分程度。

稜線コースは相変わらず穏やかで実に快適だ。

・・・で、足下にはこちらも相変わらずのバイケイソウである。
まるで意図的に植えられた野菜の如く、本当にたくさん生えておりますな。



バイケイソウに彩られた登山道を歩いていると、正面に小高いピークが見えてくる。
どうやらアレが国見岳の様だ。

一端軽く下り、国見岳へ向けて緩やかに登る。
いずれにしても勾配は緩やかで、難所も無いのでのんびり歩こう。



国見岳の頂上周辺では複数のルートが交錯しているが、まずは頂上手前で「縦木登山口」からのルートが合流する。

これは西の熊本県側から登るルートだ。


国見岳の頂上から下る際、方向を間違えると全然違う場所に行ってしまうので、地図や看板をしっかりと確認しよう!



宮崎・熊本の県境に跨がる国見岳へ到着

縦木登山口への分岐点を過ぎると、程なくして国見岳頂上に設置されている祠が見えてくる。
ここまで来ればあと一息だ!



萱野登山口から3時間と少しで、ついに「国見岳(くにみだけ・1739m)」に到着!
ご覧のように頂上には大きな祠が設置されているのだが、国見岳も霊峰の一つなのだろうか?

なお、この祠は何らかの要因で壊れたのか、最近再建されたらしい。
まさか雷でも落ちたとか? 様子見を兼ねて、また登りに行かないとね。




国見岳は九州のど真ん中に有る高峰なので、晴れていれば阿蘇山や祖母山など、九州の名だたる山が見える。

この日は高曇りであまり遠くは見えなかったが、周囲360度が全て山というのは実に爽快だ。
まさに大自然のど真ん中であり、日常生活で疲れたおっさんの心を癒やしてくれる。




先ほどから写真に白っぽい樹木がちらほら写っているが、これは綺麗に咲き誇る山桜である。

・・・というのは冗談で、これは寒さのあまり、樹木に霜が降りているのだ。

この時はゴールデンウイーク中だったが、さすが九州山地のど真ん中、凍えそうになる程に寒かった。

景色を堪能するのもほどほどに、早めに昼食を取って帰路に就いたのであった。
思わぬ寒さに震えてしまったが、大自然を満喫したオッサンの足取りは軽い。

誤解されないように書いておくと、5月頃は常に寒いというわけでは無い。
国見岳などの山の上でも晴れればかなり暖かいが、天気が崩れれば寒いというだけの話しだ。

日本アルプスなどの他の山域と同様に、天候によって寒暖の差はとても大きくなる。
万が一の天候に対応出来る装備は必ず持って行くようにしよう。



【国見岳】椎葉村コースまとめ

今回紹介した国見岳は九州山地の一番奥に有るため、まず登山口に行くのが大変だ。

宮崎県・熊本県どちらからでもアクセスは良いとは言い難い。
登るなら1日がかりの行程となり、かなりの早立ちが求められる。

折角行ったのにいきなり徒渉出来ずに引き返す事にならないようにしたい。
現地の天気状況はしっかりと確認しよう。


最初の徒渉地点さえクリアできれば、後は特に難所は無い。
特に稜線に上がってからは気持ちの良い快適な登山が楽しめるだろう。


アクセスは悪いが、九州のど真ん中に有る高峰なので、頂上からの展望は素晴らしい。
縦走路を彩る様々な植物や風景も見所満載だ。

また、麓の椎葉村は「日本三大秘境」の一つとされる山深い場所に有り、「平家の落人伝説」でも知られる。
せっかく遠くまで来たのだから、椎葉村で前泊や後泊をして、豊かな自然や文化を満喫していこう。




椎葉村観光協会
世界に一つだけの椎葉




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