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難易度の評価は、各個人の体力・技術・経験、当日の体調・装備内容・天候などによって大きく変化します。
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最新の情報は現地の山小屋や地元の観光協会などに直接確認して下さい。
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涸沢岳と北穂高岳を結ぶ、穂高連峰有数の難所を歩く

北アルプス屈指の人気エリアであり、難関エリアでもある穂高連峰。
この穂高連峰から槍ヶ岳を結ぶ稜線には三千メートルを超える高峰がズラリと並び、まさに日本の屋根と呼ぶに相応しいエリアだ。
地形が険しい上に標高が高いので紫外線も強烈で、天候が崩れたら悲惨な事になりかねない。
安易に立ち入る事は避けたいエリアだが、その分踏破した際の達成感は格別で、展望もまた素晴らしい。
経験を積んで是非ともチャレンジしてみて欲しい!

これは梓川を挟んで反対側にある常念岳から穂高連峰~槍ヶ岳の稜線を見た様子だ。
今回は涸沢岳から槍ヶ岳までを縦走するのだが、まずは「涸沢岳~北穂高岳」の区間をご紹介しよう。
槍ヶ岳寄りの場所から見ているため、今回の「涸沢岳~北穂高岳」の区間は短く感じるかも知れない。
しかし、実際は大キレット(北穂高岳~南岳)の区間と大体同じくらいである。
今回は「涸沢岳~北穂高岳」「北穂高岳~南岳」「南岳~槍ヶ岳」の3区間に分けてお届けする。
健脚者ならば十分に一日で踏破できる距離だ。
涸沢岳の頂上から明日のルートを確認!

早朝に上高地を出発した本日は、白出のコルに有る穂高岳山荘に宿泊する。
そこから10分程度の場所に「涸沢岳(からさわだけ・3103m)」が有るのだが、その頂上を経由して北穂高岳・槍ヶ岳方面のルートが延びている。
涸沢岳の頂上は標高が高いだけ有って展望は抜群だ。
明日歩く予定のルートの下見を兼ねてちょっくら行ってみよう。

穂高岳山荘から涸沢岳の頂上までは特に難所は無いのだが、頂上周辺は断崖絶壁で切れ落ちている。
うっかり滑落すると命に関わるので慎重に行動しよう。

眼下には昼前に通過した涸沢カールが見えている。
カールに有る涸沢キャンプ場には色とりどりのテントが張られていて実に鮮やかだ。
色味で言えば赤や黄色などの暖色系が目立つが、これらの色は人気色だけ有って数が多すぎる。
それ故に時々自分のテントが何処に有るのか分からなくなってしまう。
青などの寒色系の方が逆に目立って良いかもしれないな!
こうやってカラフルなテント場を眺めていると、縁日にあるスーパーボールすくいを思い出してしまうのは私だけだろうか。

白出のコルを挟んで反対側には奥穂高岳が有り、頂上まで続く登山道も明瞭に分かる。
改めて穂高岳山荘の立地の凄さを再認識させられるな。


北の方角へ向かって延びる稜線の先には、北穂高岳や大キレットを経由して遥か奥に槍ヶ岳が見える。
ここから槍ヶ岳まではコースタイムで言えば約9時間ほどだ。
ただし、途中には北アルプス有数の難所がある為、実際はコースタイム以上に苦労するだろう。
標高が高いので空気も薄いし、万が一悪天候に見舞われたら大変な事になる。


眼下には明日の朝一に歩く予定の「涸沢岳~北穂高岳」間の登山道が見えている。
とても人が歩ける様には見えないが、うっすらと踏み跡が見えるとおり、あそこが正規の登山道なのだ!
この区間はこれといった名称も無く、大キレットに比べると地味であまり知名度が無い。
しかし、難易度的には大キレットと同等以上に険しいので要注意だ!


傾いた太陽は雲海を美しく染め上げ、やがて雲の下に沈んで行った。
太陽が沈むと多くの人が山小屋に戻ってしまうのだが、実は沈んだ後も美しい風景が見られる。
下から夕日に照らされた雲海が実に綺麗なのだ。 機会があったら是非見てみよう!





早朝より涸沢岳~北穂高岳間の難所に挑戦!

岳人となったオッサンの朝は早い。
午前4時に起床し、5時から朝食を食べ、6時には山小屋を後にしていた。
見ての通り雲一つ無い快晴の青空。絶好の縦走日和だ!
なお、左手に見える建物が穂高岳山荘の本館。正面にあるのは倉庫兼冬期小屋らしい。
右手に下るとザイテングラートを経て涸沢カール、左へ行けば新穂高温泉方面へ下るルートだ。

再びひと登りで涸沢岳の頂上に到着。
目の前にはこれから歩くコースが一望できる。
右手前にある双耳峰が北穂高岳。 遥か左奥に見えるのが本日の最終目的地である槍ヶ岳だ。
とても人が一日で歩ける距離には見えないが、歩けちゃうんだなコレが。

涸沢岳の頂上から先はいきなり急激に下る。
初心者や高所が怖い人は、ほとんど進めずにいきなり引き返す事になるだろう。
浮石に最大限の注意を払いつつ、コースを示す白のペンキを見落とさないようにしよう。
変な所に迷い込むと命に関わるので、おかしいと思ったら必ず立ち止まり、必要なら引き返すのだ!


一体何処に登山道が有るのか、一見すると全く分からないほど、ひたすら断崖絶壁が続いている。
岩場は草地などと違って踏み跡がほとんど無いので、ルートファインディング能力が求められる。
よく見たら1人ほど涸沢岳の頂上へ向かって登っているのが分かる。
あんな恐ろしい場所を登っているなんて・・・ いや私もついさっきあそこを通過したのだが。


なにやら特徴的なドーム状の巨岩を発見!
こんな場所をどうやって通過するのかと不安になるが、登山道は向かって左側の岩の基部を通過する。
トラバースする方が遥かに安全ではあるが、足下は結構な斜面になっているので注意せよ!

うーむ、自分は本当にここを歩いてきたのだろうか?
そう思ってしまうくらいに凄まじい断崖絶壁だ。
この区間は大キレット以上に難易度が高いと言われるが、確かにそうかもしれないな。
大キレットは全ての区間が難所では無く、極端に危険な箇所は北穂高岳側の半分程に集中している。
それに対し、涸沢岳~北穂高岳の区間は全体的に危険箇所であると言える。

早朝に出発した事もあってか、この区間ですれ違った人は10人程と少なかった。
まあ、元々北アルプス有数の難所なので、そもそも熟達者以外は近寄らないのだろう。
最低コルで一息ついて、後半戦に突入!

涸沢岳の頂上を出発して大体1時間ほどで「最低コル」に到着。
「コル」とは山と山を繋ぐ尾根(稜線)の登りと下りが転じる場所の事を言う。
他にも「峠」「鞍部」「乗越」「パス」とも言う。
一つの稜線にコルは何ヶ所か有るものなので、その中で最も標高が低い場所を「最低コル」と呼ぶ。
つまり、ここが涸沢岳と北穂高岳の境だと言えるだろう。

最低コル付近からは涸沢カールや前穂高岳がよく見える。
なんだかここからカールまで下って行けそうに思えるが、実際は凄まじい急斜面なので止めておこう。

最低コル付近は比較的地形が穏やかになるので、ここらで小休止しておこう。
まだまだこの区間は半分程。これからも険しい地形が続くからね。

いやほんと何度見ても凄まじい険しさですな。
本当にここを歩いてきたのだろうか? オッサンも流石に不安になってくるよ。(笑)
穂高連峰の険しさが実に良く分かる風景だと思う。
とても恐ろしいし、美しくて惚れ惚れもする。 これほど魅了される風景はそうそう無いだろう。


この付近からしばらく向かって左手方向(岐阜県側)に登山道が移動する。
切れ落ちて傾斜している場所が有るので、くれぐれも慎重に行動しよう。
相変わらず踏み跡が薄いので、白のペンキのマーカーを見落とさないように。
目の前のマーカーだけではなく、二つ三つ先のマーカーも確認しておくと迷いにくいぞ!


目の前に凄まじい絶壁が見えて来て不安になるが、登山道は流石にあそこは通過しない。
あそこを通過するのはクライミングの人達だろう。
実際の登山道は右の方を通過するが、決して易しい地形という訳では無いので気を抜くなよ!

後ろを振り返ると、出発地である涸沢岳を始め、奥穂高岳やジャンダルムなどが一望できる。
とても荒々しいが、それ故に美しい。 これこそが穂高連峰の魅力なのだろう。
是非とも晴天の日に堪能して欲しい絶景だ。


個人的に穂高連峰で最も美しい山だと思うのが前穂高岳だ。
この位置からは、特徴的なギザギザの尾根がよく見える。
あれらの突起は「5峰」や「8峰」などの名前が付けられているようだ。

眼下の涸沢カールには早くも色とりどりのテントが設営されているようだ。
あそこを拠点にして奥穂高岳や北穂高岳に登ってくる人も多いことだろう。

涸沢岳から大きく下った後、最低コルを境に登りに転じたため、そろそろ槍ヶ岳の姿も見える様になった。
うーむ、まだまだ遥か遠くだな。 あそこに着くのはまだ6時間後くらいだろうか。


この付近は展望が素晴らしいのだが、一方で地形も非常に険しい。
相変わらず踏み跡が不明瞭なので、白ペンキを常に意識してしっかりと歩こう。
特に「×」のマーカーに注意せよ!
これは進入禁止だけでは無く「浮石」を示している場合が有る。
×印の岩を踏むとグラリと動いて大変な事になるかもしれないぞ!


先ほど見えた巨大な断崖絶壁だが、ご覧の通り登山道は長野側の基部を通過している。
この時は雪渓が良い感じに溶けていた。(小屋のスタッフが除雪したのかもしれない)
しかし、時期によっては雪渓の上を通過する場合も有るだろう。
アイゼン無しで通過してうっかり転倒すると、遥か下までノンストップで滑落する羽目になる。
面倒でもアイゼンを装着して慎重に通過しよう!
穂高連峰の空を優雅に飛行する東邦航空のヘリ


「ムッ!」 ローター音がするかと思ったら、またしてもヘリコプターが飛んできた。
大きな荷物を吊り下げている事から、これも荷揚げのヘリらしい。 目的地は北穂高小屋だろう。
どうやら穂高岳山荘へ荷揚げしていたヘリと同一の機体のようだ。

機体の下面には「JA6573」という機体番号が書かれている。
この番号は東邦航空所属の物で、メーカーはフランスのエアロスパシアル。(現在はエアバス)
機首は「AS350」らしい。
これは荷揚げ後に帰投する際の様子で、機体の下には大量のドラム缶や空き缶などを吊り下げている。
ヘリが登山道上空を通過する際、安全のため登山道が一時的に封鎖される場合が有る。
付近の山小屋スタッフが誘導に当たるので、彼らの指示に従って通過するのを待とう。





北穂高岳付近からの絶景を堪能しよう

涸沢岳を出発してから大体2時間ほどが経過した。
この辺まで来れば既に核心部は終わっており、後は比較的穏やかな地形となる。
しかし、こういった時に遭難事故は起きやすい。
疲労も蓄積してくる頃なので、気合いを入れ直して進むべし!

標高が上がってきた事もあり、この付近は特に展望が良好だ。
西の方角に見えるのは岐阜の名峰「笠ヶ岳(かさがたけ・2898m)」だ。
文字通り傘のような綺麗な三角形をしており、頂上直下に見える地層のような模様が特徴的だ。

北の方には黒部五郎岳や薬師岳などの姿も見える。
あの付近は富山県に位置し、山域で言えば立山連峰になる。

そして東側には「常念岳(じょうねんだけ・2857m)」が聳えている。
これまた美しい三角形をした名峰だ。


穂高連峰は非常に険しい山々が集まっているが、特に奥穂高岳やジャンダルム、そしてここ北穂高岳付近が際立っている。
見てくれこの断崖絶壁を。 もはや垂直である。
クライマーの人達はこういった場所を登るのだろうか? 私には縁の無い世界ですな。


登山道横に聳える特徴的な岩峰だが、まるで巨大な尖塔の様だ。
北穂高岳は双耳峰なのだが、もしかしてこれが南峰だろうか?
北穂分岐を通過して北穂高岳の頂上・北穂高小屋へ

先ほどの看板から少し進むと「北穂分岐」に到着し、涸沢カールから登ってくるルートと合流する。
ここから涸沢カールまではコースタイムで約90分程だ。
ただし、傾斜がキツい上に梯子場や鎖場もある為、特に下る際は事故に注意して欲しい。

分岐の直ぐ先には北穂高小屋が管理するキャンプ指定地が有る。
このキャンプ地は小屋から遠いため、受付や買い物、トイレなどがとても大変だ。
特に日が落ちてから小屋に行くのは危険なため、利用するなら明るいうちに用事を済ませておこう。


基本的に整地されているが、中には石の上にテントを張る場所も有る。
こんな所にテントを張ると痛くて寝られ無さそうだ。
この場所を利用する際はグランドシートは必須だろう。
北穂高岳の山頂と大キレット

北穂分岐からひと登りすると、ついに「北穂高岳(きたほたかだけ・3106m)」に到着。
名前の通り、穂高連峰の主要峰のなかでは最も北に位置する山で、標高も高い。
頂上は比較的広々としていて、槍ヶ岳などよりは自由に動き回ることが出来る。
展望も最高なのでゆっくり堪能していこう。


直ぐ北側は稜線が大きく切れ落ちているが、ここがかの有名な「大キレット」である。
大きく登り返すと南岳で、後は槍ヶ岳まで三千メートル級の稜線が続いている。

目指す槍ヶ岳はまだはるか彼方だが、それでも確実に近づいてきた。
相変わらず天気は最高で、オッサンのテンションもまた最高である。


眼下に見えるのは北アルプス屈指の難所として知られる大キレットだ。
これまたとても人が歩ける様には見えないが、もちろんここに正規の登山道が有る。
難所は北穂寄りの手前半分に集中しているので、先ほど通ってきた区間よりは楽と言えるかもしれない。

北穂高岳の山頂直下に有るのが「北穂高小屋」だ。
向かって右奥へ進むと大キレットへのルートが有る。
穂高連峰と槍ヶ岳を結ぶ重要な位置に有り、大キレットの通過前後にお世話になる人も多いだろう。
標高三千メートルを超える日本有数の高所に有り、テラスからの展望も抜群である。

ちなみに、北穂高小屋はこの様な場所に建っている。
立地の凄まじさで言えば、間違い無く日本有数だろう。
どうやってあんな場所に建築し、そしてそれを維持しているのか?
人間の力って凄いよね!
なお、大キレットへのコースは小屋からほぼ真下に下っており、そこから右の方へ進む。
あんな断崖絶壁を下るなんて・・・ 外から見ると恐ろしいな!
涸沢岳から北穂高岳までの稜線を終えて
穂高連峰から槍ヶ岳までを縦走する今回の旅。
まずは「涸沢岳~北穂高岳」までの区間をお届けした。
前述の様にこの区間にはこれといった名称が無い。
次の区間である「北穂高岳~南岳」は抜群の知名度を誇る「大キレット」という名称が有るため、それに比べると地味と言える。
しかし、全体的な地形の難易度は大キレットと同等以上であり、北アルプス有数の難所である。
知名度が低いために初心者がうっかり足を踏み入れると大変な事になるだろう。
大キレットを含め、このエリアに挑戦するなら他の岩稜地帯で十分に経験を積み、体力や装備を万全にして挑んで欲しい。
踏破した際の達成感は最高だし、展望もまた最高だぞ!



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