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名作の移植版を例に、性能や作り手の拘りの違いを検証してみる

「アフターバーナー」と「サンダーブレード」、いずれもセガが開発したゲームで、ジャンルは所謂「体感ゲーム」と呼ばれる物である。
前者は当時のAM2研、後者はAM1研が担当し、稼働は共に1987年だ。
いずれも当時のセガを代表する名作であり、存在感を放つそのド派手な筐体でゲーセンの花形でもあった。
特に「アフターバーナー」はセガというかゲームの歴史に名を残すと言っても過言では無い存在で、パソコンから家庭用ゲーム機まで、当時の多彩なマシンに移植されたのである。
映画「ターミネーター2」の序盤で、主人公の少年がゲーセンでプレイしていたゲーム、あれが「アフターバーナー」だ!
なお、初代「アフターバーナー」がリリースされた数ヶ月後、細部をブラッシュアップした「アフターバーナー2」がリリースされており、一般的にアフターバーナーと言えば「2」の事を指すので注意だ!
この両者は複数のゲーム機に移植されているが、当時はアーケードゲーム機と家庭用ゲーム機では性能に雲泥の差が有り、完全移植などとても不可能な時代だった。
移植を担当するゲーム開発者からすると辛い作業だったと思うが、卓越した技術とアイデアにより、オリジナルに勝るとも劣らない名作に仕上がったタイトルも多い。
今回紹介する両タイトルに関しても、純粋な移植度ではオリジナル版には遠く及ばないが、それぞれ拘りを感じる移植内容になっており、独自の魅力を持った作品に仕上がっている。
それでは、具体的にその魅力や違いを見ていこう。
【メガドラ版アフターバーナー】快適に遊べる良好な移植度

ファミコン版に遅れること一年、1990年に電波新聞社から発売されたメガドラ版。
ROMカセットの容量は4メガビットである。 バイトじゃないぞ、ビットだぞ!
タイトル画面のロゴ破壊演出もいい感じに再現されており、見ているだけで楽しい。

ゲームスタート直後の発艦シーンだが、拡大演出はカットされている。
なお、空母の艦橋に書かれた「128」の数字が「606」に置き換えられている。
「128」はAM2研の前身である「スタジオ128」が由来とのことだが、「606」の由来は不明だ。

ゲームの動きは非常に滑らかで、ローリング演出もとても気持ちよい。
大きな敵キャラもたくさん登場し、アフターバーナーとしての魅力は忠実に再現されている。

数ステージ毎に給油シーンが入る。
このゲームに燃料の要素は無いが、代わりに主要武器であるミサイルが補給されるのだ。
補給ステージには地上基地への着陸するパターンも有るのだが、メガドラ版では容量の都合か丸ごとカットされている。
セガ系ハードで復活するのはスーパー32X版からかな?
なお、この補給シーンには裏技が存在し、コマンドを入力するとミサイルが最大の100発まで一気に補充される。
詳しい方法は忘れたが、十字キーやボタンを適当に同時押しすれば大抵成功するぞ!
「RELOAD WEAPONS」の上になんか文字が表示されたら成功だ!
この給油機って元ネタは何だろう?
エンジン周りだけを見れば「M-4バイソン」や「ニムロッド」辺りに似ているが、尾翼周りは違うしね。

ここはボーナスステージで、柱の間(峡谷をイメージしている?)に有る敵の地上部隊を攻撃する。
一切反撃してこないので、一方的にやっつけろ!
・・・と、行きたいところなのだが、操作が難しく、操作を誤ると柱に激突して死んでしまう。
下手するとボーナスステージでゲームオーバーになりかねない、非常に危険なステージである。
機体速度を限界まで落としつつ、壊すより無事に通過する事に集中した方が良いだろう!
メガドラ版のアフターバーナーは、一部の演出を割り切ってカットしている部分も有るが、性能の差や容量の少なさを感じさせない、総じて良好な移植となっている。
十分にアフターバーナーとしての魅力を堪能できる出来と言えるだろう。
【PCエンジン版アフターバーナー】果敢に忠実移植を目指した意欲作

続いてPCエンジン版のアフターバーナーだ。
発売元はNECアベニューで、発売時期もメガドラ版と同じ1990年である。

PCエンジン版で凄いのは、発艦時の拡大演出が忠実に再現されている事。
メガドラ同様、PCエンジンもハードウェアで拡大縮小機能をサポートしていなかったので、まさにプログラマーの力業と言えるだろう。

画面のスクロールは極めて滑らかで、ローリング演出も全く問題無し!
アフターバーナーの命とも言えるスピード感を十分に再現している。
当時から思っていたのだが、この地面に有る青いマカロンみたいなオブジェは何なんだろう?

PCエンジン版での驚きポイントその2。
なんと、メガドラ版ではカットされていた地上補給基地のシーンが再現されている!
同じたった4メガビットながら、わざわざ忠実に再現するとは・・・!
有ると無いとでは盛り上がりが違うからな! 天晴れである。
なお、オリジナル版だと離陸中に後方からバイクや車が走ってくるのだが(ハングオンやアウトランの奴らか!?)、さすがにそこまでは再現できなかったようだ。
離陸中のジェット機の至近距離を通過すると、エンジンからの衝撃で吹き飛ばされそうだがな!

全体的に頑張っているPCエンジン版だが、このボーナスステージだけはかなり厳しい印象だ。
処理を軽減するためか背景は真っ黒だし、石柱も縁が黒塗りのままで切り抜かれていない。
おそらく、相当処理速度的に厳しかったのだと思われる。
でも、雰囲気は再現されているよ!

PCエンジン版で個人的に気になるのがこちら。
背後から出現する敵の一部が双発機なのだ。
オリジナル版を含め、後方からの敵は全て単発機のはずだが、何故かPCエンジン版ではご覧のように双発機も登場する。
ぱっと見は主人公の機体(F-14XX)の色違いの様にも見えるが、一方で「MIG-29」や「Su-27」辺りにも見える。
容量が厳しいだろうから、おそらく前者だろうか。
PCエンジンはメガドラよりもハードウェア面でのハンデが大きいと思われるが、オリジナルを忠実に移植しようという開発者の熱意を感じる出来に仕上がっている。
また、BGM「Final Take Off」と「After Burner」の2曲はメロディー有りバージョンを使用しており、しかもクオリティーが高い。 是非聴いてみて欲しい!
【メガドラ版サンダーブレード】割り切って別物として誕生した作品

メガドラ版サンダーブレードであるが、よく見るとタイトルに「スーパー」が付いている。
そう、メガドラ版は厳密に言うとオリジナル要素が多い別物と言えるのだ。
内容はかなりアレンジされており、少なくともゲーセン版の忠実な移植を目指した物では無い。
賛否両論あるだろうが、サンダーブレードとしての雰囲気は残っている。

ゲームをスタートするとプレイヤー機の離陸シーンが表示される。
(微妙に長いのでスキップも可能だ!)
機体後部は何となく「SA-341ガゼル」に似ている・・・というか、どう見ても「ブルーサンダー」だろうが!
ここまで露骨に パクって 似せてくるとは・・・
当時はいろいろおおらかな時代だったのだ!

オリジナル版サンダーブレードの特徴でもあったトップビュー画面は無く、いきなり3Dビューから始まる。
ステージは4つあるが、登場する敵は基本的に一緒だ。
ハインドやメルカバみたいな敵を倒し、ひたすら進むのだ!
慣れないうちは敵の攻撃よりも地形に激突して死ぬ方が多いかも知れない。
細かく円を描きながら飛行するとやられにくいぞ!
なお、メガドラ版オリジナルの要素として、ステージの途中で中ボスが出現する。
どれも円を描きながら攻撃すれば無傷で倒せるだろう!

ステージ序盤のトップビュー画面は無くなったメガドラ版だが、ボスはしっかりとトップビュー画面だ。
なお、登場するボスは基本的にオリジナルの物で、ステージ1は大型空母である。
飛行甲板両サイドにある対空砲火で攻撃してくるほか、甲板に駐機しているSu-17やYak-38っぽい奴らも離陸してくる。
この状況下で離陸するとは・・・命知らずな奴らだ。
どういう理由かは不明だが、メガドラ版のボスステージでは、プレイヤーは左右にしか移動出来ない。
敵の攻撃を避けにくくて非常に辛いのだが、何故??
【PCエンジン版サンダーブレード】トップビュー画面も再現!


続いてPCエンジン版のサンダーブレードを見てみよう。
PCエンジン版はアフターバーナーと同様に忠実な移植を志している様で、オリジナル要素はあまり無い。
ご覧のようにタイトル画面から続く一連の演出もオリジナルに忠実である。

PCエンジン版の凄い所は、ステージ序盤のトップビュー画面も再現しているところだ。
ポリゴンでは無くスプライトを駆使した疑似3D演出で、特にビルの立体感の表現が面白かった。
やっぱりサンダーブレードといえばこれでしょ!

トップビュー画面が終わると3D画面に突入。
メガドラ版ではハインドみたいだったヘリもオリジナルに忠実な奴が飛んでくる。
かなり描写が辛そうな雰囲気は感じるが、よく再現されていると言えるだろう。

ボスになると再びトップビュー画面に。
こちらもゲーセン版のボスを忠実に再現し、大型巡洋艦(戦艦?)が登場する。
メガドラ版と違って前後にも動けるので、攻守両面で戦いやすい。
PCエンジンにとって相当荷が重かったであろうトップビュー画面を再現しているのが凄い。
そして雰囲気もよく再現されている。 見事だ!
メガドラ版とPCエンジン版、両者の移植を比べてみて
前述の様に、当時の家庭用ゲーム機の性能ではアーケードゲームの完全移植など到底無理だった。
(テトリスの様なパズルゲームならともかく)
そこで、割り切って何かを削る必要が出てくる。
同時に表示するキャラクターなどの大きさや数だったり、或いは収録するステージの数だったり。
その一方で、そのゲームを特徴付けている重要な要素は絶対残す必要が有る。
限られた開発リソースや性能差というハンデを背負った中で、どうやって移植するかは開発者の腕の見せ所だ。
今回紹介したメガドライブ版とPCエンジン版のアフターバーナーとサンダーブレードは、それぞれ開発者の考えや拘りが見えて来てとても興味深い。
割り切って複数の要素をバッサリとカットしたメガドラ版に対し、可能な限り忠実に移植しようとしているPCエンジン版との差が好対照である。
特に、思わず「無茶しやがって・・・」と思わずにはいられないPCエンジン版が印象的だった。
一見無謀にも思えるが、ちゃんと形になっている点が凄いと思う。
どんな人達がどのような環境で開発していたのかは分からないが、おそらく、凄く燃えていたんじゃなかろうか?
「うおおお、やったるぜ!」みたいな感じで。 いや、勝手な予想だが。
この当時の移植タイトルはどれも完全移植とはいかず、純粋に移植度で見れば物足りないと言える。
しかし、そのゲームの肝となる面白さは忠実に再現したゲームは多い。
また、移植に当たってオリジナル要素を加味し、元のアーケード版を越える面白さを得たタイトルも有る。
(もちろん、逆に悪い意味で変わり果ててしまった物も有るが。)
様々な制約の中で、開発者がどのように試行錯誤しながら移植したのかを想像しながらプレイするのも楽しいぞ!



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