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学校分析









現役クリエイターが講師というのは本当?

ゲームスクール(専門学校や無認可校など色々)のWebサイトやパンフレットを見ると「現役クリエイターによる指導」を大々的にアピールしている学校がたくさんあります。

しかし、激務のゲーム開発と講師業を掛け持ちする事は本当に可能なのでしょうか?



本当に現役であるかも重要だが、それ以外にも注意すべき点があります。

ゲーム系の学校(特に専門学校)のパンフレットや公式サイトを見ると、「ゲーム業界で働く現役のクリエイターが講師!」という点をアピールしている学校が多いです。

言うまでもなく、ジャンルを問わず、現役のプロに教わる方が良いに決まっています。
特に、実務経験者でしか分からないような「応用」「裏話」に関する情報は非常に貴重であると言えるでしょう。

各学校がアピールしている「ゲーム業界で働く現役のクリエイターが講師」というのは本当でしょうか?


まずPRの文面を冷静に見てみましょう。 「現役のクリエイター」と書いてありますよね。
「現役」というのは「今現在ゲーム業界で働いている人」という意味であり、「過去ゲーム業界で働いていた人」という意味ではありません。


ここで私は一つの疑問点を思いつきます。
「毎日朝から晩までボロ雑巾のように働いているのに、いったいいつ講師として学校に赴いているのか?」という点です。
そもそも、その「現役クリエイター」が勤めている企業は、「副業やバイトで講師業をやる事を認めているのか?」という点も謎です。

目の前の仕事に追われ、そもそも副業が認められていない「現役のクリエイター」が、いったいどうやって講師をやっているのか、非常に不思議です。
私が知る限り、私の同僚で仕事の合間に講師をやっている人は一人もいません。


もちろん、学校の要請を受けて講演会などに行く人はいますし、企業によっては副業を認めている場合もあるでしょう。 が、あくまで講演会とかのレベルで、年間に数回とか言うレベルがほとんどです。


授業を担当する講師ならば、当然ながら担当する学科は年間を通じて専属で授業を行って欲しいですよね。
しかし、そうなると本業であるゲーム開発に支障が出ますし、そもそもゲーム企業とゲーム学校のどちらに所属しているのかが不明になってきます。

一方で、ゲーム開発の合間に、月に数時間程度しか講師として学校に来ないような場合、果たして「現役のクリエイターが講師」と言って良い物でしょうか? そもそも、それ以外の時間は誰が担当しているのでしょうか?



このように、時々見かける「現役クリエイターが指導」というPR分には非常に疑問を感じます。
いったいどういうシステムでゲーム開発と講師業を両立しているのか? 会社は認めているのか? 等々。

私の同僚の中には、退職後に都内や地元のゲーム系学校に転職して講師になった人も複数います。
が、退職した時点で「現役クリエイター」では無くなっているのは言うまでもありません。


確かに現役クリエイターであったとしても、「毎日専属で授業を担当する」のと「年に数回、講演するだけ」では全く意味が異なります。
講演を聴くだけであれば、CEDECやTGSのセミナーに参加すれば事足ります。
受講料が必要な場合もありますが、それでも学費より遥かに安いのは言うまでもありません。



みなさんも体験入学に行った際には、是非「現役クリエイター」のメカニズムに関して質問してみてください。
私もとても知りたいです。



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現役を退いた講師は役に立つか?

現実的に人材を揃えるのが難しかったり、講師としての善し悪しは人によるという様な点はありますが、
とりあえず講師は現役のクリエイターであるほうが良いと思います。

では、現役を退いたクリエイターは講師としてどうなのか?
仮に自分がゲーム業界を退職して講師業に転職した場合を想定し、この点を検証してみます。


ゲーム業界に限った事ではないと思いますが、今も昔も変わらず役に立つ技術・知識と、日進月歩で常に変化するため、あっという間に陳腐化する物があります。
つまり、前者に限れば現役を退いた講師でも十分対応出来ますが、後者に関してはかなり困難で、講師業をしながら独学でフォローする事は難しいと思われます。

例えばデザインの場合、デッサンなどの基本的な能力に加え、テクスチャーの描き方や軽量なデータの作り方(考え方)などは長らく使えるスキルです。
また、Adobeのフォトショップなども、バージョンアップ時に新機能が追加されるものの、基本的な操作方法や画面レイアウトなどは大きく変わらないため、一度覚えれば大体対応できます。

また、各社のハードウェアに設定されている規約なども、基本的に次世代ハードに引き継ぐ事が多いので、プランナーなどにとっては一度覚えると潰しが利きやすいと言える分野かもしれませんね。


逆に進歩が速く、一度現役を退くとその後の対応が難しくなると思われるものとしては、デザイン分野で言えば、やはり3Dグラフィック関連でしょうか。

私がゲーム業界に就職してから大体10年程が経ちましたが、その前の学生時代も含めて、2Dグラフィックに関しては、今も昔もPhotoshopを使用しています。
多彩なフィルターが追加されたり、レイヤー機能の強化やアクション機能の追加などは有りましたが、基本的な機能や使い方はそこまで劇的には変化していません。
例えば「テクスチャーの描き方」と言う点では、それほど変化していないです。


これに対し、3Dの方はと言うと、主要3Dツールメーカーの買収が繰り返され、MayaやZBrush等の新ツールが登場したり、市場シェアが変動したり等、2Dに比べると大きな動きがあったと言えます。

しかし、3Dに関してそれ以上に大きく変わったのが、技術面にて、次々に新しい物が登場したという点です。
法線マップ、プロシージャル技術、HDR、等々、主要な物だけでもたくさんあります。

映像業界等と違い、ゲーム業界は「非常に性能が制限されたゲーム機」という前提があったため、あまりハイエンドCGとは縁がなかったのですが、最近のゲーム機は性能が劇的に向上し、これら最新技術も次々に導入されることになりました。

なので、一度現役から離れると、それら技術動向の変化(進化)に対応するのが難しいのではないかと思います。
CG系の雑誌を欠かさず見れば、大体の流れや技術の概要は分かると思いますが、実際に仕事でそれを使うのとは訳が違います。

個人でやるとなると、環境を揃えるのも大変ですし、なにより仕事の合間では時間の確保も大変でしょう。
日中の大半が講師業で潰れ、かつ会社に勤めていた頃のような制作環境も失う中で、最新CG技術を欠かさず修得する・・・ なかなか難しい気がします。


この様に、「現役を退いたクリエイターは講師としてどうか?」という事になると、一概には言えませんが、懸念点も有る、という事になりそうです。
もちろん、業界未経験よりは全然マシだと思いますが。



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