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【北アルプス・立山連峰】室堂から薬師岳を目指す縦走・第4日目

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薬師岳山荘から折立登山口に下る、立山連峰縦走の4日目(最終日)


三泊四日にわたる立山連峰の縦走も本日が最終日。

この日は折立登山口へ下山し、そこから路線バスに乗って富山駅へ移動する予定になっている。
基本的に下るだけで比較的楽だし、道中で立ち寄るような場所も無い。

午前五時過ぎに薬師岳山荘で最後の食事を取り、いざ出発!
天候は曇りだが、この様子ならなんとかもってくれそうだ。



薬師岳山荘は標高2700も有るので、出発してしばらくは森林限界上の開けた道が続く。
多少ざれている場所は有るが、木道も有って基本的には歩きやすい。

まずは最初の目標である薬師峠を目指して前進だ!



薬師岳山荘から30分程下ると、にわかに傾斜がキツくなり、地面もガレてきて歩きにくくなる。
この辺りがこの区間の核心部と言えるだろう。

遠くに見える穏やかな地形が太郎兵衛平だ。
各地へ向かう登山道が交わる要所であり、太郎平小屋も見える。


あそこにある山小屋は「太郎平小屋」だが、場所自体は「太郎兵衛平」と言うらしい。
なんだかややこしいですな。




さらに下ると周囲が樹林帯になり、地形もますます険しくなる。
道はかなりガレているが、もしかしたら涸れ沢なのかもしれない。


地図には「迷」マークも書いてあるが、間違ってへんな場所に入り込まないようにしよう。



険しい場所を過ぎると地形が穏やかな開けた場所に出るのだが、ここが「薬師峠」だ。
ここには「薬師峠キャンプ場(太郎平キャンプ場)」が有る。

太郎平小屋にも薬師岳山荘にもキャンプ場が無いので、テント泊の人はここに泊まる事になる。
どちらの小屋もともにここから離れているので、買い物などは先に済ませておこう。

管理している太郎平小屋からは離れているが、シーズン中は敷地内の管理棟でテント泊の受付を行っており、ビール等の購入も出来る。
ただし、稼働しない日も有るようなので、その際は管理を受け持っている太郎平小屋で受付しよう。

2025年は熊の出没により、薬師峠キャンプ場は臨時閉鎖された。
来年以降の運営に関しては随時確認する事。




峠という事で周囲を山に囲まれているが、開けていて展望自体は悪くない。
また、地面の状況も良好で、テントは張りやすいと言えるだろう。

トイレや水場も有るが、稼働状況は必ず事前に確認しておこう。




薬師峠のキャンプ場を過ぎると、後は太郎兵衛平までは穏やかな地形が続く。
傾斜は緩やか、開けていて展望も良く、実に気持ちよい!


主要登山道が交わる太郎兵衛平


薬師峠キャンプ場から15分程で太郎兵衛平に到着。
ここにあるのが「太郎平小屋」だ。

人気の山域へ向かう登山道が交わる場所だけに利用客は多く、シーズン中には夏山診療所が開設され、山岳警備隊も常駐しているらしい。

薬師岳方面から来た場合、向かって右手に曲がると折立登山口方面、直進すると黒部五郎岳方面、左へ行くと薬師沢を経て雲ノ平方面である。
ここは登山道が交わるジャンクションみたいな場所という訳だ。


2025年は薬師峠キャンプ場の閉鎖に伴い、ここ太郎兵衛平でテント泊が可能だったらしい。
もちろん臨時的な措置であり、基本的にこの場所ではテント泊は出来ない。




太郎兵衛平も標高2000mを越えており、周囲は開けているので展望は抜群だ。
時間に余裕が有れば、近隣に有る太郎山に足を伸ばすとさらに素晴らしい展望が楽しめる。



太郎兵衛平からは登山道が四方に分岐しているが、厳密に言うと十字路になっている訳では無い。
折立登山口方面から見ると、右に曲がった先で黒部五郎岳と雲ノ平方面への道が分岐している。


太郎平小屋を後にし、折立登山口方面へ


当初の予定では黒部五郎岳か雲ノ平方面へ足を伸ばし、新穂高温泉か上高地へ下山する事も考えていた。
しかし、残念ながら本日以降は天気が崩れる予報だったので、名残惜しいが折立登山口方面へ下山だ!


ここから先は当面の間は開けた道が続く。展望は良いし、道も明瞭なので実に気持ちよく歩ける。
天候は曇りだが、快適な登山道にオッサンの足取りは軽い。



この付近は木道などが整備されている上に、あちこちにベンチが有って休息もしやすい。
登山道と言うより、何か庭園の散歩道を歩いている様な感覚だ。

この付近で雨がパラついてきたが、幸いにも雨具を使用するほどでは無かった。
高曇りの状態なので展望も良く、オッサンの足取りは軽やかであった。



樹林帯に入るまではこの様な道が延々と続いている。
基本的に歩きやすいのだが、雨の影響か、地面が流出して歩きにくい場所も点在する。

どうやら補修工事が行われていたらしく、そこかしこに資材が置いてあった。
これだけの距離を整備するのにどれくらいの時間と予算が必要なのだろうか?




延々と続く階段は丹沢山地の大倉尾根を彷彿とさせる。
そう言えば丹沢には久しく行っていないな。 地獄の階段でヒィヒィ言っていた頃が懐かしい。

私が本格的に登山を始めた頃、毎週のように通ったのが丹沢山地である。

大倉尾根や表尾根を十分な余裕を持って登れる様になった頃にはすっかり鍛えられ、おかげで大抵のアップダウンではへこたれない体になった。




途中にはベンチが点在しているのだが、ここもその一つだろうか?

ベンチにしては低すぎて座りにくいのだが、土が流入して埋まったのだろうか?




前述の様にこの付近はあちこちにベンチが有るのだが、一箇所当たりに設置されているベンチの数もこれまた多い。
それだけたくさんの人が訪れるという事なのだろう。




途中、左手に謎のポールを発見!
まるでドイツ国旗の様なストライプ模様だが、これは一体何なのだ?

知る人ぞ知るオーパーツ・・・ではないだろうが、謎である。



森林限界を過ぎて樹林帯に入ると傾斜がキツくなり、地面が流出していて歩きにくい場所が多くなる。
途中には90度に折れた倒木も・・・ 台風か何かで折れたのだろうか?

樹林帯に入ると折立登山口までは約1時間ほどだ。
地面がえぐれて歩きにくい場所も有るので慎重に進もう。



折立登山口から富山地方鉄道「有峰口駅」へ


薬師岳山荘を出発してから3時間半ほどで「折立登山口」へ到着。

樹林帯に入ってから少々歩きにくい場所も有ったが、全体的に見ると整備されていて展望も良く、概ね歩きやすいコースだったと思う。



ここ折立登山口には「折立ヒュッテ」が有る。
なかなか立派な建物だが、こちらは無人の休息所で宿泊は出来ない。

敷地内には「折立キャンプ場」も有るので、前泊地として活用しよう。
駐車場や水場も完備されているが、物販に関しては自販機程度しか無いので注意。



当初は昼過ぎの富山駅直通バスに乗る予定だったが、予想以上に早く下山できたので、9時台の有峰口駅行きのバスに乗ることに変更。
添乗員さんに予約の変更をしてもらい、無事に乗車できた。

折立登山口方面にアクセスするバスは本数が非常に少ない上に、曜日や期間によってダイヤも異なるので要注意。
どうやら登山シーズンのみの限定運行の様だ。

また、基本的に予約制になっているのでこちらも注意だ!
運行予定日や時間に関しては公式サイトなどで確認しておくこと。







折立登山口から約50分で富山地方鉄道「有峰口駅」に到着。


駅周辺の道路は非常に狭くて入り組んでおり、大型車でのアクセスは非常に大変そうだった。
しかし、華麗なテクニックでピシャリと駅正面に停車! プロのなせる技ですな。

感動したので運転手さんとしばし雑談をさせて貰ったのだが、運転手さん曰く「いや~、慣れるとどうって事ないですよ!」との事。
大変な事を当たり前の様に成し遂げる。 これぞプロである。



有峰口駅はレトロ感溢れる古い駅で、どことなく銚子電鉄を彷彿とさせる。
この古めかしい感じ・・・とてもイイネ! 




暫く待つと、立山駅の方から電車が到着。
これまた古めかしい感じで、昔の西鉄っぽい雰囲気の車両だ。


別の鉄道会社の車両が引退後に他社に譲渡され、第二の人生を送るというのはよく有る話しである。
この車両もどこかの鉄道会社から譲り受けた物なのかもしれないな。

富山地方鉄道は少子化や物価の高騰などを受け、現在経営状況が良くないらしい。
その流れで立山や宇奈月温泉方面への路線が一部廃止になるという話しが出ている。

我々利用者としては、多少の値上げは受け入れるので、なんとか存続して欲しいものだ。



立山連峰・薬師岳縦走の旅を振り返って

こうして三泊四日にわたる立山連峰・薬師岳縦走の旅は終わりを告げた。

最終日こそ少し天気が崩れたが雨具を使用するほどではなかったのは幸運だった。
この日以降も晴れが続くようなら雲ノ平か黒部五郎岳方面へ足を伸ばすことも考えていたが、それは次の機会へ持ち越すとしよう。

その他の三日間、特に核心部だった二日目と三日目が快晴だった事は狙い通り!
最高の秋晴れの中、実に楽しい縦走を楽しむことが出来た。

今回歩いた室堂から折立登山口に至るルートは非常に長く、またアップダウンが多くて体力の消耗も激しい。

今回は五色ヶ原山荘と薬師岳山荘に計二泊する日程で歩いたが、体力に自信が無い人、或いはもっと景色を堪能しながらゆっくり歩きたい人は、途中のスゴ乗越小屋での宿泊も検討してみよう。

ただし、そうなると日程がさらに長くなるので、天気との兼ね合いで日程の調整が大変そうだ。
また、スゴ乗越小屋は他の小屋よりも営業期間が短いので注意しよう。




五色ヶ原山荘で知り合った台湾の彼とはすっかり意気投合し、結局最終日の富山駅まで行動を共にする事になった。

台湾に来ることが有ったら玉山を案内するよ!

こうなったら台湾遠征して玉山に登るしか無いな!
また会いましょう!

登山の楽しみ方は人それぞれ色々有ると思う。
苦労の末に頂に立つ喜び、素晴らしい展望、山小屋での食事・・・

個人的にはそれらと並んで「人との出合い」も楽しみの一つだ。
「山が好き」という共通の趣味を持った人との一期一会の交流。

あなたも是非山に行って楽しんで欲しい!




【北アルプス・立山連峰】室堂から薬師岳を目指す縦走・第3日目
立山連峰縦走も三日目。今回の旅では本日が最も長く、そして最も厳しい一日となる予定だ。スゴ峠を経由して名峰・薬師岳の頂に立ち、薬師岳山荘を目指す旅が、今始まる!



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