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聖岳を皮切りに、数々の山を越えて進む縦走二日目

靴擦れと両足の痙攣というトラブルを乗り越え、なんとか無事(?)に終了した縦走の初日。
本日は今回のメインディッシュの一つである「聖岳」を経由して、今夜の宿である「百間洞山の家」を目指す工程である。
聖平小屋から百間洞山の家まではコースタイムでおよそ9時間。
奥聖岳への立ち寄りを含めると、休息時間を除いても約10時間に達する超ロングコースである!
このコースの肝は、単に長いだけでは無く「複数の山を越えていく」という所にある。
コース上に山が点在しているのは特に珍しくも無いのだが、このコースはご丁寧に全てのピークを経由して行くのが厄介だ。
そう、水平に巻いて進むのではなく、毎回アップダウンを繰り返しながら進むので体力の消耗が激しい。
コースタイム以上に長く、そして辛く感じることだろう。
・小聖岳(2662m)
・前聖岳(3013m)
・奥聖岳(2979m)
・兎岳(2818m)
・子兎岳(2662m)
・中盛丸山(2807m)
・大沢岳(2820m)
途中には無人の避難小屋が一箇所有るだけなので、万が一悪天候に見舞われた際に対処出来る装備が必要だ。
また、炎天下の長距離アップダウンは非常に辛いので、最低でも水分は2リットル以上を準備しよう。
聖岳~赤石岳~荒川岳を縦走する場合、コースが長大なので大抵の場合は三泊四日の行程になると思われる。
この際、二日目と三日目が非常に長い行程になるので、出発時間を早める必要が有るし、水などの装備品にも注意しよう。
もちろん十分なトレーニングを積み、体力面でも余裕を持たせておくことが重要だ。


前述の様に本日は非常に長い行程を歩くので、朝四時過ぎには聖平小屋を出発。
早立ちすると山小屋の朝食を楽しめないのが残念だが、この1時間の差が後々効いてくるのである。
聖平小屋からテント場の方を見ると、丁度山間から御来光が見えて美しい!
本当に良い立地の山小屋だと思う。水も美味しいしね!


上河内岳への分岐を過ぎると、周囲にはフェンスに囲まれたお花畑が出現する。
この辺りもシカの食害でかなり荒れていたらしく、現在はこうして復元・保護作業が行われている様だ。


小屋から30分弱で「薊畑(あざみばたけ)」の分岐点に到着。
ここは「易老渡(いろうど)」「便ヶ島(たよりがしま)」方面からの登山道が合流する場所で、聖岳へ長野県側から登る際に利用されるコースである。
2025年6月現在、便ヶ島にある聖光小屋は営業しており、食事付きで宿泊出来るとのこと。
長野方面から聖岳に登る場合は前泊・後泊に活用しよう。
小聖岳を経由して主峰「前聖岳」を目指す




更に進むと、100時間くらい煮込んで崩れた大根の様な、ボロボロに朽ち果てた看板を発見。
何と書いてあるのかは全く読めないが、位置からすると恐らく「2662小聖岳」だろうか?(数字は標高)
一体何年前に立てられた看板なのかは分からないが、風雪に耐えて頑張って建っている姿に敬礼!
この付近は痩せ尾根の縁を歩くのだが、左側面はかなり急角度で切れ落ちており、滑落したら無事では済まないだろう。
特に悪天候時や早朝薄暗い時間帯に歩く際は注意して欲しい。
聖岳と一口に言っても、実は小聖岳・前聖岳・奥聖岳・東聖岳などの複数の山から構成される、所謂連峰である。
一般的に聖岳と呼ばれるのは「前聖岳(3013m)」であり、この付近には「小聖岳(2662m)」が有る。


小聖岳を過ぎ、そろそろ勾配もキツくなってくる頃だが、そんな私を応援してくれるかのように、足下には美しい高山植物の姿が!
時々立ち止まって花々を鑑賞する事で、良い気分転換や小休止になるのでオススメである。
夏場の縦走は熱くて大変だが、高山植物が一番咲き誇る時期でもあるので楽しい。
花を見るなら7月~8月中旬頃がベストシーズンだろう。


小聖岳から前聖岳の区間が一番勾配がキツくて大変だ。 足下もザレ場なので慎重に登ろう。
振り返れば聖平小屋があんなに小さく・・・ また来ます。お世話になりました!




聖平小屋から2時間10分ほどで「聖岳(3013m)」に到着!
頂上は360度の大展望で、目の前には明日登る事になる赤石岳の勇姿も見える。
かなり良いペースで登ってきたが、今日はここからが本番なのであまり喜んでもいられないのである。
恐らく易老渡の方から登ってきた人だろうか、ここで折り返して下山する人が結構多かった。
前述の様に、ここは正確には「前聖岳」であり、この近隣には「奥聖岳」や「東聖岳」が有る。




前聖岳から片道10分程度で「奥聖岳(2978.7m)」へ行ける。
縦走路から外れるのでここまで来る人は少ない様だが、展望も良いので是非足を運んで欲しい。
奥聖岳から先には、「東聖岳(2800m)」を経由して椹島の比較的近くへ降りる「聖岳東尾根ルート」が続いている。
こちらは主に積雪期に使われるルートの様で、一般ルートでは無いので注意。
無雪期の場合、コースタイムで登り14時間、下りでも6時間以上も有り、非常に辛そう・・・
登山口との標高差が2000m近く有るから当然か。
高山ハンターが東聖岳を目指してピストンするくらいだろうか?
ただ、奥聖岳から先は破線区間なので要注意だ。
聖岳を後にして、地獄のアップダウンが続く縦走路へ!


南アルプス南部の主要峰である聖岳への登頂を果たしたわけだが、今回は赤石岳や荒川岳を絡めた大縦走プランなので、まだまだ旅は始まったばかり。
この日の行程においても、まだ全体の1/3程だろうか? 旅は続く!
これから歩く縦走路を見ると、兎岳・子兎岳・中盛丸山などが連なっているのが分かる。
ピークを通過する度に数百メーターのアップダウンを繰り返すことになるので疲労も激しい。
本日の核心部はここから先に有ると言えるだろう。


縦走路の遥か先、大沢岳と百間平の間の谷に、本日の宿である「百間洞山の家」が見える。
あそこに辿り着くのは何時間後だろうか・・・
目視できる目標ほど辿り着くのが大変だったりするんだよね。


この付近は向かって右手側が比較的穏やかな地形をしていて、反対側が岩場の露出した荒々しい地形をしている。
まるで後立山連峰の様だが、どういった理由による物かは不明だ。




聖岳を過ぎて暫く歩くと、やがて左手に巨大な崩壊地が出現。
登山道はこの縁の部分を通っており、滑落したらまず助からないので注意しよう。
また、途中で縁から離れて樹林帯の中をトラバース気味に通過する場所が有る。
間違って縁沿いに進まないように注意だ!
このコース唯一の避難小屋「兎岳避難小屋」






兎岳の直ぐ手前に「兎岳避難小屋」が有る。
この付近では唯一の避難小屋なのだが、縦走路から見て左に入った場所に有り、うっかりすると見逃すかもしれない。
外見は幽霊でも出そうなくらいにボロボロだが、内部はリニューアルされており割と綺麗だった。
風雨を凌ぐには十分で、隣にはテント泊に適した小広場も有る。
ただ、トイレも水場も無い為、積極的に使用するのは難しい場所だろう。
水場は子兎岳の手前に有るが、ここからだと往復1時間はかかると思われる。
聖岳方面から来る場合、聖平小屋などで汲んできた方が良いだろう。
兎岳・子兎岳・中盛丸山・・・アップダウンが続く旅の中盤以降




兎岳避難小屋を過ぎてひと登りすると「兎岳(2818m)」に到着。
なんとも可愛らしい名前だが、その由来はよく分からない。
頂上からは赤石岳をはじめとした山々が一望でき、苦労して登った甲斐が有る大展望だ。




聖岳から先、兎岳・子兎岳・中盛丸山・大沢岳はいずれも標高2800m前後と概ね似たような高さなのだが、毎回大きく下ってからの登り返しが有り、とにかく疲れる。
子兎岳への登りもザレ場が多く、勾配もキツくて歯応え抜群だった。
通過する山の標高だけを見ていると、実際に歩いた際の大変さに驚くかも知れない。
ちゃんと地図を見て、どのような地形を歩くのかを把握しておこう。


子兎岳のピーク手前には、この付近で唯一の水場へ至る分岐が有る。
地図によると往復10分程度と割と近いが、水量はそれほど豊富では無いようだ。
目印も地味なので、ここに水場への分岐が有るという事を知らないと見落とすかも知れない。


コルからのキツい登り返しを越え、「子兎岳(2738m)」へ到着。
先ほどの兎岳よりも僅かに標高が低いのがその名の由来だろうか?
相変わらず素晴らしい展望で実に楽しい縦走だが、炎天下の山行でそろそろ疲労も溜まってきた・・・
ピークを越える度に大きなアップダウンを繰り返すのが体に応える縦走路である。
標高が高いので気温自体はそれほど高くは無いが、炎天下を長時間歩くので疲労が激しい。
飲み水が足りないと冗談抜きで死にかねないので、最低でも2ℓは携帯しよう。




子兎岳の次に目指すのは中盛丸山で、この区間はコースタイムで1時間弱となっている。
コル付近は森林限界より下になっており、数少ない木陰も有る穏やかな登山道だ。
ただし、そこを過ぎるとガレ場の急登が待ち構えており、この登りが実に辛い!
容赦なく陽差しも照りつけるので、自分のペースを守ってゆっくり登ろう。
ところで、登山道の各所で見かける案内板に書かれている「FH」や「M」という文字は何の意味が有るのだろうか?
調べても分からなかったので、もし知っていたら教えて下さい!




急登をひいこらと登り詰め、ようやく「中盛丸山(2807m)」へ到着。
本日何回目のアップダウンか忘れてしまったが、やはり景色は抜群に素晴らしく、疲れも吹き飛ぶ。
縦走路の先には本日の最終ピークである大沢岳が見え、その手前のコルには百間洞山の家へ向かう分岐点が確認できる。
本日の行程も残すところあと2時間半ほど。 山小屋名物のトンカツを目指してあと一踏ん張りだ!
百間洞山の家の名物と言えば、夕食で提供されるトンカツである。
これを楽しみに遠路はるばる訪れる人もいるのだとか。
本日の最終盤、大沢岳への最後の登り


中盛丸山と大沢岳間の鞍部には分岐点が有り、右折すると百間洞山の家に至る。
大沢岳を通過した先、百間平の手前の分岐からも小屋に行くことは可能だ。
大沢岳のピークを踏むならば、どちらを選んでもコースタイムは大体似たような物らしい。
今回はこの分岐点に荷物をデポし、大沢岳にピストンしてから小屋へ向かうルートを選んでみた。
展望を楽しむなら稜線コースも楽しいかも知れない。
この分岐は地図には「百間洞降下点」と記載されている。
疲労や悪天候など、大沢岳に登らず小屋へ急ぐ場合は迷わず右折しよう。


百間洞降下点から少し先に進むと「大沢渡分岐」に到着。
静岡県と長野県の県境にあるこの場所から、大沢渡山荘を経由してしらびそ峠へ至るルートが分岐している。
しらびそ峠へのルートは林道崩壊などで荒廃しており、大沢渡山荘も営業していない。
近年、有志の手によって整備されつつ有り、歩いている人も居る様だが、現状は熟達者向けのルートと言えるだろう。
山荘付近はヤマビルが多いらしい・・・! 行くなら気をつけてね。


前述の様に、この付近は長野側が切れ落ちた荒々しい山容をしており、縦走路も一部痩せた場所を通過するので注意しよう。
疲れ果てたオッサン達を励ますかのように、可愛らしい雷鳥が出現!
今回の旅路では度々雷鳥に遭遇したが、やはりいつ見ても可愛らしくて癒やされますな。


分岐点からおよそ30分弱で「大沢岳(2819m)」に到着。
本日の最終ピークであり、疲れもピークという事で、分岐からはコースタイムギリギリでの到着となった。
最短ルートを通るなら大沢岳には立ち寄る必要は無い。
しかし、ルート上に有る山は全て踏破したいという人や、「百高山ハンター」には見逃せない山であり、なにより頂上からの眺めも素晴らしいので、余裕が有れば是非立ち寄ってみよう。
本日の宿「百間洞山の家」へ




大沢岳のピーク付近からは眼下に百間洞山の家が見えるが、コースタイムではまだ1時間以上も離れている。
まずは分岐に戻り、荷物を回収してから出発だ!
途中に小さいながらも水量豊富な沢が有り、どうやら百間洞山の家の水源にもなっている様だ。
アップダウンや樹林が有ってなかなか小屋が見えないが、小屋まではあと一息なので頑張ろう。


突然樹林帯の隙間から「百間洞山の家(ひゃっけんぼらやまのいえ)」が出現!
聖平小屋を午前四時過ぎに出発し、何度となくアップダウンを繰り返す長大な縦走路。
思えば辛い行程だったが、素晴らしい景観と雷鳥に励まされて、なんとか辿り着いたという感じだ。
いや~長かった! そして疲れた! お疲れ様でした。




この小屋は3階建てになっているが、入り口は2階部分に有るという変わった造りをしている。
オリジナルTシャツなどの物販も充実しているので、是非売店もチェックしてみよう。
テント場は小屋から赤石岳方面へ数分ほど進んだ所に有り、さほど広くは無いが、小屋から近くて便利そうだ。


山小屋最大のお楽しみと言えば、何と言っても食事。特に夕食である。
ここ百間洞山の家では、メインディッシュのトンカツを始め、蕎麦やカレーも付いてくる。
付け合わせの生野菜や果物、とろろに味噌汁と大ボリュームだ。
どれも非常に美味しく、疲れた体に染み渡る。
一日の疲れも吹き飛ぶ美味さだった。 ごちそうさまです!
前述の様に、2025年現在はコロナの影響などもあってか、残念ながら素泊まりのみとなっている。
当時の一泊二食付きの価格よりも高くて素泊まりしか出来ないのは悲しすぎるが、そうなっている以上は仕方が無い。
一応レトルト食品やカップラーメン等の販売はしている様だが、品切れの可能性も有る。
なるべく食料は持参して自炊した方が無難だろう。
再びトンカツにありつける日が来ることを願っておこう。
南アルプス大縦走・2日目を振り返って
三泊四日の今回の旅では、二日目と三日目が文字通りの山場であり、まずは二日目が無事終了した。
前述の様にピークを越える度に大きなアップダウンを強いられ、距離やコースタイム以上に疲れる旅となった。
せっかく登ってきたのにまた下らないといけない。そして下ったらまた登り・・・
この現実に直面した時の精神的な疲労は、肉体的な疲労よりも辛かったように覚えている。
途中にエスケープルートは一切無い為、悪天候への備えは万全にしておこう。
また、炎天下の長距離縦走となるため、飲料水や行動食の準備もしっかりと。
このコースはどちら向きに歩いても大変だと思うが、敢えて言うなら、最後に最も標高が高い聖岳に登る事になる反時計回り(百間洞山の家→聖平小屋)の方が大変かな?
いずれにしても大変なコースなので、体力と装備、そして時間には余裕を持って挑んで欲しい!
今回のコース、両端に有る山小屋がいずれも素泊まりのみになったのが悲しい。
色んな意味で食事が復活して欲しいと願ってやまない。





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