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大崩山イメージ

大崩山は美しい自然と高難易度のルートが待ち受ける、九州随一の名峰・秘境!

「大崩山(おおくえやま)」とは、九州の宮崎県に有る山で、標高は1644m山です。
山の全域が祖母傾国定公園に含まれ、日本二百名山やユネスコエコパークにも指定されています。

難易度の高い山として有名ですが、名前からして既に難しく、初見で「おおくえ」と読める人は少ないでしょう。
宮崎県には他にも「行縢(むかばき)」や「祝子(ほうり)」など、難解な地名が色々有ります。


素晴らしい名峰ですが難易度は高く、体力面に加えて高い技術力も必須です。

大崩山は日本アルプスや八ヶ岳などに属する山の多くよりも難易度が高く、それらよりも標高が低いからと侮っていると大変な目に遭います。

6~8時間程度を行動できる体力、岩場や梯子場等を確実にクリアできる技術と精神力が必要です。
特に深く切れ落ちている難所が続くため、高所が苦手な人は注意してください。


それらの難所を越えて得られる達成感と絶景を味わえば、必ずや大崩山の虜になることでしょう。
私は八ヶ岳連峰や日本アルプス等も経験していますが、それらと比べても全く引けを取らない、全国レベルの名峰だと確信しました。

オススメの山を全国から選べと言われたら、間違いなく大崩山をその一つに加えますね。
九州遠征してでも登る価値はアリ! そう思う名峰です。

魅力的で高難易度の大崩山を満喫するためには、事前に詳細な情報を得ることが何より重要です。
ここでは、実際に登った者にしか分からない、豊富で有用な情報をお届けします。


動画には巨大な花崗岩が出てきますが、あの上も登山道の一部という事実!


  • 最終更新日:2018年12月
  • 私個人が収集した情報を公開しており、内容の正確性は保証しません。
  • 無断転載・改変(リライト)等は厳禁。 判明した場合は対処します。


九州屈指の大自然! 大崩山を彩る圧倒的な巨岩・美しい渓谷・豊富な植物

大崩山は標高1700m弱の林限界以下の山ですが、絶景ポイントが豊富に有り、頂上付近では九州内の山々も見渡せるため、展望を大いに楽しむことができます。

祖母山や傾山、お隣大分県の九重連山など、遠方の展望も楽しめますが、遠くの景色よりも、大崩山その物の景観が何より素晴らしい!

豊かな自然と圧倒的な巨岩が織りなす素晴らしい展望が味わえます。
難所を越えた先に有る絶景と自然の美しさは、全国レベルの名峰と断言できます。

地形的にも体力的にも難易度は高いですが、それ故に歯応えと達成感も格別でしょう。
難所に挑む歯応えを求める人、渓流の風景が好きな人などにお勧めです。

ここでは、大崩山の代表的な景観をご紹介します。


小積ダキ。 湧塚群。

*画像クリックで拡大。

大崩山を象徴する名所は多数有りますが、中でも有名なのはこの二箇所。
ガイドブックや九州の山々を紹介する文献などで良く出てくる風景ですね。

左は「小積ダキ」、右は「湧塚」と呼ばれる花崗岩の巨岩群です。
いずれも数百メートル切れ落ちている大絶壁で、目がくらみそうな絶景です。

大崩山の最大の特徴は「絶景を眺めて終わりでは無く、そこがルートに組み込まれている」という点で、絶景を遠くから眺めた後は、今度はその場所から景色を眺めるという訳です。

なお、道中の看板には「小積ダキ」などの固有名詞が書かれてあるので、
それらが何を意味するかは事前に確認しておいてください。 道を間違う可能性が有ります。

  • この二箇所は有名なので、実際に目の当たりにした時は感動します。

七日廻り岩。 和久塚と小積ダキ。
湧塚尾根。 大迫力の小積ダキ。

*画像クリックで拡大。

大崩山には様々な名所が有りますが、やはり最大の見所は各所に点在する巨岩でしょう。

大きさが数十~数百メートルも有る花崗岩の巨岩を目の当たりにすれば、自然がいかに雄大で美しい物であるかを知る事ができると思います。

よく「人間なんてちっぽけな存在だ」という表現が使われますが、それを実体験できるのが大崩山ですね。 とにかく巨大で雄大、見る者を圧倒するスケールです。

  • ここまで雄大な巨岩が堪能できる山はそうそう無いですよ。

モチダ谷出合いの滝。 モチダ谷出合いの滝。
モチダ谷出合いの滝。 モチダ谷最初の大滝。

*画像クリックで拡大。

大崩山というと険しい岩場の絶景が有名ですが、一方で美しい渓谷や滝も見事です。

登山口付近を流れる祝子川は巨岩が転がる荒々しい川ですが、ある程度奥に入ると一転して浅くなだらかな地形となり、そこに点在する滝の数々が実に見事!
「ナメ」と呼ばれる平らな川底も見事で、渓流靴を履いて沢の中を歩くことも可能です。

大崩山には花崗岩の巨岩だけでなく、様々な魅力・楽しみ方が有るという訳です。

  • 巨岩と渓流、植物と氷瀑、実に豊富な魅力が詰まった山と言えます。

大崩山の豊かな植物。 大崩山の豊かな植物。
倒木とサルノコシカケ。 ツリガネタケ?
美しい樹林帯のトンネル。 大崩山頂上からの展望。

*画像クリックで拡大。

絶景が注目されがちな大崩山ですが、多彩な植物群も見所の一つ。
特に春にはリンドウやアケボノツツジなどが咲き乱れ、山の各所は美しく染まります。

紅葉の時期も素晴らしく、赤く染まった紅葉のトンネルをくぐってみては如何ですか?
標高がそこまで高くない山なので、紅葉の時期は10月~11月頃となっています。

また、頂上付近の展望所からは、祖母山・傾山・阿蘇山・九重連山などの名峰が一望可能!
特に空気が澄み渡る冬場がオススメです。(コースによっては凍結の注意有り。)

  • 冬期は氷瀑を求めて大崩山に来る人も居ます。

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主要コースからマイナーコースまで、大崩山を彩る豊富なコース

大崩山は地形や自然が多彩な山ですが、一方で登山道もたくさん有り、目的やスキルに応じて様々な楽しみ方が出来る山です。

多くの登山者が歩く人気のコースから、ほとんど人が立ち入らないマイナーコースまで色々有り、一度や二度では味わい尽くせない奥深い山と言えるでしょう。

このページでは主要各コースの概要を紹介していますので、気になるコースが有ったら各詳細ページをどうぞ! 実際に大崩山を歩き回った私が、多数の写真を交えて攻略情報をお届けします。


湧塚(和久塚)尾根コース

湧塚尾根コースの名所。 湧塚尾根コースの名所。
湧塚尾根コースの名所。 湧塚尾根コースの名所。

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「湧塚(わくづか)コース」は大崩山の主要コースの一つで、案内板や資料によっては「和久塚」と表記されることも有るので注意してください。

数あるコースの中では最も人気の有るコースの一つで、谷を挟んで併走する「坊主尾根コース」を組み合わせた周回ルートで登られることが多く、シーズン中は多くの登山者で賑わいます。

コースの大半は樹林帯の中ですが、絶景の大展望が堪能できる展望所が点在し、終始飽きること無く登る事が出来る楽しいコースです。


一方、標高差は1000mを越え、コース内は急登が多数。 しかもロープや梯子を駆使する場面が多く、体力的にも技術的にも難易度が高いコースでもあります。

一応難所を迂回するルートも有りますが、絶景ポイントの多くは難所を越えた先に有る為、大崩山を満喫するためには、これらの難所を越えていけるスキルが必要です。

コースの序盤には大規模な徒渉も有る為、雨期はもちろん、大雨の後などは注意が必要です。
橋の類は設置されていないので、くれぐれも無理はしないでください。

湧塚尾根コースと坊主尾根コースを登る際は、自身の体力・装備・経験を充実させることはもちろん、大崩山に精通した経験者と同行する事を強くオススメします。

また、万が一の事態に備えるため、このコースではヘルメットの着用を推奨します。


湧塚尾根コースの概要(祝子川登山口~頂上往復)

  • 累積標高差:約1130m(片道)
  • 歩行距離:約10km
  • コースタイムの目安:約8時間
  • オススメシーズン:春や秋(冬は凍結、盛夏は暑さに注意)
  • 難易度:★★★★★

坊主尾根コース

坊主尾根コースの名所。 坊主尾根コースの名所。
坊主尾根コースの名所。 坊主尾根コースの名所。

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小積谷を挟んで前述の湧塚尾根と併走するのが「坊主尾根コース」です。

大崩山では湧塚尾根コースと並んで人気があり、祝子川登山口を起点とし、この両コースを結んで周回するプランが最も人気があります。

どちらを登りに使っても良いですが、一般的には登りに湧塚尾根コースを、下りに坊主尾根コースを使う人が多いようですね。

なお、登山口から大崩山荘までの区間は湧塚尾根コースや三里河原コースと共用になっています。


湧塚尾根コースと同様に坊主尾根コースも難所が多く、ロープや梯子が数十箇所も有り、さらに大規模な徒渉とトラバース地点も有るなど、総合的な難易度はこちらの方が高いです。

湧塚尾根コースは難所の湧塚群を迂回するルートが有りますが、坊主尾根コースには基本的に迂回路は無く、そういった意味でも、このコースは大崩山の中で最も難易度が高いルートだと言えます。

坊主尾根コースでもヘルメットの着用を推奨します。 グローブも必須ですね。
また、悪天候時やその直後には増水に注意してください。


坊主尾根コースの概要(祝子川登山口~頂上往復)

  • 累積標高差:約1130m(片道)
  • 歩行距離:約10km
  • コースタイムの目安:約8時間
  • オススメシーズン:春・秋(冬は凍結、盛夏は暑さに注意)
  • 難易度:★★★★★

宇土内谷コース

宇土内谷コースの名所。 宇土内谷コースの名所。
宇土内谷コースの名所。 宇土内谷コースの名所。

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大崩山のコースの大半は祝子川登山口を起点としていますが、全く異なる宇土内谷登山口を起点とするのが「宇土内谷(うどうちたに)コース」です。

「上鹿川(かみししがわ)コース」と呼ばれる事も有りますが、バリエーションルートである「鹿川越コース」とは無関係なので注意してください。

大崩山の名物である岩場の絶景や渓谷などは無く、歯応えや展望の面では見所が有りません。

しかし、距離が短く難所も無いため、登りでも二時間程度で登頂可能で、春にはツツジが登山道を彩り、近隣の鹿納山を絡めた縦走も楽しめるなど、このコースならではの魅力が有ります。


コース自体には難所が無く、登山の経験が浅い人でも十分登る事が出来ますが、登山口までが非常に遠いという点が問題です。

最寄りの主要都市である延岡市の市街地から車で二時間ほどかかり、後半は荒れた林道が続くので、対向車とのすれ違いはもちろん、落石や凍結などにも注意してください。


宇土内谷コースの概要(宇土内谷登山口~頂上往復)

  • 累積標高差:約650m(片道)
  • 歩行距離:約6.5km
  • コースタイムの目安:約4時間
  • オススメシーズン:春・秋・冬(盛夏は暑さに注意)
  • 難易度:★☆☆☆☆

三里河原コース

三里河原コースの名所。 三里河原コースの名所。
三里河原コースの名所。 三里河原コースの名所。

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危険な難所が続く湧塚尾根・坊主尾根両コースとは事なり、一転して穏やかな渓谷沿いの山歩きが楽しめるのが「三里河原コース」です。

渓谷が「三里(約12km)ほど続いていそうだ」というのが三里河原の由来だそうですね。

登山口付近では荒々しかった祝子川が、三里河原付近では一転して穏やかで浅い渓流となり、「なめ」と呼ばれる美しい地形が堪能できます。

渓流のあちこちに点在する滝も見事で、渓流靴が有れば川底を歩くことも可能です。


三里河原自体には難所は有りませんが、大崩山荘の分岐から三里側の入り口まの間に梯子やトラバースなどの難所が有るため、決して簡単なコースとは言えません。

また、コースの奥まで行くと湧塚尾根コース等と同じくらいの時間が必要なので、早立ちはもちろんのこと、何処で引き返すかを事前に決めておきましょう。


三里河原コースの概要(祝子川登山口~権七小屋谷出合往復)

  • 累積標高差:約800m(片道)
  • 歩行距離:約11.5km
  • コースタイムの目安:約7~8時間
  • オススメシーズン:春・秋・冬(冬は凍結、盛夏は暑さに注意)
  • 難易度:★★★☆☆

モチダ谷コース

モチダ谷コースの名所。 モチダ谷コースの名所。
モチダ谷コースの名所。 モチダ谷コースの名所。

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「モチダ谷コース」は三里河原コースの途中から分岐しているルートで、登山口からは直接アクセスすることは出来ません。

大崩山の中ではマイナーコースに属しますが、コース内に難所は特に無く、登山道も比較的明瞭なので、主要コースを踏破した人がさらに大崩山を堪能したいという場合にオススメです。

このコースの最大の魅力は三箇所に有る滝で、落差30mの滝から滑り台の様な小さな滝まで、個性豊かな大小の滝が楽しめます。

コース途中の分岐点を活用すれば柔軟なプランを組めますが、個人的にオススメなのは名物「七日廻り岩」の基部を通るコースです。

「七日廻り岩」は上湧塚の頂上から北西の方向に見える巨岩で、その巨大な基部を目の当たりにすれば、大崩山の雄大な自然を堪能できることでしょう。


モチダ谷コース自体には難所は有りませんが、このコースを歩くと言う事は下山までに要する時間も相応に長くなるので、時間や体力の配分には注意してください。

特に夏場は水の消費が激しいため、手持ちの水の量は常に確認を!


モチダ谷コースの概要(モチダ谷出合い~縦走路まで)

  • 累積標高差:約600m(片道)
  • 歩行距離:約3.5km(七日廻り岩経由は約2.3km)
  • コースタイムの目安:約2時間20分
  • オススメシーズン:春や秋(盛夏は暑さに注意)
  • 難易度:★★☆☆☆

二枚ダキコース

二枚ダキコースの名所。 二枚ダキコースの名所。
二枚ダキコースの名所。 二枚ダキコースの名所。

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大崩山に複数有るコースの中で、かなりマイナーな部類に入るのが「二枚ダキコース」です。

祝子川登山口からさらに林道を奥に入った場所に登山口が有るのですが、そこに至る林道は朽ち果てており、登山を開始する前から既に大冒険が始まっているという有様!
しかし、朽ち果てた林道には得も言われぬ魅力があり、廃林道マニアにはたまらない場所です。

肝心の登山口は非常に分かりにくく、登山道も迷いやすい樹林帯、歩きにくいガレ場や急登など、全く油断できない歯応えの有るコースとなっています。


二枚ダキコースには坊主尾根コース等の様な難所は有りませんが、人がほとんど入らないコースなので、道迷いや万が一のリスクが存在します。

二枚ダキコースに挑む際は、必ず事前にコースの概要と地形を確認しておきましょう。
このコースも大崩山に精通したベテランと同行する事が望ましいです。

また、林道の奥までは車で入れないので、往復2時間程度林道を歩く事になります。


二枚ダキコースの概要(祝子川登山口~頂上往復)

  • 累積標高差:約1000m(祝子川登山口から・片道)
  • 歩行距離:約12.6km(林道は約8km)
  • コースタイムの目安:約6時間(林道往復2時間を含む)
  • オススメシーズン:春や秋(盛夏は暑さや笹藪に注意)
  • 難易度:★★★☆☆

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大崩山における登山道の整備状況を知っておこう

大崩山はズバリ「初見殺し」の山で、碌に情報収集せずに入山すると、コースを間違ったり、体力や時間が尽き果てて遭難しかねない難易度の高い山です。

また、市販の地図は情報が不足しており、頼り切ってしまうのは問題があります。
地図によっては細かい迂回路やマイナールートが記載されていない点に注意してください。

例えば「山と高原地図」では「祖母・傾・大崩山」に収録されていますが、残念ながら大崩山に関しては情報が不足しており、特に多数有る細かい分岐に関する情報が足りません。
個人的には大崩山だけで一冊に纏めて欲しい位ですね。

もちろん地図は必携ですが、不足分を他の媒体で補う必要があります。
頂上へ向かう予定なのに三里河原方面へ進んだり、最大の目玉とも言える和久塚や小積ダキなどの展望所を見落とす人が多いようです。

まずはコース上に設置してある案内板に関して解説しましょう。


ルート上の各種案内板の整備状況

大崩山の案内板。 大崩山の案内板。

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大崩山にはコースや分岐が多数存在し、その付近には案内板が設置されていますが、その内容はコースや場所によってまちまちです。

この二つは祝子川登山口と山頂を結ぶ「坊主尾根コース」と「湧塚尾根コース」の途上に設置されている案内板で、大きくて視認しやすく、見落とすことはまずありません。

この両コースは大崩山で最も人気の有るコースなので、登山道の整備状況は一番良好です。


大崩山の案内板。 大崩山の案内板。

*画像クリックで拡大。

こちらの二つは「宇土内谷コース」と「三里河原コース」に設置されている案内板です。
この両コースは坊主・湧塚コースに次ぐ人気のコースなので、整備状況もそれに準じています。

先ほどの案内板とはタイプが異なりますが、同様に視認しやすいため、普通に歩いている限りはまず見落とす事は無いでしょう。


大崩山の案内板。 大崩山の案内板。

*画像クリックで拡大。

左は三里河原コースの途上に有る案内板ですが、先ほどの物と比べると随分と簡素な作りです。

三里河原コースはかなり奥深いので、進むに従って踏み跡が不明瞭になり、案内板も奥の方までは整備されていません。

右の物は二枚ダキコースへ続く林道に設置されている案内板で、やはり簡素な作りです。

奥深い場所やマイナーコースにはほとんど人が入らないため踏み跡が薄く、明瞭な目印が設置されているわけでは無いという点に留意してください。

  • 朽ち果てていて自然に溶け込んでいる看板も有るので要注意。

多彩な色が使われている目印のテープ

大崩山のテープ。 大崩山のテープ。
大崩山のテープ。 大崩山のテープ。
大崩山の目印。 大崩山の目印。

*画像クリックで拡大。

登山道の目印と言えば、看板よりもテープの方が数が多くてお馴染みの存在ですね。
大崩山でも各コースに多数のテープが設置されています。

近年はピンクが主流となりつつ有る様ですが、特に統一されているわけでは無く、赤・白・黄色・青・ピンクなど、多彩な色が使用されています。

なので、例えば「テープはピンク」と言う様に思い込んでいると、他の色のテープを見落とすかもしれません。 特定の色にとらわれないようにしましょう。

赤色のテープは自然に溶け込むと非常に視認しづらく、汚れた白テープも同様なので注意!

また、テープだけでは無く、岩や樹木などに塗料でペイントされた目印や、登山ではお馴染みの石を積み上げたケルンも存在します。

  • 目立つはずの赤色は、樹林帯では一転して地味な色に!

種類や強度にばらつきがある梯子やロープ

案内板に続き、梯子やロープなどの整備状況をご紹介します。

大崩山は難所が非常に多いため、安全に通過するために梯子などが設置されていますが、それらの整備状況は場所によってまちまちです。

非常に頑丈な作りの物が有る一方で、いかにも頼りない不安定な物も有るので、いずれの場合でも、取り付く前に安全かどうかをしっかり確認しましょう。


大崩山の整備状況。 大崩山の整備状況。
大崩山の整備状況。 大崩山の整備状況。

*画像クリックで拡大。

これらは湧塚尾根・坊主尾根・三里河原各コースに設置されている梯子や橋の様子です。

これらの梯子や橋はアルミ等の鋼鉄で出来ており、岩にボルト等で直接固定されていて非常に頑丈で安定しています。


大崩山の整備状況。 大崩山の整備状況。
大崩山の整備状況。 大崩山の整備状況。

*画像クリックで拡大。

一方、これらのロープや木橋も同じコース上に設置されている物です。

最低限の強度は有りますが、先ほどのボルトで固定された鋼鉄製の物に比べると、やはり強度や安定性で劣るという点は否めません。

土台の部分が宙に浮いていて動く梯子や、今にも折れそうな細い木の枝を支柱にしているロープなど、強度や安定性に欠ける物も存在します。


この様に、大崩山のロープや梯子は、同じコースでも場所によって強度や安定性はまちまちです。
取り付く前には必ず状況を確認し、1人ずつ慎重に通過しましょう。

大崩山に限った事ではありませんが、間違っても複数人で同時に取り付いたりしないように!
最悪の場合、耐久度の限界を超えて崩壊する恐れが有ります。

  • 「梯子やロープは1人ずつ」これは登山における常識です。

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大崩山の技術的・体力的難易度を知っておこう

大崩山は総合的に難易度が高く、日本国内の山の中では間違いなく難しい部類に入ると思います。
登山初心者や体力の劣る人、高所が苦手な人やロープ・梯子場が苦手な人にとっては漏れなく高難易度の山と言えるでしょう。

また、細かい分岐や踏み跡が不明瞭な場所も存在するため、ベテランにとっても同様です。
可能ならば大崩山に精通した経験者とパーティーを組んで臨んでください。

祝子川登山口を起点とした主要各コース共に行程が6~8時間と長く、しかも急勾配などで体力の消耗も激しいので、健脚者向けと言えます。

丹沢の大倉尾根や北アルプスの合戦尾根を問題無く登れる程度の体力は欲しいですね。


私は八ヶ岳連峰の岩稜地帯や北アルプスの大キレット・剱岳の別山尾根ルートなども経験していますが、それらの経験を踏まえても、大崩山は難しい山だと感じます。

総合的な難易度は大キレットや別山尾根ルートの方が上だとは思いますが、場所によってはそれらよりも危険な場合が有り、全く侮れない山という印象です。

ルート上には滑落したらまず助からないような場所がたくさんあり、例えば坊主尾根コースの「象岩トラバース」などは、個人的には剱岳の「カニのヨコバイ」よりも怖いですね。

標高はさほど高くない山ですが、難易度は下手な北アルプスの山よりも遥かに高いと言えます。
両神山・戸隠山・妙義山などに近いイメージかも知れませんね。

  • よく言われることですが、山の難易度は標高だけでは決まりません。

大崩山の難所の特徴

難所の梯子場。 難所の梯子場。
スラブの降下。 スラブの降下。

*画像クリックで拡大。

これらは大崩山のメジャーコース上に有る梯子場やロープ場の様子です。

最も人気のある「坊主尾根コース・湧塚尾根コース」を周回するプランの場合、写真の様な梯子場・ロープ場が何十箇所も出現し、まさしく息つく暇も有りません。

高所が苦手な人、三点支持の基本を理解できていない人は、そもそも来てはならない山です。

  • 自分の実力に見合った山・コースを選ぶのは登山の鉄則です。

大崩山のトラバース地点。 大崩山のトラバース地点。

*画像クリックで拡大。

大崩山は巨大な花崗岩で出来た山なので、あちこちにスラブのトラバース地点が存在します。

一応ロープやワイヤー等が設置されていますが、中には不安定な物も有り、なにより転落したら最悪の場合死んでしまうような危険な場所ばかりです。

三点支持の基本を守り、1人ずつ確実に通過する事が肝心です。

  • 一度に複数人で取り付くと、梯子やロープが崩壊するかもしれません。

危険なロープ場。 危険なロープ場。

*画像クリックで拡大。

左は「上湧塚」に登るルートで、見ての通りの急斜面をロープで登ります。
なお、ここへはルート上無理に登る必要は有りません。
しかし、絶景を堪能するためにはチャレンジする価値はあります。

右は坊主尾根に有る梯子とロープが連続する難所です。
ご覧のようにスラブには足場となる突起が全く無く、腕力とグリップをフル活用して突破します。

  • 大崩山は足だけで無く腕もフル活用するので、腕力も鍛えておきましょう。

大崩山の徒渉地点。 大崩山の徒渉地点。

*画像クリックで拡大。

大崩山は水が豊かな山なので、コースによっては大規模な徒渉が存在します。

基本的に橋は設置されておらず(過去には存在しましたが、台風で流された後は復旧していません)、自分で地形を見極めて通過する必要が有ります。

大雨で増水した場合は根本的に徒渉不可能になるので、気象状況の確認も必須です。

  • 増水していない限り、基本的に濡れずに徒渉可能です。

大崩山に備えてのトレーニングに最適な山はここだ!

大崩山が高難易度の山だという事は前述の通りですが、では、無事に登頂して下山するためにはどうすれば良いのか?

当たり前の話ですが、他の山などでトレーニングを積むことが一番です。
ここでは、個人的にオススメする山・コースをご紹介します。

体力を付けたいならば・・・

  • 丹沢・塔ノ岳:「大倉尾根」「表尾根」
  • 北アルプス:「合戦尾根」「小池新道」「ブナ立尾根」
  • 八ヶ岳連峰・赤岳:「真教寺尾根」「県界尾根」
  • 急登で知られるこれらのコースを余裕で踏破出来る体力があれば、大崩山にも余裕を持って挑むことが出来るでしょう。

梯子やロープのスキルを身に付けたいならば・・・

  • 八ヶ岳連峰・赤岳:「真教寺尾根」「県界尾根」
  • 八ヶ岳連峰:「権現岳 ~ 赤岳 ~ 横岳縦走コース」
  • 両神山:「八丁尾根」
  • 戸隠山
  • 赤岳の真教寺尾根・県界尾根は急登に加えて鎖場なども有る為、スキルアップにはもってこいのコースです。 赤岳周辺はトレーニングに好適な場所ですね。


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大崩山の主要登山口へのアクセス方法

大崩山は宮崎県延岡市に有り、宮崎県全体で見ると大分県・熊本県寄りの場所に位置します。
九州山地の奥深くに有り、市街地からは車で約1~2時間程かかります。

最寄りの集落までは宮崎交通の路線バスが有りますが便数が少なく、さらに終点から登山口までは徒歩で長く歩くので、現実的な選択肢とは言えません。
柔軟な日程を組める自家用車かレンタカーを利用するのが無難でしょう。

なお、大崩山には「祝子川登山口(ほうりがわ)」「宇土内谷登山口(うどうちたに)」という二つの主要な登山口が有り、ぞれぞれアクセス方法が全く異なるので注意してください。

  • 下山時に間違って違う登山口へ降りてしまわないように注意。

祝子川登山口へのアクセス方法

祝子川登山口付近の路駐。 祝子川登山口付近の路駐。

*画像クリックで拡大。

祝子川登山口付近の様子です。 ご覧のように駐車場は無く、路肩に路駐します。

ただし、シーズン中はかなり混雑し、場合によっては朝4時~5時の時点で一杯になります。
その場合は少し先に進み、橋を渡った先に有るスペースに駐車しましょう。

また、登山口の近くに緊急自動車用の転回スペースが有るので、絶対にそこには駐車しないように。


自動車でのアクセス

  • (1)東九州自動車道・九州中央自動車道「延岡インターチェンジ」で下車。
    (2)県道207号線を祝子川沿いに遡る。
  • (1)国道326号線(三国街道)を南下し、「道の駅宇目(うめ)」の先にある「下赤(しもあか)稲荷トンネル」の手前を右折。(右折して17km)
    (2)県道207号線に合流したら右折して登山口方面へ。
  • カーナビは「祝子川温泉」にセット。
  • 登山口周辺には駐車場・トイレは無し。(路駐スペースは有り)
  • 最寄りのトイレ・自販機:祝子川温泉
  • 登山口周辺には商業施設・トイレ・自販機は一切ありません。
    買い物は延岡市や高千穂町の市街地で。

祝子川登山口へ自家用車で行く場合、東九州自動車道の「延岡インター」で降りて、祝子川沿いに県道207号線をひたすらさかのぼってください。

途中で大きな廃校の横を過ぎますが、その直後にあるY字路を右へ進んでください。
このY字路に建つのが前泊に便利な「大崩の茶屋」です。

やがて「祝子川温泉・美人の湯」が見えて来ますので、そこから車で10分程で登山口に至ります。
なお、大崩山周辺に店舗は無いので、買い物は延岡市の市街地で済ませておきましょう。

延岡駅の周辺であれば、24時間営業のスーパー・コンビニ・ファミレスなどが有るので便利です。
(延岡市は非常に広いので、あまり郊外に行くと店舗はほとんど無いので注意。)


また、大分県の国道326号線沿いの「道の駅宇目」付近から分岐する林道からも行けます。
案内板が出ているので見落とさないようにしてください。

道は全線舗装されていますが、見通しの悪い狭い箇所が多いので注意しましょう。
通行止めの際は併走する「下赤祝子川林道」に迂回してください。


なお、カーナビをセットする場合ですが、もし「大崩山(おおくえやま)」で検索できない場合は「祝子川温泉(ほうりがわおんせん)」にセットしてください。

祝子川温泉に着いたら、道沿いにさらに10分程度進めば右手に登山口が現れます。


空路でのアクセス

  • (1)各空港より宮崎空港へ。
    (2)空港駅よりJR日豊本線で延岡駅へ。
    (3)レンタカーで移動。(以降は上記参照)
  • JR日豊本線の駅は宮崎空港に併設。
  • JR延岡駅の周囲に宿泊施設・レンタカー有り。
  • 登山口周辺には商業施設・トイレ・自販機は一切ありません。
    買い物は延岡市や高千穂町の市街地で。

関東や中部などの遠方から大崩山に行く場合、まずは空路で宮崎か大分まで移動しましょう。
これらの諸空港へは羽田空港や中部空港から主要航空会社が乗り入れていますが、中でもオススメなのがソラシドエアです。

ソラシドエア(スカイネットアジア航空)は九州エリアに強く、豊富に用意された宮崎線と大分線は、遠方から大崩山に行く際に非常に便利です。

空港にはJR日豊本線の駅が併設してあるので、そのまま乗り換えてJR延岡駅まで移動します。
延岡駅は特急停車駅なので活用してください。 特急は毎時1本設定されています。


祝子川登山口へのアクセスまとめ

  • 路線バスは本数が少ないので、自家用車かレンタカーをオススメします。
  • 東九州自動車道を利用する場合は延岡インターで降ります。
  • 降りた後は県道207号線をひたすら進みます。
  • カーナビは「大崩山」か「祝子川温泉」にセットしましょう。
  • 買い出しは延岡市の市街地で済ませておくこと。
  • 飛行機を利用する場合はソラシドエアが便利。
  • 登山口に駐車場は無いの林道脇に路駐してください。
  • ただし、シーズン中はかなり混雑するので要注意。

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宇土内谷登山口へのアクセス方法

鹿川渓谷入り口付近。 宇土内谷登山口付近。

*画像クリックで拡大。

登山口への目印となる「鹿川渓谷入り口」と、さらに先に有る宇土内谷登山口付近の様子です。

鹿川渓谷入り口が最期のトイレ・自販機となるので、必要ならここで済ませておきましょう。
鹿川越コースは超マイナールートなので、一般にはオススメできません。

登山口付近には駐車場が無いので路駐することになりますが、春と秋のシーズン中は混むことが有るので、なるべく早い時間に行動してください。


自動車でのアクセス

  • (1)東九州自動車道「延岡JCT」から九州中央自動車道(国道218号線)へ。
    (2)県道237号線・県道214号線を経由して比叡山林道へ。
  • (1)九州自動車道「御船IC」下車。
    (2)国道445号線・国道218号線を経由して高千穂方面へ。
    (3)県道237号線・県道214号線を経由して比叡山林道へ。
  • カーナビは「鹿川渓谷」にセット。
  • 登山口周辺には駐車場・トイレは無し。(路駐スペースは有り)
  • 最寄りのトイレ・自販機:鹿川渓谷入り口
  • 登山口周辺には商業施設・トイレ・自販機は一切ありません。
    買い物は延岡市や高千穂町の市街地で。

さて、宇土内谷登山口へのルートですが、どうやって行けば良いのか?
「宇土内谷」ではナビに出てこないでしょうし、「大崩山」だと祝子川登山口が出ると思います。

なので、ここは「鹿川渓谷(ししがわけいこく)」で検索して、まずはそこへ向かってください。
宇土内谷登山口は鹿川渓谷入り口からさらに道沿いに進んだ先に有ります。

「鹿川渓谷の奥」という意味では無く、「入り口をスルーして更に奥」という意味です。
鹿川渓谷(キャンプ場)の方に入っていかないように注意してください。

なお、登山口までの道は狭くて見通しが悪く、しかも未舗装区間も有るので注意してください。


宇土内谷登山口へのアクセスまとめ

  • 路線バスは無く、タクシーでも遠すぎます。自家用車かレンタカーで。
  • 東九州自動車道を利用する場合は延岡インターで降ります。
  • 九州自動車道を利用する場合は御船インターで降ります。
  • カーナビは「鹿川渓谷」にセット。
  • 買い出しは延岡市か高千穂町の市街地で済ませておくこと。

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大崩山周辺の宿泊施設・買い物の拠点

近隣には民宿「大崩の茶屋」「渓流荘」「祝子川キャンプ場」等が有ります。

以前は大崩の茶屋の近くに商店が有りましたが、現在は営業していません。
他は自販機程度しか無いので、買い物は必ず市街地で済ませておいてください。

食事は美人の湯に食堂が有る他、各民宿で翌日のお弁当を注文できるようです。

登山口から登山道を30分程進んだ場所に無人の山小屋「大崩山荘」が有ります。
数十人が宿泊可能な大きく立派な小屋で、トイレも有り。


祝子川温泉・美人の湯

祝子川温泉・美人の湯

(祝子川温泉・美人の湯)

祝子川登山口から車で10分程の場所に有るのが「祝子川温泉・美人の湯」です。
登山口へ向かう道路沿いに有るので分かりやすく、下山後の休息や入浴に大変好適!

スタッフは大崩山に精通しており、公式Facebookでは関連情報が発信される事も。
また、店内では私が知る限り最も詳細な大崩山の地図も販売しています。(定価200円)

入浴に立ち寄ったら、是非ともアドバイスを貰っておきましょう。


なお、第二駐車場の敷地を幕営場として開放しているとの情報も有ったのですが、2018年に公式Facebookに投稿された記事によると、駐車場内での幕営や前夜泊、及び駐車したまま登山に行くことは禁止との事です。

「車中泊のみ許可」との事らしいですが、詳細は必ず確認をしてください。

「祝子川温泉・美人の湯」の概要

  • 所在地:宮崎県延岡市北川町川内名10358-10
  • 交通機関:宮崎交通バス祝子川線「祝子川温泉」下車すぐ
  • 電話:0982-23-3080
  • 営業時間:10:00〜20:00(月〜水18:00まで、祝日・祝前日は20:00まで)
  • 定休日:木曜(祝日の場合は営業)
  • 入浴料:一般510円・小学生310円・小学生未満無料
  • 備考:食堂、売店、大崩山の地図を販売、遊漁券販売

民宿「大崩の茶屋」

祝子川温泉から数分ほど手前に位置するのが「民宿・大崩の茶屋」です。
家族経営の小さな宿ですが、地元産の食材を使用した料理や良心的な価格などが魅力的です。

一泊二食付きで5000円と大変お手頃価格ですが、さらに祝子川温泉・美人の湯の入浴券も付いており、弁当も300円で注文可能!(最新価格は要確認)

民宿から登山口までの送迎も有るらしいので、詳細は現地に確認してください。

地元の人が営む宿なので、当然ながら大崩山にも精通されている様です。
宿泊した際に色々アドバイスをして貰えることでしょう。

民宿「大崩の茶屋」の概要

  • 所在地:宮崎県延岡市北川町川内名10506
  • 交通機関:宮崎交通バス祝子川線「上祝子」下車すぐ
  • 電話:0982-20-1161
  • 定休日:現地に要確認
  • 料金:一泊二食5000円(美人の湯入浴券付き)、弁当300円
  • 備考:大部屋20名、小部屋6名の2部屋

民宿「祝子川渓流荘(ほうりがわけいりゅうそう)」

祝子川温泉からさらに10分程度歩いた場所に有るのが、民宿「祝子川渓流荘」です。
道路から左手にやや下った場所に有り、二箇所有る入り口に看板が出ています。

遠方から来た人を中心に、前泊・後泊の宿として宿泊している様ですが、公式サイトなどが見当たらなかったので、詳細は直接現地に確認してください。

大崩山周辺の一般宿泊施設としては、最も登山口に近い位置に有ります。

民宿「祝子川渓流荘」の概要

  • 所在地:宮崎県延岡市北川町川内名10377
  • 交通機関:宮崎交通バス祝子川線「祝子川温泉」下車徒歩約10分
  • 電話:0982-20-1027
  • 定休日:現地に要確認
  • 料金:現地に要確認
  • 備考:現地に要確認

山小屋「大崩山荘」

大崩山荘の外観。 大崩山荘の内部。

*画像クリックで拡大。

大崩山に唯一存在する山小屋が、この「大崩山荘」です。
初代の小屋が台風で倒壊した後、昭和63年に現在の小屋が再建されたようですね。

通年開放の無人小屋で、利用料金は無料です。 有志達の手によって整備されているので、利用した際は感謝の気持ちを込めて、ささやかでも協力金を募金箱に!


祝子川登山口から30分程入ったコース沿いに有り、小屋の目の前が三里河原コースと湧塚尾根コースの分岐点になっているため、前泊はもちろん、数日に分けて大崩山を堪能する場合の拠点として非常に便利です。

無人小屋ですが、内部は2階建て構造でかなり大きく、大体20~30人程は泊まれそうです。
春や秋のシーズン中は混み合う場合も有るので、仲良く譲り合って利用しましょう。


トイレは屋外に有りますが、トイレットペーパーは便器の中に落とさないように注意。
分別して別途焼却する方式なので、中に落とすと詰まってしまいます。

その他の利用方法は一般的な山小屋と同様です。 マナーを守って利用しましょう。

「大崩山荘」の概要

  • 所在地:祝子川登山口から徒歩約30分
  • 位置:湧塚尾根コース・三里河原コースの分岐点
  • 収容数:20~30人程(条件による)
  • 料金:無料
  • 管理人:無人
  • 水場:有り
  • トイレ:屋外に有り

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大崩山の登山シーズン

ほぼ一年を通じて登山可能ですが、真夏と真冬は注意が必要です。

南国として知られる宮崎県ですが、場所と季節によってはかなり冷え込みます。
坊主尾根コース等では真冬に凍結する箇所が有り、アイゼンは必須です。

氷瀑も有り、アイスクライミングの場としても知られているようですね。
宇土内谷コースの周辺ではアイスクライミングに来た人をよく見かけます。

また、8月は猛烈に暑いため、冬とは違った難易度の高さが有ります。
標高が2千m未満で樹林帯の歩きが多いため非常に蒸し暑く、相応の水が必要です。

草木が生い茂るため、登山道の一部が分かりづらくなる点にも注意しましょう。

  • 真夏に登る際は、水を最低でも2~3リットルは携帯しましょう。

大崩山に関するその他のアドバイス

非常にコースが長く時間が掛かるので、なるべく早出を心がけてください。
周回コースの場合、全行程を7~8時間と想定し、朝6時までには登山開始するようにしましょう。

中間地点である頂上やリンドウの丘には、遅くとも正午までには到着したいところです。
上湧塚を過ぎた時点で既に正午に達していた場合、頂上を諦めて下山する事を推奨します。

序盤と終盤は樹林帯を歩くので、暗い時間帯に行動するのはお勧めできません。
もちろんヘッドライトは必須ですが、有っても転倒や道迷いの危険が有ります。

  • 上湧塚付近から頂上を往復する場合、最低でも1時間は必要です。

ストックを持ってくること自体は良いのですが、持てあます可能性が高いですね。
主要コースである「湧塚尾根コース」と「坊主尾根コース」は両手を使う難所が非常に多く、ストックを持っていると出し入れが非常に面倒です。(特に坊主尾根コース)

収納するのが面倒だからとストック片手に危険地帯を通過するのは絶対に辞めましょう。
危険地帯における必須技術である三点支持(三点確保)が出来なくなります。
最悪の場合、他人を巻き込んで死ぬことになります。 横着な行動は事故の元ですから。

坊主尾根コース・湧塚尾根コース共にヘルメットの着用を強くお勧めします。
また、両手を使う場所が多いので、グリップ力の有るグローブが有効です。

  • グローブが無いと手がボロボロになると思われます。

大崩山の各所には絶景ポイントが多数有りますが、基本的にその付近は深く切れ落ちた断崖絶壁になっています。
いずれも数十~数百メートル程切れ落ちており、転落したらまず助かりません。

危険な場所には必要以上に近づかないようにする事が大切です。
特に積雪や凍結の有る冬場は注意してください。

また、岩をよじ登る場合、登れるかだけではなく、降りる事も出来るかどうかに留意してください。
登ってはみたものの、段差が高すぎて降りられなくなる危険性が有ります。

他の山にも共通する事ですが、岩場は登る時よりも降りる時の方が遥かに危険で怖いです。

  • 登る際に不安を感じたら、無理をせずに諦めることが肝心です。


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