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大キレットイメージ

北アルプス屈指の難所&名所「大キレット」

日本アルプス、特に岩稜地帯が多い北アルプスには数々の難所が有りますが、その中でも特に有名なのが北穂高岳と南岳の間に有る「大キレット」です。

難易度的には「涸沢岳~北穂高岳」の区間と同程度といった感じですが、知名度は圧倒的に大キレットが上で、ある程度登山をかじった人であれば誰もが知っている場所でもあります。

ルートの両端は見上げる様な急登で、一旦大キレットに突入したらエスケープすら不可能。
滑落事故も何度も起きており、初心者が立ち入るにはあまりにも危険。
技術と体力はもちろん、精神的なタフさも求められる歯応えの有るルートと言えます。

難易度は高いですが、突破した時の達成感も高いので、経験を積んで是非挑んでみましょう。
穂高連峰から大キレットを越えて槍ヶ岳まで縦走すれば、大きな満足感を得られることでしょう。
大きな満足感を与えてくれる歯応えと絶景、それこそが大キレットの魅力だと分かると思います。


「大キレット」概要

  • コースタイム:3時間程度
  • 小屋:2軒(キレットの両端に南岳小屋、北穂高小屋)
  • 分岐:無し(バリエーションルートの分岐は1箇所)
  • 難所:飛騨泣き、長谷川ピーク他多数(主に北穂高~長谷川ピークの区間に集中)

  • 初回公開日:2017年
  • 最終更新日:2018年3月

  • あくまで私個人が趣味で収集したデータを公開している場です。
  • 情報は日々変化しており、内容の正確性の保証はしません。
  • 無断転載・改変盗用等は厳禁。 判明した場合は対処します。

槍ヶ岳と穂高岳縦走の最難関である「大キレット」

常念岳から見る大キレット。 常念岳から見る大キレット。
穂高の稜線。 北穂高岳からの下り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2014年9月・2015年9月頃)

常念岳から大キレットを含む槍~穂高の稜線を見た様子です。
途中で大きく切れ落ちている場所が大キレットで、前後に有る急登の凄さが分かると思います。

頂上に有る北穂高小屋は断崖絶壁の上に有り、どちらから進んでも厳しい急登は避けられません。
難所は下るよりも登る方が楽なので、一般的には南岳の方から行くと楽だと言われています。
実際に体験してみると確かにそう感じましたが、結局難所には違いないので注意してください。

  • どちらかというと南岳の方から進む方が楽ですが、あくまで目安です。

大キレットと槍ヶ岳。 大キレットの核心部。
夕闇迫る大キレット。 夕闇迫る大キレット。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

北穂高岳の頂上は大キレットの展望地で、ここから眺める大キレットは迫力満点です。
日中の様子も美しいですが、夕闇迫る中、滝雲に包まれる様子も神秘的で良いですね。


御来光と大キレット。 御来光と大キレット。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

改めて言うまでも無い事ですが、大キレット等の難所は悪天候時に通過するのは止めましょう。
実は去年の10月に挑む予定だったのですが、あまりにも風が強いために断念したのです。

今年のシーズンも悪天候続きでしたが、9月下旬にようやく素晴らしい天候が訪れました。
雲一つ無い快晴、しかも風もほとんど無く、条件としては最高と言えます。

  • 悪天候時や厳冬期の大キレットは輪をかけて危険です。

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いきなり始まる北穂高岳からの急な下り

北穂高小屋からの急な下り。 北穂高小屋からの急な下り。
北穂高小屋からの急な下り。 北穂高小屋からの急な下り。
北穂高小屋からの急な下り。 北穂高小屋からの急な下り。
北穂高小屋からの急な下り。 北穂高小屋からの急な下り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

今回は北穂高岳の方から進みますが、一般的には逆の南岳から進む方が楽だと言われています。
その理由の一つが、この北穂高岳からの下りで、急なガレ場の下りは本当に苦労します。
確かに登りは体力を消耗しますが、下りは別の意味で疲れますね。

  • 北穂高岳からの下りは、特に落石に注意しましょう。

滝谷の険しい岩場。 滝谷の険しい岩場。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

一通り下り終わると、目の前には「滝谷」の断崖絶壁が飛び込んできます。
ここはクライマー達に人気の場所らしいですが、よくこんな場所を登るもんだ・・・
その断崖絶壁の上に見えるのが北穂高小屋ですが、やっぱり凄まじい立地の小屋ですね。


険しいガレ場の下り。 険しいガレ場の下り。
険しいガレ場の下り。 険しいガレ場の下り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

滝谷を堪能したら先へ進みましょう。 険しいですが鎖も有るので焦らず確実に!

  • 鎖や梯子は頑丈な作りなので、とにかく落ち着く事が大事です。

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大キレット最初の難関「飛騨泣き」に挑む

最初の難関・飛騨泣き。 最初の難関・飛騨泣き。
最初の難関・飛騨泣き。 最初の難関・飛騨泣き。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

難所として知られる大キレットですが、全区間が難所というわけではありません。
特に危険なのは「飛騨泣き」「長谷川ピーク」の周辺で、まずは飛騨泣きに挑みます。

まさしくナイフの如く切れ落ちた岩尾根を、鎖とプレートを活用して通過します。
足下にはハイマツが有るので高度感はさほど無いのですが、ハイマツの下は深く切れ落ちており、万が一滑落したら人生終了は不可避。 まず助からないでしょう。
くれぐれも慎重に通過しましょう。 強風や降雨時は無理に進まないように。

  • 危険箇所だからこそ鎖などが有ると言う事を念頭に、慎重に通過しましょう。

最初の難関・飛騨泣き。 最初の難関・飛騨泣き。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

この稜線は長野県松本市と岐阜県高山市の県境に辺り、何度も行き来しながら進む事になります。
賑やかな松本駅前と大キレットが同じ松本市というのも、なんだか面白い話ですね。


最初の難関・飛騨泣き。 足場が見えない。
鎖と鉄杭を活用。 鎖と鉄杭を活用。
鎖と鉄杭を活用。 鎖と鉄杭を活用。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

難所の飛騨泣きはまだ終わりでは無く、間髪を入れずに更なる難所が登場します。
切れ落ちた岩場を通過するのですが、なんと足下が死角になっていてほとんど見えません。
鎖にしがみつきつつ、足を使って足場を探りながら慎重におりましょう。

大キレットが北穂高岳の方から進むと難しいと言われる最大の理由はここに有ると感じました。
もちろん逆から来ても危険な場所ですが、足下が見えないよりは遥かにマシでしょう。

  • 下ってくる場合は足下が見えないので慎重に!

「A沢のコル」で一休みし、「長谷川ピーク」を目指す

特徴的な巨岩とHピーク。 特徴的な巨岩とHピーク。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

難所の飛騨泣きを通過しても、相変わらず危険な地形が続きます。
今度は右奥に見える突き出た岩「長谷川ピーク」を目指します。


A沢のコルへの急下り。 A沢のコルへの急下り。
貴重な休息所・A沢のコル。 貴重な休息所・A沢のコル。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

急な斜面を下り終わると「A沢のコル」に到着。
コルとは稜線の勾配が登りから下り(もしくは逆)に転じる場所の事で、峠や鞍部とも言います。

ここは大キレットにおける数少ない平坦な場所で、ザックを下ろして休息できる安息の地ですね。
ここから先は再び急登が始まるので、早立ちした人はここで弁当を食べると良いでしょう。

  • 「A沢のコル」の前後は難所が続くので、ここで休んでいきましょう。

木橋を渡る。 木橋を渡る。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

一箇所だけぽつんと有る木橋。 特に難所ではありませんが、雨天時はスリップに注意。


稜線への断崖絶壁。 稜線への断崖絶壁。
稜線への断崖絶壁。 稜線への断崖絶壁。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

木橋を過ぎると直ぐに断崖絶壁の急登になり、今度は岐阜側から長野側へ乗越します。
上部の方には手すりが設置してありますが、かなり高度感が有るので慎重に。
ここは反対側から来る人と遭遇し易い場所なので、やり過ごす場所とタイミングに注意しましょう。

  • この付近は見通しが悪いので、対向者が居ないか声を出して確認を!

長谷川ピークと笠ヶ岳。 長谷川ピークと笠ヶ岳。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

ナイフリッジ沿いに暫く進むと、ようやく「長谷川ピーク(Hピーク)・2841m」に到着。
ここは大キレットの概ね中間地点に当たり、ここから先は比較的難易度が落ち着きます。

向こうに見えるのが「笠ヶ岳・2897m」で、稜線沿いに進むと双六小屋へ至ります。
笠ヶ岳もまた槍穂高稜線の展望地で、位置的に午後以降に日当たりが良く見やすくなります。

  • 長谷川ピークは絶好の展望所ですが、滑落したらアウトなのでご注意を。

南岳へ繋がる後半戦。 南岳へ繋がる後半戦。
落ちたら終わりの急斜面。 長野側にはバリルート有り。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

飛騨泣き等の大キレットの難所は長谷川ピークから北穂高岳の区間に集中しており、
ここから先は比較的穏やかな地形が続きます。
しかし、決して簡単と言う訳では無く、特に岐阜側へ深く切れ落ちた急斜面は要注意。
一旦滑落したら数百メートルは止まりそうも無く、おそらく助からないと思われます。

なお、長野側からこの付近(A沢のコル付近?)へ繋がるバリエーションルートが有るそうですね。
どうやら眼下に見える北穂池付近から登ってくる様ですが、地図には記載されていません。

  • この区間に目立った難所は有りませんが、側面は急斜面なので油断禁物です。

「茶」ではなく「北ホ」。 地形もなだらかに。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

地形が緩やかになると同時に植物も多くなり、気が緩みがちですが最後まで頑張りましょう。
岩に記された文字は「茶」ではなく「北ホ」です!


日バーグ専用地? 日バーグ専用地?

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

暫く進むと、どうみてもテント泊用に整地されたと思われる場所を発見しました。
ここは当然テント泊禁止区域ですが、ビバークに使用されたのでしょうか?


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大キレット最後の踏ん張り所、南岳への絶壁を登る

最後の難関、南岳への絶壁。 最後の難関、南岳への絶壁。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

大キレットもほぼ終わり、最後の難関である南岳への直登に取りかかります。
遠くから見る南岳への登りは、まるでちょっとしたグランドキャニオンの様な凄まじい絶壁!

「本当にこんな所を通れるのか?」と尻込みしますが、実際に行ってみるとちゃんと道が有ります。
とはいえ、険しい急登で有る事には違いないので、十分に休息してから挑みましょう。


挨拶代わりの梯子場。 挨拶代わりの梯子場。
次なる梯子場。 次なる梯子場。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

ルート上にはまさしく断崖絶壁な場所も多いですが、そういう場所には梯子が有るので安心です。
そういえば大キレットは険しい割に、ほとんど梯子が無いルートでしたね。


最後は急登を登る。 最後は急登を登る。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

ひたすら岩場をよじ登り、丸太で補強されたつづら折りが見えたらあと一息です。
疲れもピークに達していると思いますが、気を抜かずに頑張ってください。


これまでのルートを振り返る。 獅子鼻展望台。

*画像クリックで拡大。(撮影:2017年9月頃)

南岳への急登を登りきったら大キレットは終わりです。 お疲れ様でした。
近くにある「獅子鼻展望台」からは、これまで歩いてきたルートが一目瞭然で感慨無量ですね。

ちなみに肝心の南岳山頂はまだ先にあります。
まずは目の前に有る南岳小屋で休息し、槍ヶ岳へ至る3000mの稜線歩きに備えましょう。


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