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【北アルプス】穂高連峰から槍ヶ岳への縦走・その2「北穂高岳~南岳(大キレット)」

北アルプス 北アルプス

 

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【当サイトの山行記事を読むに当たって】

本サイト内で書かれている山や登山道に関する各種情報は、あくまで私個人の経験・判断に拠る物です。
難易度の評価は、各個人の体力・技術・経験、当日の体調・装備内容・天候などによって大きく変化します。

また、登山道や残雪等の状況は、あくまで取材時の物で、最新の情報では有りません。

最新の情報は現地の山小屋や地元の観光協会などに直接確認して下さい。
web上の情報だけを元に判断する事は絶対に止めましょう。



北アルプス屈指の難所「大キレット」を越える

北アルプス

「大キレット」・・・恐らく北アルプスに興味を持っている人なら名前くらいは知っているだろう。
北アルプスには数々の難所が存在するが、その中で最も有名と思われるのが大キレットだ。

「キレット」と聞くと一見外国語かと思うが、実は日本語らしく、漢字では「切戸」と書くらしい。

なので、「大キレット」は「大切戸」と書くわけだ。

で、そのキレットとは何なのかというと、ざっくり言うと「両側が激しく切れ落ちた険しい稜線」を指す言葉だ。

割とあちこちにそんな場所は有るが、特に危険で大規模な場所はキレットと呼ばれている様だ。



北アルプスには「三大キレット」と呼ばれる場所が有る。

(1)大キレット・・・北穂高岳と南岳を結ぶ稜線上に有る。
(2)八峰キレット(はちみね)・・・鹿島槍ヶ岳と五竜岳を結ぶ稜線上に有る。
(3)不帰キレット・・・別名「不帰ノ嶮(かえらずのけん)」。唐松岳と白馬岳を結ぶ稜線上に有る。

難易度の評価は個人によっても違うだろうが、私の経験で言えば大キレット、不帰キレット、八峰キレットの順で難しいかな。
ただ、どこの極めて険しい地形であり、滑落したらまず助からないので要注意だ!



今回は大キレットを通過するわけだが、「最も有名=最も難しい」という訳では無い。
純粋な難易度で言えば隣の「涸沢岳~北穂高岳」の方が難しいと思うし、さらには「西穂高岳~奥穂高岳」の方はもっと難しい。

とは言え、大キレットが簡単というわけでは決して無いし、毎年のように滑落遭難事故が発生している。
間違い無く北アルプス有数の難所なので、初心者が興味本位で立ち入ったりしないようにしよう。


初心者がいきなりチャレンジしても案外アッサリと通過出来たりするものだ。
しかし、本人が気づいていないだけで、実際はいつ滑落してもおかしくない危うい山行だったりする。

それで勘違いして、その後の遭難事故に繋がったりすると大変だ。
特に人を巻き込んだりするとシャレにならない。

大キレットは危険な場所だが、手に汗握る楽しい場所でもある。
じっくりとステップアップして、万全の状態で挑み、楽しく安全な山行にしてほしい!



大キレット及びその核心部の位置

北アルプス・穂高連峰マップ

大キレットは穂高連峰と槍ヶ岳を結ぶ稜線上に有るが、具体的な位置を見てみよう。
これは併走する常念山脈から槍・穂高の稜線を撮影した物だ。

前回は涸沢岳から北穂高岳を結ぶルートを踏破したが、その隣に有るのが大キレットという訳だ。
大キレットの区間だけが大きく切れ落ちているのがよく分かる。




北アルプス・大キレット解説

こちらが大キレットの拡大写真だ。

北穂高岳・南岳に挟まれた場所なのだが、どちらから進んでも最初に大きく下る。
垂直に近い絶壁で、梯子や鎖などを頼って慎重に通過しよう。


注目すべきは、大キレットの全区間が難所というわけでは無いと言う点。
最初と最後に有る絶壁の上り下り以外では、難所は北穂高側に集中している。
それ以外の区間は特に難所と言うほどでは無く、拍子抜けするくらいに穏やかだ。


隣の「涸沢岳~北穂高岳」の区間は大キレットに比べると距離自体は少し短いが、全区間が難所と言えるので、この点が大きく異なる。


ただし、過去の統計を見ても分かるとおり、遭難事故の大半は難所では無く、比較的穏やかな場所で発生している。
理由は不明だが、難所を通過し終えて気が緩んだ時に発生しているのかもしれない。

無事に下山するまで決して気を緩めてはいけないぞ!




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北穂高岳頂上からの絶景を堪能しよう

北穂高岳からの展望

大キレットの入り口である北穂高岳の山頂直下には北穂高小屋が有る。

ここはこのエリアでも特に展望が素晴らしい小屋としても知られる。
慌てて通過するのは勿体ない。 出来れば一泊して時間と共に変化する大キレットの絶景を堪能して欲しい。



北穂高岳からの展望

眼下には夕日に照らされる大キレットが見える。
凄まじく切れ落ちたやせ尾根で、見るからに恐ろしい。

よくこんな場所に登山道を通そうなどと思ったものだ・・・いや、ここしか無い訳なのだが。
今でこそある程度整備されているが、最初に通った人は凄いよね。



北穂高岳からの展望

こういった稜線を観察していると、しばしば稜線の片側だけガスに包まれているのを見かける。


何故稜線の向こう側までガスが流れていかないのか?
温度差や風などが影響しているのだろうか、実に興味深い。



前穂高岳

南の方には前穂高岳がよく見える。

前穂高岳の象徴とも言える、ギザギザに突き出た尾根が印象深い。
下の方に行くに従って徐々に緑が多くなるのも特徴ですな。



北穂高岳からの展望

北穂高岳からの展望

地形の険しさで知られる穂高連峰だが、改めてその険しさがよく分かる景色だ。

そして、その険しい地形が夕日とガスに包まれている風景は実に美しい。
なんというか神秘的で、時間を忘れて見入ってしまうほどに美しいぞ!

「雄大な地形と気象の織りなす神秘的な風景。岳人のみに許された至福の一時である。」

などと意味不明なことを呟きながらオッサンは風景に見入るのであった。




北穂高岳からの展望

遥か遠く、西の方へ日が沈んでゆく・・・
逆光を浴びて黒いシルエットになった北アルプスの山並みが実に美しいですな。


いきなり始まる北穂高岳からの垂直の大下り

大キレット

翌日、北アルプス一帯は見事なまでの快晴となった。
朝日は向かって右側の長野県側から登り、大キレット付近の稜線には綺麗な明暗のコントラストが出来ている。


大キレットの通過にはコースタイムでおよそ3時間を要する。
難所が続くので、人が少なく天候が安定した早い時間帯に通過したいところだ。



大キレット

今回は北穂高岳側から南岳方面へ向けて大キレットを通過する。
大キレットの入り口とも言える北穂高岳の頂上からはご覧の通りいきなり大きく下る事になる。

ここから見ると垂直の断罪絶壁にしか見えない。

実際は多少傾斜が有るが、それでも相当な急角度の斜面を下るので、梯子や鎖を駆使して慎重に移動しよう。


下り終わったら徐々に高度を下げつつ核心部を目指すが、当面は険しい難所が続き、息つく暇が無い。
落石や対向者とのすれ違いに注意しつつ、慎重に移動するのだ!



大キレット

大キレット

北穂高小屋からはご覧の通り急激に下る。

ゴツゴツした岩場で手がかりや足がかりは豊富だが、浮石も多いので要注意だ!
また、変な場所に迷い込まないように白ペンキのマーカーをよく確認しよう。




大キレット

上の方に北穂高小屋が見えている事からも分かるが、かなりの急角度で下っている。
この様に梯子も設置されているので活用しよう。 基本的に頑丈な物ばかりなので安心だ。




大キレット

梯子や鎖に加えて、槍ヶ岳などでも見かけた足場釘の様な物も設置されている。
頑丈で頼りになるが、下る場合は足下が見づらいので踏み外さないように注意せよ!




大キレット

出発してまだ10分程だが、既にここまで下ってきている。
遠くから見たら凄まじい傾斜だったが、実際に歩いてみてもその通りだった。

左上には北穂高小屋のテラスの一部が見えている。
この傾斜を見れば、あのテラスの展望が素晴らしい理由がよく分かるだろう。




大キレット

大キレット

垂直に近い凄まじい絶壁。
ここを自力で突破するのは流石に酷なので頑丈な鎖が設置されている。

長く頑丈な鎖だが、間違っても複数人で同時に取り付かないようにしよう。
幾ら頑丈だからと言っても、数人で同時に取り付いたら破損の元になってしまうからね。




大キレット

大キレットには梯子の数はそう多くは無く、場所も北穂高岳および南岳の直下に集中している。
特に長い梯子は南岳の方に有り、危険な絶壁を安全に通過するのに無くてはならない存在だ。




大キレット

梯子や鎖を幾つか通過すると、下りはやや落ち着き、水平方向への移動が主体となる。
最初の関門は突破と言った所だが、ここからも難所が目白押しなので気を引き締めていこう。



大キレットから見る北アルプスの絶景

大キレット

左手側(西)には笠ヶ岳が見える。

傘のような美しい三角形である事からその名前が付けられたらしい。
このアングルからだとあまり見えないが、北の方角からだと三角形の美しい山体がよく分かる。




大キレット

大キレット

大キレットの怖さ、そして美しさは上から見下ろした時が一番分かりやすい。
早朝は岐阜県側が日陰になっており、険しい地形と相まって、漆黒の闇に飲み込まれそうでなんだか怖いぞ!


「絶壁の恐怖に飲まれるか、抗って踏破するか。 岳人に求められるのは、己を信じ、気を強く持つ事である。」

等と意味不明な供述をしており、余罪が有る物とみて(以下略)

ブツブツと呟きながら、オッサンは大キレットの核心部へ向かって進むのであった。



大キレット

「絶壁」以外に表現のしようが無いほどに切れ落ちた岩肌。
何をどうすればこの様な地形になるのだろう?

北アルプスは火山活動によって育まれた地形らしいので、火山が噴火した際に隆起したって事なのかな?




大キレット

ふと後方を振り返ると、断崖絶壁の上には先ほど休憩した北穂高小屋が見える。

こんな凄まじい場所に有ったとは・・・
現地に居た時にはさほど感じなかったが、遠くから見たら実に恐ろしい場所に有る小屋という事が分かる。



大キレット

大キレット

純粋な地形の険しさはもちろんだが、うっかり掴んだらポロッと崩れそうな感じがまた怖い。

実際に穂高連峰の岩は結構脆いとか聞いたような気がする。
こんな場所を登攀するクライマーって凄いね。オッサンには無理ですわ。


大キレットの核心部に向けて連続する難所


大キレット

最初の断崖絶壁を下り終えた後は、下りの傾斜自体は緩やかになる。
しかし、地形の険しさはここからが本番であり、全く気が抜けない。


安全に通過するために留意すべき事は色々有る。
特に以下の事を肝に銘じつつ、安全第一で通過しよう。

■白マーカーを見落とさずにコースを外れない様にする。
■浮石に注意し、落石を絶対に起こさない。また、他者が落石を起こす可能性に留意する。
■設置してある鎖やプレートを正しく使う。




大キレット

大キレット

思わず目も眩むような恐ろしい断崖絶壁である。
鎖が無ければ通行するのはとても無理だろう。



こういう鎖場で重要なのは、先行する人が鎖に取り付いている間、他の人は絶対に鎖に触らないことだ。
特に登りの場合、下から不意に鎖を揺らされると、滑落して重大な事故になりかねない。
また、複数人が同時に鎖を使うと、耐荷重を越えて破損の原因になる可能性が有る。

例え時間が掛かっても、必ず1人ずつ通過しよう。




大キレット

ここは大キレットの中でも特徴的な場所の一つだ。
特に名称は無いと思われるが、大キレットを通過した人ならば記憶に残っていることだろう。


両側が切れ落ちた岩尾根を通過するのだが、平坦な場所が全く無いため、鎖やプレートを使用して通過する。
足下にはハイマツが生い茂っているので意外にも高度感は無いのだが、滑落したらまず助からない。

悪天候時は絶対に通過したくない、大キレット有数の難所だろう。



大キレット

その人の身長にもよるが、やや腰を落とした姿勢で鎖を掴み、足下のプレートを足場にして通過する。

前述の様にハイマツが有って奈落の底が見えないので、余計な恐怖を感じずに済むと思われる。
しかし、万が一滑落したらハイマツでは転落を止められず、遥か下まで落ちてしまうだろう。

下が見えないからと言って油断せず、一歩一歩着実に前進だ!



大キレット

この様に鎖もプレイートも非常に頑丈で、それ自体は特に問題は無い。
大事なのは、これらを正しく使用出来るかどうかだ。


こういう場面で前かがみになりすぎると、動きにくい上に足下もよく見えず危険だ。
怖いかも知れないが、体は極力背筋を伸ばす感じにした方が安全に通行出来る。


飛騨泣きと長谷川ピーク

大キレット

大キレットには固有の名称が付けられた場所が複数存在するが、その一つに「飛騨泣き」という場所が有る。



この稜線は向かって右側が長野県松本市(昔の信濃国)、左側が岐阜県高山市(昔の飛騨国)である。
で、ここは飛騨側が特に激しく切れ落ちており、泣くことも黙るほど恐ろしいから、そう名付けられたんだとか。

信州側も十分すぎるほど恐ろしい気がするが、いずれにしろ大キレット屈指の難所と言って良いだろう。


この場所は北穂高岳側から来ると特に難しい。

地面(岩)が直角に切れ落ちていて、体を後ろ向きにして降りる事になるのだが、困った事に足下が全く見えない。
足でボルトなどの位置を探りながら慎重に下ることになり、とにかく緊張する。

段差も大きめなので、小柄な人は苦労する事だろう。




大キレット

ご覧のように設置してある足場は非常に頑丈で頼りになる。
しかし、上から下ってくると足下が全く見えない。 まさに手探り(足探り?)で降りることになる。


地味に(派手に?)難しい場所と言えるだろう。




大キレット

大キレット

右奥に見える突き出た巨岩は「長谷川ピーク」と呼ばれる場所で、恐らく大キレットで最も有名な場所だ。
あの付近は大キレットでも特に険しい場所であり、どちら側に滑落したとしてもまず助からないだろう。

北穂高小屋や南岳小屋などに前泊し、早朝から大キレットを通過するのは良いプランだと思うが、時期によっては岩が凍結している恐れが有るので注意しよう。

あんな所で足を滑らせたら・・・ 間違い無くその瞬間に人生は終わりを迎えるだろう。



大キレット・A沢のコル

飛騨泣きを通過して暫くすると「A沢のコル」と呼ばれる場所に着く。
「コル」とは山と山を結ぶ尾根(稜線)の登りと下りが転じる場所で、峠・鞍部・乗越・パスなどとも言う。


「A沢」の「A」が何を意味するかは不明だが、この付近は一旦地形が穏やかになる。
貴重な休息場所なので、ここで小休止して後半に備えよう。



大キレット

A沢のコルから北穂高側を振り返ると、通過してきた飛騨泣きなどの難所が見える。
改めて見ると凄まじい絶壁だ・・・ よくこんな場所を越えてきたものだ。 オッサンもやれば出来る!




大キレット

大キレット

A沢のコルの少し先には木道というか木橋が設置してある。

危険な斜面を通過する為の頼もしい橋だが、雨天時や霜が降りている早朝はツルッと行きそうで怖いな。
鎖も有るのでしっかり握って速やかに通過しよう。



大キレット

木橋を過ぎて暫く行くと、長谷川ピークへの登りがやってくる。
ご覧の通りほぼ垂直の断崖絶壁であり、高さもかなりの物だ。

先ほどの飛騨泣きと長谷川ピーク、この二つが大キレットの二大難所と言えるだろう。



大キレット

この絶壁は下半分は岩棚などの段差を利用して登り、上半分は鉄製の取っ手を使って登る。
取っ手が無ければ絶対に通過出来ないほどの絶壁である。


ここを通過中に上から人がやってきたら・・・ 考えただけでも恐ろしい。


もし反対側からも人が来た場合、当然ながらどちらかが待機して相手が通過するのを待つことになる。
登山では「登り優先」という基本が有るが、あまりそれに捕らわれずに臨機応変に対応しよう。

彼我の人数や位置関係など、状況を見て安全かつスムーズに通過出来る様に対応するのだ!




大キレット

大キレット

先ほどの絶壁を登った後も相変わらず地形は険しい。
僅かだが木が生えていて下が見えにくいので、あまり恐怖は感じない。

ただし、言うまでも無いことだが滑落したらまず助からない。
頑丈な鎖が有るので有効活用しよう。




大キレット

大キレット

少し進むと「長谷川ピーク(Hピーク)」の頂上部に到着する。

なんでも、かつてここで長谷川さんという人が滑落した事が名前の由来だとか。
その人は後に救助されたらしいのだが、自分の滑落場所が地名として後世に語り継がれる心境ってどうなんだろう。




大キレット

長谷川ピークからは笠ヶ岳方面がよく見える。
今頃は笠ヶ岳の頂上も大勢の登山者で賑わっていることだろう。

この長谷川ピーク、岐阜側は凄まじく切れ落ちている為、正直言ってとても怖い。
身を乗り出して下を眺める勇気など、オッサンには微塵も存在しなかった。

「『君子危うきに近寄らず』とはよく言った物よ。勇気と無謀の違いを理解する者こそ真の強者よ。」

等とブツブツと強がりを言いつつ、オッサンは長谷川ピークを後にするのであった。




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長谷川ピークから先の後半戦は地形が穏やかに

大キレット

長谷川ピークは大キレットにおける概ね中間地点だと思うが、ここから先は暫く難所は無い。
もちろんうっかり滑落しようものなら大惨事は免れない。油断だけはしないようにしよう。




大キレット

難所の長谷川ピークを後にして、暫くは下り道となる。
「道」と言ってもご覧のように険しい岩尾根である。くれぐれも転倒・滑落だけはしないように注意せよ!




大キレット

長野側は多少緩やかだが、岐阜側は凄まじく切れ落ちている。
もしここで滑落したら、遥か下の谷底までノンストップで転落していきそうで恐ろしい・・・!




大キレット

大キレット

突然足下に「茶」と書かれていたから驚いたが、よく見たら「北ホ」だった。
ペンキで「穂」と書くのが大変なのは分かるが、何故に縦書きなのだ。

ともあれ、この付近は地形がやや緩やかになり、ハイマツも豊富なので落ち着く場所だ。
「茶」でも飲みながら小休止といこう。



大キレット

北穂高岳側を振り返ると長谷川ピークや飛騨泣き等の難所が見える。

中間地点である長谷川ピークから南岳側は比較的地形が緩やかである。
南岳小屋を拠点に長谷川ピークまで散歩に来ると言うのも面白かも知れないな。



大キレット

大キレットを歩いている時に一番印象的だったのは、飛騨泣きでも長谷川ピークでも無く、実はここである。
不自然なまでに整地された様なこの場所、どうみても誰かがテント泊した跡だと思うのだが。

全域が国立公園である北アルプスでは、指定地以外でのテント泊は禁止されている。
もちろん緊急時のビバークはその限りでは無いが、あと少し頑張れば南岳小屋まで行ける距離だ。
やはり誰かが意図的にテント泊したのだろうか?



大キレット

展望が素晴らしい場所なのでテントを張りたくなる場所では有るが・・・

水場も無いし、強風が吹いたら吹き飛ばされそうな場所ではある。
なにより、こんな場所にテントを張ったらすぐにばれるよね。

この謎の場所。真相は如何に?


大キレットのフィナーレである南岳への登り

大キレット

長谷川ピークを通過した後は暫く穏やかな地形が続いたが、いよいよ大キレット最後の難所がやってくる。
そう、目の前に聳える南岳への登りだ。


南岳も三千メートルを超える堂々たる高峰なので、かなりの標高差を登る事になる。
鎖や梯子も設置してあるので慎重に進もう。



大キレット

目の前に覆い被さる様な南岳に圧倒されるが、足下もガレていて油断ならない。
浮石に注意して慎重に通過しよう。



大キレット

白のペンキで×印が書かれた岩は浮石の場合が多い。
うっかり触れると動いて転倒や滑落、落石等を起こしかねないので注意せよ!




大キレット

大キレット

ああ、は、梯子場だ!!
梯子大好き人間であるオッサンはにわかに元気を取り戻す。

梯子が無ければ絶対に登れないような絶壁。 なんて巨大な岩なんだ。




大キレット


大キレット

北穂高岳から下る時にも短い梯子が有ったが、南岳側の梯子はかなり長い。
かなり頑丈でしっかり固定されているので安心だ。




大キレット

またしても不自然に整地された場所を発見!
ここも闇テン(テント泊禁止場所でテントを設営する事)の跡なのだろうか?

細い登山道のど真ん中で丸見えだし、見つかるリスクに対して割に合わない場所だよね。
そもそも少し先に南岳小屋のキャンプ場が有るじゃんと言いたくなるが、真相はどうなんだろうか。

人工的に並べられたと思われる石も謎だな。



大キレット

長かった大キレットももうすぐ終わり。恐ろしいけど楽しい場所だった。

こうして見ると、基本的に長野県側(左側)は地形が比較的穏やかだ。
対する岐阜県側(右側)は激しく切れ落ちていて恐ろしい。飛騨泣きと呼ばれる理由がよく分かる。



大キレット

大キレット

南岳への長く辛い登りは続く。
ほぼ垂直の絶壁に掛けられた次なる梯子が見えてきた。

この場所も梯子が無ければまず登る事は出来ないだろう。
昔は梯子が無い時代も有ったわけだが、一体どうやって通過していたのだろうか。



大キレット

大キレット

地形と言い梯子の長さと言い、槍ヶ岳の頂上直下の梯子によく似ている。
恐らく、設置してある梯子も同じ種類の物なのだろう。

穂高連峰はこれだけ険しい割には、意外と梯子の数は少ないような気がする。
梯子大好き人間のオッサンとしては少々寂しいぞ!



大キレット

梯子場を通過した後も険しい登りは続く・・・!
この場所も十分難所だと思うが、この程度なら数え切れない程有るので、もう感覚が麻痺してきたな!




大キレット

相変わらず傾斜はキツいが、ここまで来れば南岳小屋はもうすぐだ。
疲れが溜まる頃だが、足下はガレ&ザレなのでスリップしないように注意せよ!




大キレット

始めて「南岳」の文字を見た気がする。
この直ぐ先に南岳小屋が有り、その更に先に南岳の頂上が有る。 最後の頑張りどころだ!



大キレットの入り口に位置する南岳小屋

大キレット

南岳

ついに大キレットを突破!
長かったようにも短かったようにも感じる。そして危険箇所だらけだったけど、とても楽しかった。

この場所は「獅子鼻展望台」と呼ばれる場所で、南岳小屋の目と鼻の先に有る。
大キレット方面の展望が素晴らしいので是非立ち寄ってみよう。




南岳小屋

南岳小屋

大キレット最後の登りを過ぎると、目の前に有るのが「南岳小屋」だ。
この小屋は槍ヶ岳山荘グループの一つで、ランチメニューや物販が充実している。

大キレットに挑む前の、或いは通過した後の休息場所として持って来いの場所に有る。
また、周囲の展望も素晴らしいので、ここに宿泊するのを目的に来るのもオススメだ。

なお、通好みのルートとして知られる「南岳新道」はここで縦走路に合流する。
南岳新道に関する情報は槍ヶ岳山荘グループのブログに掲載されてることが有るのでチェックしてみよう。




南岳小屋

南岳小屋

北アルプス屈指の難所である大キレットに隣接するとは思えない程、実に穏やかな場所に有る南岳小屋。
ここから槍ヶ岳までは三千メートルを級の山が連なるが、大キレットの様な難所は無い。

とは言え、標高の高さ故に空気は薄く、悪天候になれば逃げる場所も無い稜線が暫く続く。
この南岳小屋でしっかりと休息し、万全の状態で先へ進もう。


北アルプス有数の難所である「大キレット」を終えて

涸沢岳~北穂高岳という難所を通過し、続けざまに挑んだ大キレット。
距離だけを見れば後者の方が長いが、難易度はどちらも高く、前者の方が難しいという人も多い。

私個人の感想で言うと、涸沢岳~北穂高岳の方が若干難しい気がする。
ただ、大キレットも十分すぎるほど危険で、難易度が高いのは間違いない。



確かにこれらのルートは非常に危険で、安易に立ち入る事は辞めるべきだ。
だが、こういう危険な場所でしか味わえない風景や達成感と言う物は確かに存在する。

幸いにもこれらの危険ルートの入り口(出口)にはそれぞれ山小屋が存在する。
前泊地や後泊地として活用しよう。



しっかりと経験を積んでステップアップし、是非ともチャレンジしてみて欲しい!




【北アルプス】穂高連峰から槍ヶ岳への縦走・その1「涸沢岳~北穂高岳」
北アルプス南部の穂高連峰から槍ヶ岳を結ぶ稜線には、三千メートルを超える高峰がズラリと並んでいる。高難易度の危険箇所が多数存在するが、その分歯応えは抜群で展望も最高だ。スキルを磨いて是非挑戦してみよう!



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